文化講座
第7回 ロシア料理でハッピーバレンタイン
前シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しました。
シリーズ18回目の今シリーズでは、「憧れのもてなしレシピ」というテーマで、気軽に作れておしゃれなもてなしレシピ、盛り付けのコツ、器の選び方、テーブルセッティングなどをご紹介しております。
おもてなしのコツや、パーティーへ参加する際のマナーなども、併せてご紹介します。
第7回目の今月は、「ロシア料理でハッピーバレンタイン」です。
2月14日はバレンタインデーです。
バレンタインデーは、世界各地で男女の愛の誓いの日とされています。
日本では女性から男性へ愛の告白としてチョコレートを贈る日と一般的に認識されていますが、欧米では恋人や親しい人に花やケーキ、カードなど様々な贈り物をします。
写真はバレンタインのスイーツパーティーのテーブルです。
チョコレートフォンデュ、チョコレートムース、生チョコキャラメルを用意しました。
ロシア料理のテーブルセッティング
寒い国・ロシアではスープが食事の中心です。
《温かいスープのあるテーブル》
寒い冬には、温かいスープがあると心身ともに暖まります。
バレンタインデーには華やかで、くつろげるテーブルを準備しましょう。
「シチ(キャベツスープ)のためなら人は結婚する」
「シチとカーシャ(麦のおかゆ)があれば満ち足りた食事」といわれる、有名なことわざが存在するくらいでした。
昔はロシア庶民にとっては、スープこそが食事の中心であり、スープには「スプーンが立つくらい」具がたくさん入っていなければいけませんでした。
鍋にスプーンが立つ様子
ボルシチ(伊藤華づ枝作)
ボルシチ(ロシア現地で食べたもの)
ボルシチとは、もともと家庭にある手持ちの野菜(キャベツ、ニンジン、ネギ、トマトなど)を材料とし、これに牛肉などを入れて煮込んだスープ
独特の赤い色と甘味が特徴のビーツを入れ、サワークリーム(スメタナ)を落とすのが特徴で、酸味の効いたボリュームたっぷりのスープ
《ロシアの民芸品・マトリョーシカを飾ったテーブル》
マトリョーシカは中から次々と小さい人形が出てくる、ロシアの入れ子人形のことです。
ラテン語で"マトリョーシカ"は「母」を意味し、健康的な農家の大家族の母親のイメージを連想させ、家庭円満・子孫繁栄のお守りとしての言い伝えがあります。
テーブルナプキンの活用
テーブルナプキンには2つの役割があります。
- 汚れた手や口を拭くという実用的な役割
- テーブルに色を添えたり、ナプキンワークによって高さを演出するという役割
ナプキンがあるとテーブルに動きが出て、華やかになります。
特別な折り方をしなくても、丸めてナプキンリングやリボンで結ぶだけでも良いでしょう。
使用するナプキン、リング、器によってイメージがまったく変わります。
ナプキンリングを使う方法
フェミニン
カジュアル
シンプル
メニューカード立て
1. 布ナプキンを広げます
2. 1.を横半分に折ります
3. 更に2.を横半分に折ります
4. 両側を折ります
5. 右側をずらして折ります
6. もう一度右側を折ります
7. リボンで結びます
リボンは細めのほうが可愛らしくなります
器やクロスに合わせて選びましょう
出来上がり!
花をリボンの部分にさすと豪華になります
※ロシア料理の定番メニューで「グリヴィ」と呼ばれ、
きのこのクリーム煮をパン生地でフタをして焼いた料理
材料 | 4~6人分 |
※パン生地 | |
A | |
強力粉 | 120g |
薄力粉 | 30g |
塩 | 小さじ1/2 |
砂糖 | 小さじ2 |
B | |
ドライイースト | 小さじ2(3g) |
水 | 75ml |
牛乳 | 大さじ1 |
卵 | 10g |
バター(常温) | 10g |
※中身 | |
鶏むね肉 | 200g |
塩 | 小さじ1/4 |
白こしょう | 少々 |
マッシュルーム | 10~12コ(140g) |
生しいたけ | 6枚(90g) |
エリンギ | 2本(100g) |
玉ねぎ | 1/2コ(90g) |
バター | 25g |
小麦粉 | 25g |
白ワイン | 60ml |
牛乳 | 250ml |
水 | 200ml |
塩 | 小さじ1/2~2/3 |
白こしょう | 少々 |
サワークリーム | 80g |
ディル(みじん切り・あれば) | 2~3本 |
薄力粉 | 適量 |
作り方
- パンこね機に(A)と(B)と牛乳、卵を入れてスイッチを入れます(手でこねても良い)。
- ひとまとまりになったら、バターを入れ、10分間程練ります。温かい所に置き、30~40分間程発酵させます。
- 鶏肉は1~1.5㎝角に切り、塩と白こしょうで下味を付けます。
- マッシュルームは縦4つ割り、生しいたけは縦薄切り、エリンギは3等分の長さに切り縦に薄切りにします。玉ねぎは小角切りにします。
- フライパンにバターを入れ、玉ねぎを入れて甘い香りがしてきたら3.を入れ、鶏肉の色が変わったら4.を入れます。
- 白ワインを入れて少し煮て、キノコがしんなりとしたら小麦粉を入れてからめます。
- 分量の牛乳と水を入れ、塩とこしょうで味を整えます。
- サワークリームを入れ、あればディルを入れます。
- 器に8.を7分目まで入れ、1.の生地を4等分にして丸めてめん棒で器の1.7倍程の大きさにのばし、器のフチとパン生地の周囲に卵液(パン生地の残りの卵)を塗って生地を貼り付け、上に薄力粉をふるいかけて10分間置きます(二次発酵)。
- 150度のオーブンで15分間程焼きます。
※チョコレートの甘さといちごの甘酸っぱさがマッチしたデザート
材料 | 直径19㎝1コ分 |
A | |
薄力粉 | 110g |
砂糖 | 大さじ2 |
バター(有塩) | 60g |
卵 | 1/2コ分 |
冷水 | ~大さじ1~ |
打ち粉(薄力粉) | 適宜 |
B | |
卵黄 | 2コ |
牛乳 | 350ml |
砂糖 | 70~80g |
薄力粉 | 30g |
ビターチョコレート | 50g |
いちご | 1パック(300g) |
C | |
ジャム | 小さじ2 |
湯 | 小さじ2 |
セルフィーユ | 適宜 |
作り方
- ボウルに(A)を入れ、冷蔵庫から出したての固いバターを加え、薄力粉とバターを手でこすり合わせるように混ぜます。
- 1.がサラサラになったところで、卵と冷水を加えます。
- 2.の生地を手粉をふった台の上でめん棒でのばし、バターを塗って粉(分量外)をふったパイ皿に敷きます。
- 3.にフォークで穴をあけ、170度のオーブンで15~20分間くらいを目処に焼き上げます。
- ボウルに(B)をよく混ぜて鍋に漉し入れ、刻んだチョコレートを入れて火にかけます。
- 5.を強火で鍋底をこすり上げるようにして練り上げ、チョコレートクリームを作ります。
- 4.に6.を詰め、ラップなどを貼って乾かないように冷まします。いちごは外側から積み上げるようにして盛り付け、(C)を塗ってつやを出します。セルフィーユを飾ります。