文化講座
第11回:~アフタヌーンティーのテーブル~
前シリーズでは「お弁当の作り方」と題し、毎日のお弁当作りが楽しくなるコツと旬のお弁当レシピをご紹介しました。
今シリーズでは、和食・中華・フレンチ・イタリアンなど、毎月テーマを決めて、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピをとっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しています。12回シリーズを終えた頃には、きっと「おもてなしの達人」と呼ばれることでしょう。
第11回目のテーマは「アフタヌーンティーのテーブル ~心を癒す優雅な時間~」
紫陽花に雨の滴がきらりと光る季節です。ひと雨ごとに木々の緑が深くなり、花も鮮やかさを増しています。しっとりと穏やかな日の午後には、女友達を呼んでアフタヌーンティーを楽しむのはいかがでしょうか。香り高い紅茶と軽食を用意して、さあ至福の時間の始まりです。友達と過ごすひとときは、心に豊かさと安らぎを与えてくれるでしょう。今月は、アフタヌーンティーのテーブルをご紹介します。紅茶とともに楽しみたいレシピ2品と、アフタヌーンティーのテーブルセッティングについても取り上げます。
★アフタヌーンティーパーティーの楽しみ方


アフタヌーンティーの歴史
アフタヌーンティーの発祥は、19世紀のイギリス、今から150年ほど前のことです。
ベッドフォード伯爵夫人のアンナ・マリアさんが、夕食までの空腹を満たすために、メイドにバター付きのパンと紅茶を運ばせたことに始まります。
今ではイギリスに限らず、各国の高級ホテルや日本でも気軽に楽しめるようになり、スコーンや小ぶりのケーキ、ティーサンドイッチと共に紅茶を楽しむ優雅なひとときとなっています。
アフタヌーンティーについては、同インターネット公開文化講座「季節のおしゃれ料理を素敵にコーディネート」の第2回、2001年9月号「アフタヌーンティーを楽しむテーブル ~ひとくちで食べられる貴婦人のお菓子~」でご紹介しています。手づくりスコーンのレシピとともにご参照ください。
アフタヌーンティーのテーブルセッティング
■用意したい食器
ティーポット・ティーストレーナー(茶漉し)・ クリーマー・シュガーボール(シュガーポット)・ティーカップとケーキ皿・ティーナイフ・ティースプーン・ホットウォーターポット
■テーブルセッティングの順序
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テーブル
ティーテーブルと呼ばれる繊細なテーブルを部屋の真ん中に用意し、まわりに椅子を配置します。 -
テーブルクロス
まず、アンダークロスをかけます。アンダークロスには、トップクロスがずれないようにするためや、物を置いたときの衝撃や音をやわらげる目的があります。トップクロスはレースやオーガンジーを二枚重ねにしたりして、優雅さを演出します。ランナーで動きを出しても良いでしょう。 -
ティーカップとケーキ皿を置く
ケーキ皿を手前に置き、右上にティーカップを置きます。 -
カトラリーを置く
ケーキ皿の右側にティーナイフを縦向きに置きます。ティーカップのハンドルの右脇に、縦向きにティースプーンを置きます。フォークは必要な場合にのみ置きます。 -
ケーキスタンド、又は盛り皿を置く
スコーン、ティーサンド、ケーキを3段のケーキスタンドかそれぞれを別々の皿に盛り、テーブルの中央に置きます。 -
ティーサービスを置く
テーブルの端にティーポット、シュガーボウル、クリ-マー、ティーストレーナーなどをトレーにのせて置きます。
アジア諸国のアフタヌーンティーのご紹介
かつてイギリスの統治下にあった国々では、アフタヌーンティーの習慣が根付いています。アジア諸国の多くのホテルで、本格的なアフタヌーンティーを楽しむことができます。"アフタヌーンティー"をテーマとし、各国を旅した時の写真をご紹介します。
■マレーシア
「迎賓館カルコサスリネガラ」
コロニアル調の高級ホテル。室内はアンティークの調度品が置かれ格調高い雰囲気に包まれています。




■シンガポール
「ラッフルズホテル、ティフィンルーム」
チャップリンやサマセット・モームなど、数多くの著名人に愛されてきた老舗ホテル。
その壮麗で優美なたたずまいに、思わずため息が出るほどで、世界からアフタヌーンティーを楽しむために人々が訪れます。




■香港
「ザ・ペニンシュラ香港、ザ・ロビー」
世界で最も素晴らしいホテルの一つとして、また"東洋の貴婦人"としてその名を馳せている最高級ホテル。
ネオクラシック様式の重厚な雰囲気の中で、歴史を感じながら、生演奏と共に楽しむアフタヌーンティーは、香港を訪れる人々の憧れです。
アフタヌーンティーのレシピ
紅茶と一緒に楽しみたいティーサンドイッチと風味豊かなマドレーヌ
彩りの美しいひとくちサイズのサンドイッチ
材料 | 4人分 |
キュウリの サンドイッチ |
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サンドイッチ用食パン(耳なし) | 8枚 |
マーガリン(又はバター) | 20g |
キュウリ | 1本(100g) |
塩 | 少々 |
サーモンクリーム サンドイッチ |
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スモークサーモン | 40g |
クリームチーズ(室温) | 60g |
(A) | |
レモン汁 | 大さじ1/2 |
塩 | 少々 |
サンドイッチ用食パン(耳なし) | 8枚 |
作り方
キュウリのサンドイッチ
- パンにマーガリンをぬります。
- キュウリはピーラーで長くむき、半分の長さに切って塩をふります。
- 1.に2.をはさみ、1組を6等分に切り分けます。
サーモンクリームサンドイッチ
- スモークサーモンは細かく切ってたたきます。
- ボウルにクリームチーズと(A)を入れて混ぜ合わせ、1.を入れて混ぜます。
- パンに2.をぬってはさみ、1組を6等分に切り分けます。
※写真にはセルフィーユを添えました
はちみつのコクとレモンの風味が紅茶にぴったり
材料 | ボート型12~13コ分 |
卵 | 3コ |
バター(有塩可・室温) | 150g |
砂糖 | 100g |
はちみつ | 30g(大さじ2) |
レモン(あれば国産) | 1コ |
(A) | |
小麦粉 | 150g |
ベーキングパウダー | 小さじ1/2 |
作り方
- 大きめのボウルに卵白2コを入れ、ハンドミキサーでしっかりと泡立てます。
- 中ボウルにバターを入れて砂糖を2~3回に分けて加え、白くなるまで混ぜ、はちみつを加えます。
- 2.に残りの卵(全卵1コと卵黄2コ)を3~4回に分けて加え、さらによくかき混ぜます。
- 3.にすり卸したレモンの皮1コ分と、大さじ2杯分のレモン汁を加えます。
- 4.に(A)をふるいながら加え、さっくり混ぜ、1.の卵白も加えます。
- 5.をボート型(又はマドレーヌ型)に分けて入れます。※紙製の場合は、そのまま入れます。金属型の場合は、溶かしバターを塗り、小麦粉をはたきます。
- 170度のオーブンで、16~18分間を目安にして焼き上げます。
※いわゆるマドレーヌ型ならば、8~10コ分作れます
★とっておきのテーブルコーディネート

美しいピンク色のアンティークのティーセットを同系色のテーブルクロスやお花でまとまりよくセッティングしました。ゴールドが高級感を出しつつ、ピンク色がやわらかく親しみやすい雰囲気もかもし出し、女友達と過ごす至福の時間を演出します。
エネルギー137kcal、タンパク質3.6g、脂質5.7g、塩分0.6g(1人分)
<サーモンクリームサンドイッチ>
エネルギー164kcal、タンパク質7.2g、脂質7.1g、塩分1.0g(1人分)