文化講座
第6回:希望の光 ~人間力の回復と向上~
前シリーズでは「お弁当の作り方」と題し、毎日のお弁当作りが楽しくなるコツと旬のお弁当レシピをご紹介しました。
今シリーズでは、和食・中華・フレンチ・イタリアンなど、毎月テーマを決めて、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピをとっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しています。12回シリーズを終えた頃には、きっと「おもてなしの達人」と呼ばれることでしょう。
第6回目のテーマは「希望の光 ~人間力の回復と向上~」
新しい年を迎え、すがすがしい気持ちで過ごす1月。「今年こそは」と、目標を新たに意気込んでいる人も多いことでしょう。昨年は、日本人2人のノーベル化学賞受賞や小惑星探査機「はやぶさ」の帰還など、輝かしい話題の一方で、暗い話題が多い一年でもありました。今回は一年のスタートとして、希望に満ちた年でありますようにとの願いを込めたテーブルです。また、冬のおもてなしに最適な料理2品と、テーブルコーディネートを楽しむ上で必要なアイテムであるリネンについても取り上げます。
★テーブルコーディネートの楽しみ方
■必要なアイテム(道具)
<リネン>
リネンとは、英語で麻のことをいいますが、テーブルセッティングではテーブルクロス・ランナー・マット・ナプキンなどを含めた総称です。中世の頃、ヨーロッパの女性にとって、リネンは大切なお嫁入り道具でした。王侯貴族に女の子が生まれると、テーブルクロス・ナプキン・シーツ・枕カバー・布巾などのリネンにイニシャルや花を刺繍したり、レースを飾ったりして花嫁になる準備をしたものです。良いリネンを持って行くことは、その家のステータス・シンボルになっていた程です。
リネンは素材によってランク分けされます
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◎リネンの名称とサイズ
~テーブルクロス~

テーブルのサイズより40~60cmほど長くなるものを選びます。一般的にはかけた時に20~30cm垂れ下がるものが最適です。
テーブルクロスがもたらす色の演出の効果は大きく、カーテン・カーペットなどの部屋のインテリアに合わせたり、食器や食事に合わせたりすることができます。
~テーブルランナー~

テーブルの中央にかける帯状の布がテーブルランナーです。
サイズは30~40cm幅、長さ120~250cmのものが一般的です。テーブルの素材が生かせ、手軽なクロス感覚で使うことができ、座卓などにも利用できます。
~テーブルマット(ランチョンマット)~

カジュアルなセッティングに使用され、一人前のセッティングが並べられる肩幅の約45cm×32cm角が一般的です。
イギリスを始めヨーロッパではテーブルマット、アメリカではプレイスマットと呼ばれます。材質には布のほかゴムや竹で作られたものもあります。イギリスのクラシックスタイルでは、テーブルクロスとの重ね掛けはしません。
~テーブルナプキン~

ナプキンは、膝にかけて着ているものが汚れないようにしたり、手や口元を拭くためにあるものです。またワインやシャンパンの瓶に巻いて滴を拭いたり、料理やトレーなどの敷物にするなど、しみや汚れを気にせず使いたいものです。サイズは60cm角、50cm角、40~45cm角などいろいろありますが、家庭では40~45cm角が使いやすい大きさです。

テーブルセッティングにおけるテーブルナプキンの役割は、まずテーブルに色を添えること。そしてナプキンワークによって高さを演出するという大切なものです。そして汚れた手や口を拭くという実用的な機能という2つの大きな役割を持っています。
<参考文献>
・伊藤華づ枝著書「テーブルコーディネートレッスン」
・木村ふみ著書「テーブルコーデネーションレッスン」
冬のおもてなし料理
今回は、幸せを呼ぶホットな料理2品をご紹介します。
大切な人に振舞えば、きっと素敵なバレンタインになるでしょう。
誰もが好きな冬のごちそう。
パンやごはんはもちろん、ワインもすすむ一皿です。
材料 | 4人分 |
牛肉 (シチュー用塊) |
400g |
塩 | 小さじ1/2 |
黒こしょう | 適量 |
サラダ油 | 大さじ1 |
赤ワイン | 70ml |
水 | 1000ml |
にんじん | 1本 |
小玉ねぎ (又は玉ねぎ1コ) |
8コ |
バター | 10g |
じゃがいも | 中3コ |
セロリ | 中1本 |
マッシュルーム | 12コ |
(A) | |
デミグラスソース | 150ml |
トマトケチャップ | 大さじ2 |
塩 | 小さじ1/2 |
青味 (ブロッコリーなど) |
適量 |
作り方
- 牛肩ロースは一口大に切ります。塩と黒こしょうをふり、油を敷いたフライパンで強火で焼きます。
- 余分な油をふき取り、ワインを入れて少々煮含めます。
- 2.を鍋にワインごと移し、分量の水を加えて30~40分程煮込みます。(煮汁が少なくなったら水を足します)
- にんじんは3~4cm長の輪切りにしてから縦4等分し、面取りします。小玉ねぎは皮をむきます。
- フライパンにバターを入れ、4.を炒めます。
- 5.を3.に入れ、中火で10分程煮込みます。
- じゃがいもは皮をむき、4等分に切って面取りをします。セロリは皮をむき一口大に切ります。
- 6.の鍋に7.とマッシュルームを加え、(A)で調味してじゃがいもが柔らかくなるまで煮込みます。
- 器に盛って青味を添えます。
お好みの形のマカロニを使いましょう。
カレー風味で体も温まります。
材料 | 4人分 |
マカロニ | 120g |
塩 | 少々 |
サラダ油 | 少々 |
玉ねぎ | 60g |
きゅうり | 1本 |
塩 | 小さじ1/4 |
ロースハム | 50g |
(A) | |
マヨネーズ | 大さじ6 |
塩 | 小さじ1/3 |
カレー粉 | 小さじ1/2~1 |
サラダ菜 | 8枚 |
作り方
- マカロニは塩を加えた熱湯でゆで、ザルにあげて油をふりかけます。
- 玉ねぎは薄くスライスして水にさらし、きゅうりは薄い輪切りにして塩でもみ、しんなりしたらザッと洗って水気をしぼります。
- ロースハムは半分に切り、細めのせん切りにします。
- ボウルに1.~3.と(A)を入れて混ぜ合わせます。
- 器にサラダ菜を敷いて4.を盛ります。
※写真にはラディッシュの薄切りを散らしました。
★とっておきのテーブルコーディネート

様々な問題を抱え、まさに「崖っぷち」の地球。しかし、これらを克服する英知こそが「人間力」です。その人間力のベースは、自然を愛しむ心が礎となっているはず。今こそ荒廃した大地を耕し、種を蒔き、花を咲かせ、鳥を呼ぶべき時ではないでしょうか。
今回は、すべての人々が夢や希望を持ち、生きる力を育むようなテーブルを作りたいとの大きな大きな願いを込めました。
モノトーンを基調とし、希望の光、生命の源である新芽の黄緑を強調しました。食器には、毒虫や毒蛇を食べる益鳥であることから、邪気を払う象徴である孔雀が描かれています。孔雀柄の食器や羽根を象ったカトラリーには、美しい羽を広げて輝きたい、飛び立ちたいとの思いを込めました。落ち着いたカラーのフラワーアレンジからは、一つ一つ着実に花を咲かせていきたいという、堅実さを感じます。大地に根付き、まっすぐ前を見て、力強く歩むという決意を感じさせるテーブルが完成しました。
<フラワードーム2010~あいち花フェスタ・名古屋国際蘭展~テーブルコーディネート出展時の写真>