文化講座
一緒に作れる!KIDSごはん~野菜たっぷり、あったかスープ~
前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介しています。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。
第6回目の今月は、「一緒に作れる!KIDSごはん ~野菜たっぷり、あったかスープ~」
新しい年のスタートです。本年も料理を通じて、皆様の健康と幸せをお祈りいたします。「好き嫌いをなくす!」という一年の目標を立てた人も多いことでしょう。特に子どもの好き嫌いについては、親にとって大きな悩み事のひとつです。そこで今月は、子どもの好き嫌い~野菜編~を取り上げます。この季節に、子どもと一緒に作って食べたい、野菜たっぷりのあったかスープのレシピもご紹介します。
子どもの好き嫌いについては、
2009年10月号「お弁当の作り方」第3回:幼児期のワクワク弁当~子どもが喜んで食べる工夫~
2009年11月号「お弁当の作り方」第4回:成長期のチャレンジ弁当~好き嫌いを克服する工夫~
もご参照ください。
★野菜を食べよう
野菜をもっと食べたい、あるいは食べさせたいと多くの人が思っています。野菜には、体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれています。炭水化物やタンパク質、脂質などの三大栄養素を含むものもあります。厚生労働省は、1日に350g以上の野菜を摂取することが望ましいとしていますが、残念ながらすべての世代においてまだまだ足りていません。寒い時期は、鍋や汁物、煮込み料理など、野菜をたくさん食べられる料理がおいしい季節です。これを機に、家族全員で野菜不足を解消しましょう。
■子どもの野菜の好き嫌いについて
3歳から中学生の子どもの野菜の好き嫌いについて、食品会社が行った興味深いデータ(カゴメ(株):子どもの野菜の好き嫌いに関する調査報告書:平成23年8月)をご紹介しながら、子どもに野菜を食べさせる工夫について考えます。
★子どもの約6割に好き嫌いがある
男子で好き嫌いが最も多いのが小学校低学年で67.0%、女子は3歳から小学校入学前で68.0%あります。
★母親の野菜の嗜好が子どもに影響を与える
野菜の好き嫌いを母親と子どもを照らし合わせたところ、母親の好き嫌いが「子どもの頃からある」場合、子どもの好き嫌いが「ある」割合が73.1%と全体よりも高くなっています。
一方で、母親の野菜の好き嫌いが「子どもの頃からない」家庭では、子どもの好き嫌いが「ない」割合が6割以上を占め、「ある」を上回っています。
料理を作る人は、自分が嫌いな食材を使わない傾向があります。食べたことがない野菜を、子どもが好きになるはずもありません。子どもの好き嫌いをなくすためには、まずは親の好き嫌いをなくすのが近道のようです。苦手な野菜があっても、できるだけ多くの野菜を使うように努力しましょう。
■子どもの野菜の好き嫌いを直したい理由
★母親は子どものことを思い、野菜の好き嫌いを直したいと願っている
75.4%が子どもの野菜の好き嫌いを直したいと思っています。世代が低いほど、子どもの野菜の好き嫌いを直したいと強く思う傾向があるようです。
★栄養バランスが気になるから直したい
理由については、「栄養バランスが気になるから」が81.5%、「食べられないものがあるとかわいそう」が37.8%と、子どものことを思う母親の気持ちが表れています。
■子どもの野菜の好き嫌いを直す工夫
野菜を身近に感じる家庭菜園
もっとも多いのが「味付けや調理の工夫」66.7%で、「声かけ(体に良い)(大きくなる)など」55.0%、「食べたらほめる」51.9%、「料理を手伝わせる」30.6%、「一緒に栽培をする、収獲体験」15.6%など、調理とともに子どもが食べる気になるような行動を心がける母親も多くいます。
庭がなくても、プランターや空き容器などで野菜を作ることができます。室内でもスプラウトやハーブなど、ちょっとしたスペースで栽培でき、キッチンのインテリアとしても素敵です。植え付けや水やり、収獲体験を通じて、野菜に愛着がわき、食べられるようになる場合も多くあります。
家族が「おいしそうに食べる」ことも大切です。園や学校などで、友達の刺激を受けて食べられるようになる場合も多くあります。
★味付けや調理を工夫する
具体的な工夫としては、
- 味付けを工夫する
- 細かく刻む
- 好きな料理に混ぜる
- よく火を通す
- 好きな調味料で味付けする
などがあります。
きのこたっぷりビーフカレー
(料理:伊藤華づ枝作)
子どもに人気のレシピベスト3は、
・カレー
ハンバーグのトマトソース煮込み
(料理:伊藤華づ枝作)
・ハンバーグ
金時豆のミートソースパスタ
(料理:伊藤華づ枝作)
・トマトソース、ミートソース
となっています。子どもの好きなメニューに野菜を加えると食べやすいですね。はじめは細かく切ってわからないように、少しずつ切り方を大きくし、存在感を増していきましょう。「食べられるようになった」ということで自信がつき、食以外の生活態度や勉強などへもプラスに影響します。
■あまり思い詰めないことも大切
嫌いな野菜を食べさせようと一生懸命になりすぎると、親も子どもも疲れてしまいます。ひと通り試してみたら、少し休んで様子をみましょう。他の野菜で栄養バランスを整えることもできますし、いつの間にか食べられるようになっている場合もあります。実際に、大人になってから好きになったり、食べられるようになった野菜がありませんか?あまり思い詰めないことも大切です。心にゆとりを持ち、子どもと一緒に楽しく料理をしながら、子どもの好き嫌いと向きあいたいものです。
ひよこ豆は成長期に必要なカルシウムたっぷり
みんな大好きトマト味
材料 | 4~5人分 |
ひよこ豆(乾燥) | 100g |
ミックスビーンズ | 1袋(50g) |
牛肩ロース肉(塊) | 200g |
塩 | 小さじ1/3 |
黒こしょう | 少々 |
玉ねぎ | 1/2コ |
イタリアンパセリ | 4~5本 |
オリーブ油 | 大さじ2 |
(A) | |
ターメリック | 小さじ1/3 |
パプリカパウダー | 小さじ1/3 |
チリパウダー | 小さじ1/3 |
トマトソース缶 | 1缶(295g) |
水 | 2・1/2カップ |
トマト | 1/2コ |
ウインナーソーセージ | 8本 |
パスタ(細いもの又はそうめん) | 50g |
塩 | 小さじ1強 |
白こしょう | 少々 |
イタリアンパセリ(粗みじん切り) | 少々 |
作り方
- ひよこ豆は一晩水に漬けて戻し、柔らかくなるまでゆでます。
- ミックスビーンズは、水でサッと洗います。
- 牛肉は1.5cm角に切り、塩とこしょうを振ります。
- 玉ねぎはみじん切り、イタリアンパセリは粗く刻みます。
- 鍋にオリーブ油を入れ、玉ねぎをじっくりと炒めてパセリと3.を加えます。
- 5.に(A)を加えて炒め、良い香りがしたらトマトソース缶と分量の水を入れて煮込みます。
- 種を取ってすりおろしたトマトと切り込みを入れたソーセージ、1.と2.を6.に加えます。
- パスタは3~4cm長さに折り、7.に入れて2~3分間ほど煮て塩とこしょうで調味します。
- 8.を器に盛り、パセリを散らします。
やさしいあたたかさ
モチ入りで満足度がさらにアップ
材料 | 4人分 |
酒かす | 120g |
かつおだし汁 | 200ml |
塩鮭(骨付き) | 2切れ(200g) |
大根 | 200g |
にんじん | 70g |
油揚げ | 1枚 |
こんにゃく | 1/4丁 |
かつおだし汁 | 1000ml |
(A) | |
しょうゆ | 小さじ2 |
酒 | 大さじ2 |
塩 | 小さじ1/2 |
合わせみそ | 大さじ1 |
みつ葉 | 4軸 |
もち(1コ50gのもの) | 4コ |
作り方
- 酒かすは分量のかつおだしで溶き、柔らかくしておきます。(早めに準備する)
- 鮭は骨ごと、1切れを4等分のブツ切りにします。
- 大根は乱切り、にんじんは大根よりやや小さめの乱切りにします。
- 油揚げは短冊切りにします。
- こんにゃくは手でちぎり、塩ゆでします。
- 鍋に分量のかつおだしと③を入れて煮ます。柔らかくなったら、2.と4.、5.を加えます。
- 途中で1.を入れて(A)で調味し、小口切りのみつ葉を入れます。
- もちは2等分にして焼きます。
- 椀に7.を盛り、8.をのせます。