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「続・誰でもわかるイタリア語」と「旅に役立つ会話フレーズ集」

石黒 秀嗣

続・誰でもわかるイタリア語 第1回 直接目的語(~を)の代名詞

このシリーズ「誰でもわかるイタリア語」では、イタリア語の基礎を文法用語に頼って説明することを出来るだけ避け、誰にでもわかるようにまとめています。また「旅に役立つ会話フレーズ集」では旅行での場面を想定した会話文をまとめましたので、自分のちからで訳し、旅行の場面で使えるようにチャレンジして下さい。

【人称代名詞】 その1 直接目的語(~を)の代名詞

人称代名詞は、イタリア語の学習で最初の難所とよく言われます。それは細かくて分かりにくいので難しいと言う理由です。例えば(Io) aspetto stasera.(今夜私は待っています)(Io) telefono stasera.(今夜私は電話します)、この会話で内容も問題なく通じます。しかし「誰を」とか「誰に」がはっきりしませんので、(Io) ti aspetto stasera. (Io) ti telefono stasera.と目的代名詞を付けることによってはっきりさせます。人称代名詞の働きには、イタリア語の会話とか文章になくてはならないものでもあります。名詞に付いてくる定冠詞も、なくても単語だけで通じるかもしれません。しかしロボットのように機械が話しているようで不自然です。人称代名詞も同じように自然に付いてくるもので、旋律のようにリズミカルなイタリア語の響きが生まれてきます。しっかり学習してイタリア語らしいイタリア語を使えるようにして下さい。

■直接目的語(~を)を表す代名詞

1人称・2人称 mi(私を)
ti(君を)
ci(私たちを)
vi(君たちを)
3人称 lo(彼を・それを)
la(彼女を・それを)
li(彼らを・それらを)
le(彼女らを・それらを)
注: 3人称は、人以外に物にも使います。その場合は、指し示す名詞の性と数に応じて使い分けします。
大文字で始まるLa「あなたを」とLi,Le「あなたがたを」は、敬称の意味で使います。しかしLaには、男性形・女性形の区別はありません。
例: "Signor Rossi, La prego di aspettare un momento."
La=男性形)
"Signora Rossi, La prego di aspettare un momento."
La=女性形)

■直接目的語(~を)の代名詞について注意すべき点

  1. 動詞の直前に置く。 例:Maria ti cerca.(マリアは君を探しています)
  2. 動詞の原形(不定詞)につける場合は、原型の語尾〈-e〉を省き代名詞をつける。
    例: Voglio vedere il film. = Voglio vederlo.
    (映画を見たい=それを見たい)
    Ho bisogno di vederti.
    (私は君に会う必要があります。)
  3. 口調がよいときは、単数の代名詞に限って母音を省略することが出来る。
    例: Ti aspettiamo al bar. = T'aspettiamo al bar.
    (君をバールで待っています)
    La accompagno io in macchina. = L'accompagno io in macchina.
    (私があなたを車で送っていきます)

■会話での使い方(質問と答え)

- Carlo,
MI accompagni a casa?
(カルロ、私を家まで送ってくれる)
 Sì, TI accompagno volentieri.
(はい、君を喜んで送るよ)
- Conosci Paolo?   (パオロを知っていますか)
 Sì, LO conosco.
(ええ、彼を知っています)
- Conosci Maria?   (マリアを知っていますか)
 No, non LA conosco.
(いいえ、彼女を知りません)
- Professore CI riconosce?
(先生、私たちを分かりますか)
 Certo che VI riconosco.
(勿論、君たちのことが分かるよ)
- E riconosce quei ragazzi?   (ところで、あの男の子たちが分かりますか)
 Sì, LI riconosco.
(はい、彼らをわかるよ)
- E riconosce quelle ragazze?   (ところで、あの女の子たちが分かりますか)
 Sì, LE riconosco.
(はい、彼女らを分かるよ)

他動詞は〈~を〉という直接目的語を取ります。しかし他動詞のなかには、日本語では〈~に...する〉と表現するものがあります。会話でよく使う動詞に多いので注意する必要があります。

salutare(~に挨拶する) 
incontrare(~に出会う) 
vedere(~に会う)
pregare(~にお願いする) 
informare(~に連絡する) 
ringraziare(~に感謝する)
accompagnare(~に付き添う) 
riguardare(~に関係する) 
raggiungere(~に追いつく)

例: La ringrazio di tutto cuore.
(あなたに心から感謝します
Va' avanti, ti raggiungo subito.
(先に行きなさい、すぐ君に追いつくから

■目的代名詞を強めるとき

強調形(mime,tite,cinoi,vivoi,lo・lalui・lei,La→lei,Li・Le→Loro)を動詞の後に置きます。
また前置詞の後に置かれる場合(con me,per voi,senza teなど)もこの強調形が使われます。

例: Ti amo.(私は君を愛しています)
Amo te.(愛しているとも、君を)
Compro un mazzo di rose per te.
(僕は君のためにバラを一束買います)

■直接目的語を使った代名詞の例文

(1) Maria studia il giapponese e lo parla bene.
(マリアは日本語を勉強しています。そしてそれを上手く話します)

(2) Io ti presento a Lucia, se non la ancora conosci.
(私は君をルチアに紹介します。もし彼女を知らないなら)

(3) Se incontro Lucia e Carla le invito alla festa.
(もしルチアとカルラに会ったら、彼女たちをパーティに招待します)

(4) Lei parla troppo in fretta e non La capisco bene.
(あなたが早口にしゃべりすぎるので、あなたの言うことがよく分かりません)

(5) La disturbo, se apro la porta?
(窓を開けてもかまいませんか)

(6) Non mangio spesso la pasta, perché non so cucinare, ma se la prepara mia madre, la mangio volentieri.
(私は料理が出来ないのでパスタ料理をあまり食べません。でも母がそれを作ってくれるならそれを喜んで食べます)

(7) A che ora mi passi a prendere? Ti passo a prendere alle dieci.
(何時に私を迎えに来てくれる?10時に君を迎えに寄ります)

◆旅に役立つ会話フレーズ集

 シリーズ『旅に役立つイタリア語』のサブテキストとして使って下さい。
旅行のいろいろな場面で役立つイタリア語会話についてまとめてありますので、是非サブテキストとして利用して下さい。ここでは旅行のいろいろな場面に使いそうな会話文をまとめてみました。
 会話の場面を想定して、日本語からイタリア語に訳してみて下さい。最初からイタリア語の解答例を参考にしないで下さい。まずは自分のちからで単語を並べるという努力をして下さい。最初から完璧なイタリア語で会話しようと考えないで下さい。

『ホテル』での会話

【案内所】

  1. 交通(trasporto)の便がよい、町の中心地(centro)がいいです。
  2. できたらナヴォーナ広場(Piazza Navona)の近くのホテルを探し(trovare)たい。
  3. 買い物(spesa, shopping)に便利なホテルがいいのですが。
  4. 100ユーロ以下(sotto)のホテルがいいです
  5. 四つ星(quattro stelle)のホテルがいいです。

【フロントで】

  1. 今夜、ツインルームを予約した(prenotare)山田です。
  2. 朝食付きですか?朝食を入れるとおいくらですか?
  3. 2名ですが、別々の(separato)部屋でお願いします。
  4. インターネット接続(collegare)が利用できますか?
  5. 荷物(bagaglio)を部屋までお願いできますか?

【部屋から】

  1. 明朝、モーニングコール(la sveglia)をお願いできますか?
  2. ルームサービスをお願いします。コーヒー二つとサンドイッチ(tramezzino)をお願いします。
  3. 部屋に鍵(la chiave)を置いてきてしまいました。
  4. 隣の(accanto)部屋がうるさい(rumoroso)のですが、誰かをよこしてもらえますか?
  5. 部屋の掃除(pulire)をしておいて下さい。

【チェックアウト】

  1. チェックアウトは何時ですか?
  2. カードでお願いします。
  3. 領収書(ricevuta)をいただけますか?
  4. ホテルのパンフレット(il libretto illustrativo)をいただけますか?
  5. チェックアウト後、荷物を預かって(depositare)もらえますか?

『ホテルでの会話』 イタリア語の解答例

Informazione:

  1. Preferisco il centro per la commodità dei trasporti.
  2. Vorrei trovare un albergo vicino alla Piazza Navona.
  3. Preferisco un albergo comodo per le spese(lo shopping).
  4. Vorrei trovare una camera sotto gli 100(cento) euro.
  5. Preferisco l'albergo a quattro stelle.

Accettazione/Reception:

  1. Sono Yamada che ho prenotato una camera doppia per questa notte.
  2. È inclusa la colazione? Quanto costa colazione inclusa?
  3. Siamo due, ma vorrei in due camere separate.
  4. Si può collegare(usare) a internet?
  5. Potrebbe portarmi i bagagli in camera?

In camera:

  1. Posso avere la sveglia domattina(domani mattina)?
  2. Vorrei il servizio in camera. Vorrei due caffè e un tramezzino(sandwich).
  3. Ho lasciato(dimenticato) la chiave in camera.
  4. La camera accanto è rumorosa. Può mandare qualcuno a controllare?
  5. Potrebbe pulire la camera.

Check-out:

  1. A che ora è il check out?
  2. Con la carta, per favore!
  3. Posso avere la ricevuta?
  4. Vorrei avere il libretto illustrativo dell'albergo.
  5. Posso lasciare i bagagli dopo il check-out?

イラスト : 樋口佳代

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