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憧れのもてなしレシピ

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第1回 夏にぴったり!ベトナム料理でおもてなし

前シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しました。
シリーズ18回目の今シリーズでは、「憧れのもてなしレシピ」というテーマで、気軽に作れておしゃれなもてなしレシピ、盛り付けのコツ、器の選び方、テーブルセッティングなどをご紹介してまいりたいと思います。
おもてなしのコツや、パーティーへ参加する際のマナーなども、併せてご紹介します。

第1回目の今月は、「夏にぴったり!ベトナム料理でおもてなし」です。
今シリーズも日本料理、洋風料理、中国料理、エスニック料理、アフタヌーンティーなどを季節に合わせ、12回シリーズでご紹介してまいります。

暑い夏をベトナム料理で爽やかに

日差しが日に日に強くなる季節には、エスニック料理を食べて涼やかな気分になりましょう。
8月、夏真っ盛りの今月はベトナム料理でおもてなし!

ベトナム料理は中国の文化や、その後フランス統治によるフランス文化などの影響を受けながら、独自に発展してきました。
スパイスを多用しないので、あまりクセがなく、マイルドな味つけで日本人の舌にも合いやすい料理です。

南国の太陽の恵みをたっぷり受けたフルーツが、一年中食べられるのも魅力のひとつです。


ベトナム・ホーチミン
レストラン「インドシナ」でアオザイ(ベトナムの伝統衣装)を着た伊藤華づ枝

伊藤華づ枝流・おもてなしを成功させる秘訣!

今シリーズ第1回目は、私のホームパーティーの開き方をご紹介します。

~パーティーはドラマ、あなたはディレクター~
パーティーを開くためには、何か物語を作ってみましょう。
例えばあなたが友人らを招いて結婚予定の報告をするとか、近々発表会で披露する予定の民謡を歌うとか、夢あふれるように想像を働かせて欲しいのです。
テーマを決め、シナリオを書いたら、セッティングのイメージが固まるので、心からのもてなしができます。
あなたは素敵なパーティーを演出する、ディレクターに変身です。

今回は「ベトナムを一緒に旅した友人と思い出を語り合う」をテーマに、テーブルセッティングやメニューを考案しました。

(1)お客様リストを作る

♪ご招待したいお客様の名前やメニューを残しておき、次に同じお客様のときにメニューがダブらないようにしましょう。

(2)献立を決定する

年齢層、目的、人数、予算にあわせて、料理の内容を考えましょう。

メインの料理を決めてから、サブメニューを2~3品考えます。事前に用意しておけるマリネ・即席漬け・場持ちの良いチーズなどを入れると良いでしょう。また、食べやすさを基本に考えることも大事です。

味付けは、こっくり味やあっさり味、温かい食べ物と冷たいものを取り合わせます。

♪お寿司を出来合いのものにしたり、料理の持ち寄りを提案するのも、気軽にパーティーを楽しむひとつの方法です。

♪大勢が集まるパーティーでは、料理は大皿に盛りわけ、各自で好きなものを好きなだけ取り分けることが出来るビュッフェスタイルがおすすめです。

♪お土産に、手作り料理をお持ち帰りいただくのも良いでしょう。

(3)飲み物やパンなどを用意する

♪テーブルに欠かせないものが飲み物。ビールやワイン等は冷たいものを用意したいので、大きなボウルや花瓶等を用意し、氷の上に浮かべておけば、何度も席を立つ必要もなく、一緒にパーティーを楽しめます。

(4)リネンを決める

♪目的にあわせて、リネンを決めます。例えば"ガーデンパーティー"ならば、丈夫で水に濡れても問題のないもの。ビニール製のものや時には使い捨てのペーパータオルのようなものをナプキンに使っても良いのではないでしょうか。

♪遊び心を演出するには、アクセントになるような色や、季節感のある柄を選ぶと、テーブルが楽しいものになります。

(5)食器・カトラリー(ナイフ・フォークなど)・置物を選ぶ

♪料理が一番良く映える器は白。カトラリーは清潔にしておきましょう。

♪初めてのお客様をお招きする時は、置物(トーキンググッズ)を用意することで、話の糸口が見つかります。

(6)花や緑でアクセントを

♪テーブルの上の花や緑は、空間のアクセントになり、くつろぎを与えます。やわらかな花材は空間に動きを演出します。

♪鉢植えを利用したり、花の代わりに果物の盛り合わせを置いてみるのも良いでしょう。

(7)音楽や照明でムードを盛りたてる

♪心に響く音楽や、その場を盛りたてる照明(キャンドル・ちょうちんなど)は、思い出作りの大切なポイントです。

(8)お開きの合図

♪終わり良ければすべて良し。照明をパッと明るくする、反対にキャンドルの火を落とすことで、終わりの合図とします。小さなお土産をお渡しすることも、お開きの合図となります。

バッチャン焼きでテーブルセッティング

バッチャン焼きとは、ベトナムを代表する陶磁器です。
首都のハノイから車で30分ほどの小さな村「バッチャン」で作られていることから、「バッチャン焼き」と呼ばれています。
花など自然をモチーフにした絵柄を描いた物が多く、素朴な風合いが特徴です。

ベトナム・ホーチミンで購入したハスの花が描かれたデザインのバッチャン焼き

ハスはベトナムのシンボルとしてよく使われる絵柄です

バッチャン焼きには、他にもトンボや菊の花など縁起の良い絵柄が描かれた器があります。

ベトナムでトンボは、幸せを運んできてくれる縁起の良い生き物

ベトナムでは、菊の花は縁起の良い花とされています。3月にある「女性の日」には男性から女性に菊の花をプレゼントする習慣があります

フォーガー(鶏肉入りベトナムうどん)

※フォーとはベトナム料理を代表する、平打ち米粉麺のこと

材料 4人分
鶏肉手羽元 6本(530g)
2000ml
ナンプラー 50ml
 
A  
にんにく 1かけ(5g)
白ねぎ 7cm×4本(60g)
しょうが 4かけ(30g)
 
乾燥フォー(又は稲庭うどん) 320g
 
B  
ナンプラー 大さじ2
黒こしょう(粗挽き) 少々
 
C  
もやし 120g
パクチー 5g
ミント 4枝
赤唐辛子(生) 1本(15g)
青唐辛子(生) 1本(10g)
 
ライム 1/4コ

作り方

  1. 手羽元と分量の水、ナンプラーを鍋に入れて煮立て、沸騰してから(A)を加え、鶏肉を中弱火で30~40分間程茹で、スープを取ります。
  2. 1.の鶏肉は水に取って芯まで冷やし、手で太めに裂きます。
  3. フォーは袋の表示通りに茹でます。
  4. 丼に(B)を1人分ずつ入れ(ナンプラーは1人分大さじ1/2です)、1.のスープを300ml入れてから3.を入れます。
  5. 2.と(C)をトッピングし、ライムを絞って召し上がります。

※フォーの代わりにひやむぎや稲庭うどんでも良いでしょう

エビのさつま揚げ

※チャオは練り合わせる、トムはエビという意味。
ベトナム中部のフエ発祥の伝統料理

材料 16本分
エビ(殻つき) 12尾(160g)
鶏ひき肉 160g
 
A  
しょうがのしぼり汁 小さじ1強
小さじ1/3
白こしょう 少々
片栗粉 大さじ4
大さじ2・1/2
白ねぎ(みじん切り) 大さじ1
 
わりばし 4本
レタス 5枚
トマト 2コ
スイートチリソース 適宜

作り方

  1. エビは殻をむき、背わたを取って細かくたたきます。
  2. ボウルに1.とひき肉と(A)を入れ、よく混ぜ合わせます。16等分にします。
  3. わりばしを割って半分に折り、2.を周りにつけます。
  4. 蒸し器のサナにオーブンシートを敷き、穴をあけます。3.を入れて強火で10分間程蒸します。
  5. 4.が蒸し上がったら、取り出して高温の油で表面をカラッと揚げるか、焼きます。
  6. レタスは1cm幅のせん切り、トマトはスライスして巻いてバラを作ります。
  7. 器に6.をのせ、5.を盛ります。スイートチリソースをつけて召し上がります。

※写真はわりばしのかわりに、さやいんげんに巻いて揚げたものを添えました

他にも「ザボン(日本でいう文旦)のサラダ(この日はグレープフルーツで代用)」、デザートには「バナナのチェー(ぜんざい)」を用意しました。

猛暑が続く日も、美味しいベトナム料理で爽やかなホームパーティーを開きましょう!

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