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かんたんコース料理

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第10回:~父の日のテーブル~

前シリーズでは「お弁当の作り方」と題し、毎日のお弁当作りが楽しくなるコツと旬のお弁当レシピをご紹介しました。
今シリーズでは、和食・中華・フレンチ・イタリアンなど、毎月テーマを決めて、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピをとっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しています。12回シリーズを終えた頃には、きっと「おもてなしの達人」と呼ばれることでしょう。

第10回目のテーマは「父の日のテーブル ~感謝と尊敬の念を込めて~」

爽やかな風が吹き抜け、澄んだ青空が広がる季節を迎えています。毎年5月の第2日曜日「母の日」では、多くの人がお花やプレゼントを買い求め、母親に感謝の意を示しています。6月の第3日曜日「父の日」も、お酒やネクタイなど、父親の嗜好に合うものをプレゼントする人が年々増加しているものの、まだまだ母の日ほどではありません。今年の父の日には、父親の好きなお酒と料理を用意して、日頃の感謝の気持ちを伝えてみましょう。今月は、父の日によせたテーブルをご紹介します。父の日に作りたいとっておきレシピ2品と、テーブルコーディネートを楽しむ上で必要なアイテムであるグラスについても取り上げます。

★テーブルコーディネートの楽しみ方

■必要なアイテム(道具)

今号までに、リネンとフィギュア、食器、カトラリーについてご紹介しました。今回はグラスを取り上げます。これでテーブルコーディネートに必要な一通りのアイテムが揃います。

<グラス>

ガラスの歴史は長く、紀元前2000年頃メソポタミア地方やエジプトで作られていました。しかし、その頃のガラスは透明なものではなく、透明なガラスが日常的になったのはローマ時代になってからでした。

■世界のガラスとその特徴

ソーダガラス ・・・ 14世紀のベネチアで発明されました。今では生活に最も密着しており、無色透明なものから、様々な色ガラスまで作られています。
カリガラス ・・・ 16世紀に発明されました。ボヘミアングラスがこれにあたります。
鉛クリスタルガラス ・・・ イギリスで発明され、現在最もクリスタル(水晶)なガラスとされています。

グラスは食事中に供される飲み物用と、食前、食後に供されるグラスに分かれます。テーブル用アイテムにはゴブレット・赤ワイン用・白ワイン用・シャンパングラス・タンブラー等があります。ダイニングテーブルにはセッティングしませんが、食前用としてシェリーグラス・カクテルグラス・オールドファッショングラス、食後用としてシェリーグラス・リキュールグラス・ポートワイングラスがあります。


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■グラスの取り扱い

  1. 他の食器と一緒に洗わないようにします(合成洗剤を用い、柔らかいスポンジで丁寧に洗います)。
  2. 洗浄後は、熱いうちに専用の布でふきます。
  3. 持ち運びには、トレイを使います。
  4. 高品質・高価格な物ほど壊れやすいので、取り扱いには気をつけます。
    (脚部のあるワイングラス・ゴブレット等は逆さにして脚の部分を持ってもよいでしょう)
  5. ホコリが入らないように、棚にしまいます。

父の日のとっておきレシピ

暑くなる季節に食べたい、ピリッとパンチのある味。
お酒にもよく合う2品です。

チキンジャンバラヤ

人気爆発中のスパイシーなメキシカンピラフ

エネルギー396kcal、タンパク質12.6g、脂質9.9g、塩分2.0g(5人分としたときの1人分)
材料 4~5人分
2カップ
オリーブ油 大さじ2
にんにく(みじん切り) 1粒
玉ねぎ 1/2コ(100g)
セロリ 30g
ピーマン 2コ
赤パプリカ 1/4コ
鶏もも肉 150g
小さじ1/3
こしょう 少々
サラミソーセージ(又はウインナー・5mm厚さに切る) 50g
(A)  
チリパウダー 大さじ1弱
パプリカパウダー 小さじ1
クミンパウダー 小さじ1/2
トマト(水煮・完熟ホールトマト) 1/2缶(200g)
にんじん 80g
(B)  
小さじ1
350ml
タバスコ(お好みで) 少々

作り方

  1. 米を洗ってザルに上げ、30分間程水気をきっておきます。
  2. フライパンにオリーブ油を入れてにんにくをじっくりと弱火で炒めて香りを出し、粗みじん切りの玉ねぎ、7mm角に切ったセロリとパプリカ、半量のピーマンを入れて、甘い香りがするまで炒めます。
  3. 2.に2~3cm角に切って下味をつけた鶏肉も加え、炒めます。
  4. 3.の鶏肉の表面が白く変わったら、1.を加えて半透明になるまで炒め、サラミも加え、(A)を入れます。
  5. 4.にフォークでつぶした水煮トマト、すりおろしたにんじんを加え、煮立てます。
  6. 5.に混ぜ合わせた(B)を加え、沸騰するまで強火にかけます。
  7. 6.が沸騰したら、フタをして中火で13分間炊き、炊きあがったら10分間蒸らします。
  8. 残しておいたピーマンは、色よく茹でて7.の上に散らします。
  9. 8.を器に盛り、お好みでタバスコをかけて召し上がります。

※写真には、セルフィーユを添えました
※(A)のスパイスは市販のケイジャン用ミックススパイス大さじ1で代用しても良いでしょう


そら豆とエビの糸寒天サラダ

おいしさはもちろん、健康にも気遣った愛情の一皿

エネルギー135kcal、タンパク質15.1g、脂質2.1g、塩分1.5g(1人分)
材料 4人分
そら豆 8サヤ(24粒)
エビ 12~16尾
しょうが 大1かけ分
片栗粉 大さじ2
糸寒天(カットタイプ) 8g
きゅうり 1本
トマト(中) 1コ
(A)  
大さじ3
ごま油 小さじ2
豆板醤 小さじ1
小さじ1/2
しょうゆ 小さじ2
砂糖 大さじ2弱

作り方

  1. そら豆はサヤから取り出し、やや固めに塩茹でします。水に取って冷やし、薄皮をむいて半分に割ります。
  2. エビは殻をむき、背中を開いて背わたをとり、ボウルに入れ、しょうがの搾り汁と片栗粉を加えて混ぜます。
  3. 2.を熱湯で茹で、水に取って冷やします。
  4. 糸寒天はサッと洗い、水に10分間程戻して水気を取り、酢水で洗います。
  5. きゅうりは乱切り、トマトは半円切りにします。
  6. (A)をボウルに合わせ、よく絞った糸寒天、きゅうり、そら豆を入れて混ぜます。
  7. 3.をペーパータオルでしっかり水気を取り、6.に加えます。
  8. 器にトマトを盛り、7.を真ん中に盛ります。


★とっておきのテーブルコーディネート

父の日のテーブル  ~感謝と尊敬の念を込めて~

家族を支える大黒柱の父親。日々多忙な父親を「父の日」に家族でゆったりともてなすテーブルです。日頃の感謝の心を込め、父親の大好きな和食と水割りを用意しました。威厳ある父親のイメージを「紫」で表現し、シャープで、気高くコーディネートしてみました。

折敷セット

洗練された和モダンの折敷セットは、漆黒とプラチナで格調高く。
四角や先の尖った形は、キリッとかっこ良い父親を表しています。


水割りセット


橋口義昭さん(神奈川県厚木市在住)の作品「紫陽花文鉢」です。
20年程前に購入しました。今回は水割りの氷を入れてみました。
いつもは寡黙な父親も、おいしいお酒で会話が弾みそうです。


フラワーアレンジメント


紫のテッセンをメインにあしらい、涼やかで落ち着きのある仕上がりです。テッセンの花言葉「高潔」に、尊敬する父親を重ねています。
所々に散らばる白いバラとカーネーションが、厳しい中にも時折みせる父親のやさしさを映し出しています。

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