文化講座
第9回 美しい盛り付けを学びましょう~和食~
前シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しました。
シリーズ18回目の今シリーズでは、「憧れのもてなしレシピ」というテーマで、気軽に作れておしゃれなもてなしレシピ、盛り付けのコツ、器の選び方、テーブルセッティングなどをご紹介しております。
おもてなしのコツや、パーティーへ参加する際のマナーなども、併せてご紹介します。
第9回目の今月は、「美しい盛り付けを学びましょう~和食~」です。
第4回では洋風料理の盛り付け方をご紹介しました。
今回は和食器に盛り付ける際のコツを学びましょう。
美しい盛り付け方 ~和食器編~
日本人は昔から、2本の箸でものを食べる習慣があります。
箸で挟んで口に運ぶためには食べやすい大きさに調理し、食べやすい形に盛り付けることが何よりも大切です。
そして赤、黄、緑、黒、白と彩り良く盛り付けましょう。
1. 天盛り
- 日本料理の盛り付けに、天盛りは欠かせません。
- 単なる飾りではなく、料理に季節感を出し、香りを添えるという意味も含まれています。
- 小口切りのねぎ、木の芽、せん切りしょうが、おろししょうが、柚子の皮、ワサビなどを添えます。
- 天盛りは「まだ誰も手をつけていない」という意味もあります。
2. 刺身の盛り付け方
- 種類ごとに小山を作るように盛り、少し余白を作ると、すっきりとまとまって見えます。
- 添え物(木の芽・ワサビ・梅肉・青味など)を添えると、美しくなります。
3. 揚げ物の盛り付け方
- 揚げ物をかごや器に盛り付ける際には、懐紙や和紙などを下に敷きます。
時には、レースペーパーを敷いてもオシャレでしょう。 - これは油を和紙に吸わせるという目的だけでなく、油が器に染み込んで器を汚さないためでもあります。
- 立てかけるように、立体的に盛り付けるのがコツです。
4. 煮物の盛り付け方
- 煮物は大きめの器に積み上げるように、こんもりと盛ります。
5. 汁物の盛り付け方
- 具沢山の汁物は、汁の量よりも具を多めに盛ります。
- ひとつひとつの具が見えるように、整えることが大切です。
- 汁物はお椀に盛らなければいけないということはありません。
右の写真は九谷焼のスープカップに盛り付けました。いろいろ工夫してみましょう。
6. ご飯ものの盛り付け方
- 大きな器に盛る際は、中央に盛って余白を作ると見た目が良くなります。
- ご飯の上に具材を飾る際には、ある程度まとめてのせます。
- 茶碗ではなく、物相などの型で抜いて盛るのも雰囲気が変わって良いでしょう。
7. サラダや漬け物の盛り付け方
- 器全体に広げるのではなく、小さな山を作るように盛り付けます。
- 平たいガラスの器に盛ると、涼しげに見えます。
8. デザートの盛り付け方
- デザートは最後に感動を与えられるように盛り付けます。
- いろいろな色を取り合わせることで美しさを引き出し、最後のデザートでホッとする瞬間を作ることができます。
9. 大きなプレートを利用して
- 大皿に数人分を盛り合わせると、豪華に見えるでしょう。
- 大きなプレートの上に小皿を置いて盛り付けると、取り分けやすいのでお年寄りやお子さんにも喜ばれます。
和食器のテーブルセッティングの基本
1. 一汁一菜
お菜が一品だけの軽い食事のためのセッティング
配置のポイント
- 全体的に三角形になるように置くと、見た目も美しく見えます。
- 飯椀と汁椀の間には手の持ちやすいように、握りこぶしひとつ分くらいスペースを空けることをおすすめします。
3.一汁三菜
和食の最も基本的なセッティング
配置のポイント
- 全体的に四角になるように置くと、見た目も美しいです。
- 器というよりは、料理によって配置が決まっています。

※かつおだし汁をかけて食べるタイ茶漬けは、料亭風の上品な味わいです
材料 | 4人分 |
タイ(刺身用) | 320g |
白ごま | 大さじ4 |
かつおだし汁(又は煮切り酒) | 大さじ2 |
しょうゆ | 大さじ4 |
A | |
かつおだし汁 | 800ml |
塩 | 小さじ1 ~1・1/3 |
しょうゆ | 大さじ1 |
みりん | 大さじ1 |
三つ葉 | 8~10本 |
ご飯 | 4人分 |
わさび | 適宜 |
実山椒の佃煮(あれば) | 適宜 |
作り方
- タイは刺身より、やや薄切りにします。
- 白ごまを炒ってすり、だし汁としょうゆでのばしてごまだれを作ります。1.を20~30分間漬けます。
- (A)を煮立てます。
- 三つ葉の軸を小口切りにします。
- 丼にご飯を盛って2.を並べ、三つ葉の葉と軸を添えます。
- 熱々の3.を5.にかけ、薬味と共に食べます。

※名前の通り茶碗で蒸すと良いのですが、マグカップでも良いでしょう
材料 | 4人分 |
卵(Lサイズ) | 3コ(200ml) |
A | |
だし汁(昆布かつお・冷えたもの) | 400ml |
薄口しょうゆ | 大さじ1強 |
みりん | 大さじ1/2 |
塩 | 小さじ2/3強 |
ゆり根 | 12枚 |
B | |
だし汁(昆布かつお) | 300ml |
薄口しょうゆ | 小さじ1 |
みりん | 小さじ1/2強 |
C | |
水 | 大さじ1 |
片栗粉 | 大さじ1 |
カニの身(1本15g位) | 4本(50g) |
三つ葉 | 8本 |
作り方
- ボウルに卵を割りほぐし、(A)を加えて泡立て器でしっかりと混ぜます(泡立てないように)。
- ザルの上から、1.を流し入れてしっかりと漉します。
- 器にほぐして洗ったゆり根を入れ、その上から2.を流し入れます。器にはフタをせず、ラップをぴったりはります。
- 蒸気の上がった蒸し器で中弱火で15分間蒸し、火を消してそのまま5分間蒸らします。
- 別鍋に(B)を煮立て、(C)でゆっくりとろみをつけます。
- 4.の上に5.をかけ、ほぐしたカニの身と茹でた三つ葉をのせます。