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インターネット公開文化講座

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エプロン一年生さんの為の基本クッキング

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

知っておきたい基本の切り方 ~魚介類・肉類の切り方~

これから料理を学びたい人・お料理大好きな人へ
このページでは、料理の基本やその逸話などを、料理法だけでなくいろいろな角度からご紹介します。

これまでに、基本の料理道具や身だしなみ、料理をおいしく仕上げる調味料の扱い方、野菜の切り方などについて記しました。第4回目は料理の腕前をランクアップをする為に必要な魚介類・肉類の切り方をご指導します。

魚の三枚卸しや筒切り、イカの下処理方法など、テレビなどでよく目にしているものです。しかし実際に調理してみると意外にできなかった・・・なんて経験は ありませんか。このページで魚や肉の下処理法を覚えて、より料理上手になって下さいね。



◆魚介類◆

~手開き~

いわしのような身が柔らかい小魚を、開くときの方法です。

いわしの頭と腹をキッチンバサミで切り、腹ワタ(内臓)をとります。(写真1-A&B)
(写真1-A)頭をとる
(写真1-B)内臓をとって水洗いする

頭側から親指を当て、骨に添って開きます。(写真2)
(写真2)
身を押さえて中骨を取り除き、尾の際で中骨をポキッと折ります。(写真3)
(写真3)

腹骨を包丁ですき取ります。(写真4)
(写真4)
手開き完成(写真5)
(写真5)

~2枚卸し・3枚卸し~

魚の中骨をはさんで、上身と下身に切り分ける方法です。

※ 2枚卸し
尾から頭に向かって包丁の刃先で魚の表面をなでるように、うろこを取ります。(写真6)
(写真6)
頭を胸ヒレの下から切り落とします。(写真7)
(写真7)

腹部に切り込みを入れ内臓を取り出し、中を洗います。(写真8、9)
(写真8)
(写真9)

包丁の先で骨と身を切り離します。(写真10)
(写真10)
ここまでが2枚卸しです。(写真11)
(写真11)

※ 3枚卸し
2枚卸しの④まで同じです。
中骨を下にし、背を手前に置きます。中骨の上から包丁をゆっくり入れます。(写真12)包丁の先で骨と身を切り離します。(2枚卸しの④と同じ要領で背骨と中骨を切りはなすときは、少しずつ包丁を引いて切るようにします。)
(写真12)

腹骨と血合いを、包丁を寝かせながら切り落します。(写真13)
(写真13)
3枚卸し完成(写真14)
(写真14)

~さばの筒切り~

腹ワタを取り除いたサバを、2~3センチの厚さ(使用する料理によって厚さは変わります)のぶつ切りにする方法です。(写真15)

豆知識

~新鮮な魚の選び方~
◆ 魚体がみずみずしいもの
◆ 目が澄んで透明感のあるもの
◆ えらが鮮紅色のもの
◆ 魚体に弾力のあるもの
◆ 嫌な魚臭がしないもの
魚を購入する時は、以上のことを参考にするとよいでしょう。
良い食材選びが料理上達の決め手です。
(写真15)

~イカの下処理~

胴の下からワタを傷つけないように、やさしくイカの足を引っ張りワタを取り除きます。(写真16、17)
(写真16)
(写真17)

胴についている軟骨を取り除きます。(写真18)
(写真18)
胴と耳の付け根を離します。(写真19)
(写真19)

1/4ほど皮がむけたら、静かに引っ張り皮をむきます。皮は、キッチンペーパーなどですべらないように、丁寧にむきます。(写真20)
(料理によって皮をむく場合と、むかない場合があります。)
(写真20)

ワタと足を切り離し、足の付け根にあるくちばしを押し出します。(写真21)

豆知識

~新鮮なイカの選び方~
◆ イカの身に透明感があるもの
◆ 足の吸盤が手に吸いつくもの
◆ 目が澄んでいるもの
◆ 身に弾力があるもの
(写真21)

~エビの下処理~

※ 竹串などで背ワタを抜く

エビの背中を丸め、節の3つ~4つ目あたりに竹串を刺し、すくい上げるようにして取り除きます。(写真22)
(写真22)

※ 背開きにして背ワタを取ります

背に2~3センチの切込みを入れ、包丁の先で背ワタを取り出します。(写真23)
(写真23)

※ エビを天ぷらにする場合の下処理法

エビの尾のとがった部分に水がたまっているので、とがった部分の先を切り取り、水を出します。(写真24)切った後のエビの尾の形です。(写真25)
このように下処理すると、揚げる時に油がはねません。
(写真24)
(写真25)

豆知識

~冷凍エビの選び方・扱い方~
冷凍焼けしていないものを選びます。
頭や殻が黒くないもの
冷凍のエビを戻すときはボウルに水をたっぷり入れ、流水で手早く戻すとイヤな臭いが出ません。
(普通の冷凍食品とは違い、室温や冷蔵庫では戻しません。)

~貝類(ホタテ)の扱い方~

貝殻をタワシで洗い、汚れを取ります。

貝の平らな方を上にして、テーブルナイフをさし込み、上の殻に沿って貝柱を貝殻からはずします。(写真26、27)
(写真26)
(写真27)

豆知識

~貝類の選び方~
しっかり口の閉まっているものが新鮮です。

◆肉類◆

~筋切り~


豚のロース肉などをフライにする場合、赤身と脂身の境のところにある筋(スジ)に包丁の先で切り込みを入れます。
筋切りをすることにより、調理後の肉の縮みがなく、火の通りがよくなります。(写真28)
(写真28)

~筋取り~

鶏ささみの筋(ささみについている1本の白い筋)の取り方。

薄皮を取り除きます。(写真29)
(写真29)
   
 
 

筋の両側に切り込みを入れ(写真30)、左手で筋を引っ張り、筋に包丁を当ててしごくように取ります。(写真31)
(写真30)
(写真31)

~鶏肉や豚肉のそぎ切り~


包丁を寝かせ、身をそぐように薄く切ります。切り口を広くして味をしみやすくする目的です。(写真32)
(写真32)

~内臓(鶏内臓)の処理法~

内臓は臭みを取り除いてから切ります。

<臭みのとり方>
酒に漬けて臭みをとる(和食の場合)(写真33)
牛乳に漬けて臭みをとる(洋食の場合)
水に晒して臭みをとる(どんな料理にも合います。)

<鶏内臓の処理法>
心臓回りの脂肪を包丁の先でそぎ取ります。(写真34)
火の通りをよくするために、真ん中で切り離すか開きます。(写真35)

豆知識

~新鮮な肉の選び方~

<牛肉>
赤身は鮮紅色、脂身は白色又は乳白色のもの
身に弾力のあるもの
身につやのあるもの

<豚肉>
赤身は淡紅色、脂身は白色のもの
赤身と脂身の境がはっきりとわかるもの

<鶏肉>
淡紅色のもの
身が締まっているもの
毛穴が盛り上がっているもの
(写真33)
(写真34)
(写真35)

◆様々な切り方を使った料理のご紹介◆

~筒切りを利用した料理~さんまの筒煮~

(写真36)
 
 

~イカの下処理とエビの背開きを利用した料理~魚介のイタリアンソテー~

(写真37)
 
 

~鶏ささみを使用した料理~鶏ささみのレモンあんかけ~

(写真38)
 
 

~鶏肝を使用した料理~鶏肝のしょうが煮サラダ~

(写真39)
 
 
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