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初めての1人暮らしごはん

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

一緒に作れる!KIDSごはん~巻き寿司に挑戦~

 前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介しています。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。

 第9回目の今月は、「一緒に作れる! KIDSごはん ~巻き寿司に挑戦~」

春はイベントが多い季節です。入園・入学式などの学校行事、転勤や人事異動に伴う歓迎会、お花見やピクニックなどの行楽。そして、これらのイベントに華を添えている食べ物が、「寿司」と言えるでしょう。寿司はそのおいしさはもちろん、食べやすさや見た目の美しさ、豪華さなどが相まって、大切な行事に欠かせない存在となっています。今月は、すべての年代に愛されている寿司を取り上げます。子供と一緒に作って楽しいお花の巻き寿司もご紹介しましょう。

★寿司の魅力

■寿司とは


ふなずし

寿司の語源は、酸っぱいを意味する「酸し」からきています。もともとは塩漬けにした魚を炊いた米に入れて自然発酵させた「なれずし」のことを指し、発祥は東南アジアといわれています。ちょうど琵琶湖周辺の郷土料理である「フナずし」がそれに近いといえるでしょう。

その後、次第に形を変え、室町時代に入ると現在のような酢飯に魚介類を組み合わせた形になり、江戸時代には握り寿司が誕生しました。おめでたいことを司る食べ物として「寿司」という漢字があてられるようになったのもちょうどこの頃からです。そして、昭和40年頃に回転寿司が考案されたことで、それまでの寿司=高級というイメージが一新され、若い人達や小さな子供がいる家庭でも手軽に楽しめるようになりました。


■郷土料理や行事食としての寿司


マグロのてこね寿司
(料理制作:伊藤華づ枝)

全国各地には、様々な寿司が郷土料理として受け継がれています。伊勢地方のてこね寿司もそのひとつで、カツオ釣り船の船上で漁師が釣ったカツオを刺身にして醤油につけ、ごはんに混ぜ、手でこねて食べたことがはじまりです。いなり寿司も、愛知県の豊川稲荷が発祥とされています。他にも岐阜県の朴葉寿司、富山県のます寿司や奈良県の柿の葉寿司などもご当地寿司として人気があります。

また、上巳の節句(ひな祭り)には女の子の健やかな成長を祈って、ちらし寿司を食べます。手巻き寿司や押し寿司も、お祝いや人が集まる時の人気メニューです。まさに、「家族の記念日に寿司あり」ですね。

江戸前ちらし寿司
(料理制作:伊藤華づ枝)
スモークサーモンの押し寿司
(料理制作:伊藤華づ枝)

■端午の節句に「こいのぼり寿司」

2009年2月号「歳時記とごはん」第7回:上巳の節句~女の子の幸せを願う桃の節句・ひな祭り~でご紹介した「春色押し寿司」。同じ材料で、端午の節句用に「こいのぼり寿司」はいかがでしょうか。この他にも、きゅうりやミニトマト、チーズやかまぼこなど、お好みの具材で楽しく手作りしましょう。


好みの高さや大きさに調整可能です

今回は、こいのぼりの型に、牛乳パックを利用しました。牛乳パックを好みの高さや大きさになるように切り、上の部分がちょうどしっぽになるように内側に入れて、セロテープなどでとめます。残った側面は、型に合わせて切り、上から押す時に使うと便利です。家庭にあるお弁当箱や保存容器、パウンド型などでも代用できます。



間にそぼろを挟みます

皿の上に型を置き、すし飯を詰めます。



側面が美しくなるように
ギュッと押しましょう

牛乳パックの残りを型に合わせて切り、上からギュッと押します。



子供と一緒に飾り付けましょう

上に具材を飾り、こいのぼり寿司の完成です。


お花寿司

みんながあっと驚く!技あり巻き寿司

エネルギー155kcal、タンパク質4.8g、脂質1.0g、塩分1.0g(1切れ分)
材料 4本分 1本分
《すし飯》
3カップ
650~700ml
大さじ2
(A)  
70ml
砂糖 大さじ3
小さじ2弱
《お花寿司・梅》  
すし飯 880g 220g
のり(2切サイズ) 12枚 3枚(上記の写真のように2枚は3等分します)
おぼろ 60g 15g
Kウインナー(10cm長さ) 4本 1本
野沢菜(10cm長さ) 20本(50g) 5本(20g)

作り方

  1. 米を分量の水と酒で1時間ほど浸水し、普通に炊いて10分間ほど蒸らします。
  2. 1.に(A)の合わせ酢を打ち、手早く冷ましてすし飯を作ります。

※下記からは1本分の材料で記載します(のりは2切サイズ(板のり1/2枚)を1枚と数えます)

  1. すし飯100gをボウルに入れ、おぼろと混ぜて5等分にします。(上記の写真を参照)
  2. のりを3等分にして長い辺を横にして置き、手前側に3.を細長くのせて丸く巻きます。
    同様に計5本巻きます。
手前側に細長くのせる 計5本巻く
  1. のり1枚と1/3をすし飯数粒でつなげます。
 
のりをつなげる  
  1. 残りのすし飯(120g)を左5cmほど残して広げます。(はじめに3ヵ所ぐらいに分けておくと広げやすい)
すし飯を広げる
  1. 野沢菜・4.の細まき・ウインナーを写真のようにのせます。
  1. 左手で巻きすを持ち、のりを片側ずつかぶせてとじます。巻きすを上にかぶせて横をおさえます。
    1本を4等分に切ります。
   

1つずつ袋に入れてラッピングし、プレゼントしても喜ばれます

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