文化講座
第2回 ティーサンドイッチやお菓子を作ってアフタヌーンティーを楽しみましょう
前シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しました。
シリーズ18回目の今シリーズでは、「憧れのもてなしレシピ」というテーマで、気軽に作れておしゃれなもてなしレシピ、盛り付けのコツ、器の選び方、テーブルセッティングなどをご紹介しております。
おもてなしのコツや、パーティーへ参加する際のマナーなども、併せてご紹介します。
第2回目の今月は、「ティーサンドイッチやお菓子を作ってアフタヌーンティーを楽しみましょう」です。
9月に入り、夕方には涼しい風が吹く日も多くなってきました。
"食欲の秋"を味わうのも良し、"読書の秋"を楽しむのも良し、紅茶を飲みながら、大切な人と語り合うのも良いでしょう。
アフタヌーンティーとは?
アフタヌーンティーとは、もともと、英国で始まった夕方のお茶の習慣です。
単にお茶やお菓子をいただくだけではなく、社交の場として定着していきました。
最近では日本のホテルのコーヒーハウスやティールームでもいただけ、スコーンや小ぶりのケーキ、ティーサンドイッチと共に紅茶を楽しむ優雅なひとときとなっています。
イギリスでこの習慣が生まれたのは、19世紀の中ごろ、今から150年ほど前のことです。
当時は夕食が遅く、夜の8時か9時頃でした。
ベッドフォード侯爵夫人のアンナ・マリアさんが、夕食までの空腹を満たすために、メイドにバター付きのパンと紅茶を運ばせたことに始まります。
その後、友人らを招いて優雅な食器を披露したりすると、それはまたたく間に貴族の間に広がっていったのです。
現在では午後3~4時頃に、親しい友人とカジュアルに集う"お茶の時間"として定着しています。
家庭でも簡単に「おもてなし」できるので、チャレンジしてみて下さいね。
家庭で手軽に出来るアフタヌーンティーのテーブルセッティング
- テーブル
ティーテーブルと呼ばれる小さなテーブルを用意し、まわりに椅子を配置します。 - テーブルクロス
まず、アンダークロスをかけます。アンダークロスには、トップクロスがずれないようにするためや、物を置いたときの衝撃や音をやわらげる目的があります。トップクロスはレースやオーガンジーを二枚重ねにしたりして、優雅さを演出します。ランナーで動きを出しても良いでしょう - ティーカップとケーキ皿を置く
ケーキ皿を手前に置き、右上にティーカップを置きます。 - カトラリーを置く
ケーキ皿の右側にティーナイフを縦向きに置きます。ティーカップのハンドルの右脇に、縦向きにティースプーンを置きます。フォークは必要な場合にのみ置きます - ケーキスタンド、又は盛り皿を置く
スコーン、ティーサンドイッチ、ケーキをケーキスタンドかそれぞれを別々の皿に盛り、テーブルの中央に置きます - ティーサービスを置く
テーブルの端にティーポット、シュガーボウル、クリーマー、ティーストレーナーなどを置きます
ベランダでのアフタヌーンティー
自分らしさを演出するには?
テーブルセッティングをする時、テーブルの上に何かストーリーを作りましょう。
どんなイメージでも良いのですが、想像をふくらませて楽しくセッティングすることが大切です。
フラワーアレンジメントも欠かせない演出のひとつです。
ヘレンドのティーセットとピンク色のテーブルクロスを使ってアフタヌーンティー
~伊藤華づ枝作~
ヘレンドとはハンガリーの有名陶磁器メーカーで、今回は「ウィーンの薔薇」のティーセットを使用しました
一輪の薔薇が描かれた優雅なデザインに合うように、テーブルにはグリーンとピンク色の薔薇を飾りました
エレガントなイメージを出すために、レースのランナーを敷きました
ミニケーキやサンドイッチも手づくりしました
世界各国・日本各地でのアフタヌーンティータイム
ロンドン・ブラウンズホテル
マレーシア・カルコサスリネガラ迎賓館
シンガポール・ラッフルズホテル
香港・ペニンシュラホテル
東京・マンダリンオリエンタルホテル

※アフタヌーンティーには、ひとくちサイズのサンドイッチが欠かせません
材料 | 作りやすい分量 |
サンドイッチ用食パン(耳なし) | 8枚 |
辛子マヨネーズ | 小さじ4 |
きゅうり | 1本(100g) |
塩 | 少々 |
ツナ缶(オイルを切る) | 1缶 |
作り方
- パンに辛子マヨネーズをぬります。
- きゅうりはピーラーで長くむき、半分の長さに切って塩をふります。
- 1.に2.とツナをはさみ、1組を6等分に切り分けます。
※写真はサンドイッチをきゅうりのスライスで巻き、イクラと青味を添えました
スモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチも共に盛りました

※卵白と砂糖、アーモンドを使った焼き菓子
材料 | 16コ分 |
A | |
卵白 | 60g(Mサイズの卵約2コ分) |
グラニュー糖 | 40g |
B | |
アーモンドプードル | 80g |
粉糖 | 80g |
作り方
- ボウルに(A)を入れ、ハンドミキサーで泡立てます。光沢のあるねっちりとしたメレンゲを作ります。泡立て器を持ち上げた時に、しっかりとツノが立つくらいまで泡立てます。
- (B)を合わせてふるい、1.に加えます。
- ゴムベラで、ボウルの奥から手前に大きく真ん中を切るようにして混ぜ合わせます。ボウルのまわりをこそげるようにしてすくい上げ、のの字を書くように大きく合わせます。切ってはすくい上げを繰り返し、粉っぽさが無くなるまで合わせていきます(目安として15~20回くらい)。
- 粉っぽさが無くなり、メレンゲが少し残っているくらいになったら、ゴムベラをボウルの奥から手前に向かって、底にこすりつけるようにして、すり混ぜます。生地をすくい上げて→こすりつけてを繰り返します(目安として20~30回くらい)。
- 生地をすくって落とした時にタラタラと流れ落ちる程度になれば、絞り袋に入れて丸く絞り出します
(直径1cmの丸口金使用)。
- 絞った後、軽くトントンとして空気を抜きます。
- そのまま室温に置いて、マカロン生地の表面を乾かします(40~60分間)。
- 指でそっと触ってみて、表面に膜ができ、指についてこなくなれば乾燥完了です。
- 天板にオーブンシートを2枚重ねて焼きます。
- 180~190℃のオーブンで2~3分間焼き、表面がツルっと焼けて上部が持ち上がり、生地が立ち上がった事を確認します。
- オーブンを140℃に下げ、7~8分間焼きます。
- オーブンから出して、そのまま冷まします。完全に冷めたら、オーブンシートからそっと剥がします。
- 1枚にサンドするクリームやガナッシュを塗り、もう1枚と合わせて軽く押さえます。
ピンク色のマカロン × ラズベリージャム
- マカロン生地の行程1.の後、ごく少量の水で溶いた赤色粉を混ぜ合わせます
- 行程13.で、ラズベリージャムを挟みます
黄色のマカロン × レモンバタークリーム
- マカロン生地の行程1.の後、ごく少量の水で溶いた黄色粉を混ぜ合わせます
- 行程13.で、レモンバタークリームを挟みます
レモンバタークリームの作り方(作りやすい分量)
無塩バター 70g、粉糖 25g
レモンの皮すりおろし 1コ分
レモン汁 大さじ1
- 室温に戻したバターを泡立て器で混ぜて柔らかく滑らかにします。
- 粉糖を加えて粉っぽさが無くなるまで泡立てます
- レモンの皮すりおろしとレモン汁を加えて混ぜます