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日常会話に役立つイタリア語

石黒 秀嗣

レッスン36 イタリア語のことわざ その3


フィレンツェ:貴石モザイクで描かれたドゥオーモとアルノ川
Firenze / IL Duomo e L'Arno (un paesaggio dipinto dal commesso fiorentino in mosaici in lastrucci)
石黒家所蔵

レッスン36 イタリア語のことわざ
その3 恋愛に関することわざ

 新型コロナウィルスの影響で、コミュニケーションのあり方が問われている今、ヨーロッパでは、あいさつの時に交わされる握手やハグするなどの生活習慣までがその見直しを余儀なくされています。このような文化を築いてきたイタリアでも動揺は計り知れないものがあるようです。コミュニケーションの中から生まれてきた「ことわざ」や「格言」などは、歴史の中で受け継がれてきたのです。
 今回は、恋愛に関係することわざを中心にまとめてみました。イタリア人は芸術に優れているとよく言われます。それは美に対する意識が非常に高いと言うことではないでしょうか。人やものに対する美意識が強く、多くのことわざを今に残しています。
 お馴染みの青い箱に入った「バーチチョコ」ご存じでしょうか。多分お土産で一度はもらったことがあるのではないでしょうか。「バーチ(baci)」は、イタリア語で「沢山のキス(bacioの複数形)」という意味です。チョコレートの中にはヘーゼルナッツ(nocciola)の入ったチョコクリームにヘーゼルナッツが一つ入っています。小粒タイプもあり「バチェッティ(Bacetti)」と言います。一つ一つ銀色紙で包まれていますが、それぞれに偉人の愛についてことわざや格言などが四カ国語(バチェッティは二カ国語)で書かれた薄い紙切れ(cartiglio)が入っています。

Perugina社は、愛の言葉が綴られたメッセージ(oracolo)を入れ、パッケージを青色にし、星空の下にカップルを描きお馴染みの青い箱が生まれました。また「愛のあるところにはペルジーナのバーチがある(Ovunque c'è amore c'è un Bacio Pergina)」という宣伝文句で販売を広げ、今や世界77カ国に販売されています。日本でもスーパーやネットなどでも購入できます。イタリア語の愛の言葉を楽しみながら、甘くて美味しいチョコレートを味わって下さい。一粒で二度楽しいバーチチョコです。

1. Chi trova un amico trova un tesoro.(持つべきは良き友だ!):「友を見つけるものは宝を見つける」

2. Tale il padre tale il figlio.(この親にしてこの子あり)

3. Non è tutto oro quello che luccica.(見かけに騙されるな!):「ぴかぴか輝いているものがすべて金だとは限らない」見かけをとても重視するイタリア人にとってはいたい言葉である。

4. Dimmi con chi vai e ti dirò chi sei.(類は友を呼ぶ):「つき合う人を見るだけでその人となりがわかる」という意味。

5. Chi tace acconsente.(黙っているのは同意したと同じ):イタリア語も同じ表現です。しかし自己主張の強いイタリアでは、黙っていると自分の考えがないものとして子供扱いをされてしまうので注意する必要があります。

6. L'amore è cieco.(恋は盲目)

7. L'amore è un viaggio non una destinazione.(愛とは旅路であって目的地ではない)destinazione「目的地・宛先」

8. Non è bello ciò che è bello, ma è bello ciò che piace.(美しいものは必ずしも美しくなく、好きなものこそが美しい):他人の意見などは関係なく自分が好きだと思う人こそが美しいという意味です。すなわち自分が愛する人が一番美しいと言うことを意味しています。ciò che~「...するところのもの(こと)」

9. L'amore è una bellissima rosa rossata senza un ragione apparente.(愛情とは理由なしに贈る真っ赤なバラのようだ):「愛」をバラにたとえたことわざ。バラの花のように見返りを求めずに贈るのが愛であるということ。apparente「見かけの、うわべだけの、表面上の」

10. Amore e tosse non si nascondano. fanno conoscere.(濃いと咳は隠せない):non si nasconderesi fanno conoscere「(人に)知らせる」とも言う。

11. Amore con amore si paga.(真心は通じる):「愛は愛でもって払う」という意味。

12. L'amore rende felice la gente.(愛は人を幸せにする)

13. Amor vincit omnia.(ラテン語:愛がすべて):「愛がすべてを支配する」という意味。

14. Al cuor non si comanda.(心までは命令できない):誰かを好きになったとき、どんなに自分に言い聞かせても心を動かすことは出来ないと言うこと。

15. Il vero amore è senza rimpianti.(本物の愛に後悔はない):愛が本物であれば、後になって後悔したりすることはないと言うこと。rimpianto「愛借、嘆き、悔恨」

16. Chi dice donna dice danno.(女は災い):女性は災いをもたらすという意味です。すてきな女性たちは、人の心を鷲掴みにして、時には人生までも変えてしまう魔力があると言うことです。

17. Moglie e buoi dei paesi tuoi.(結婚相手は同郷から選びなさい):イタリア語では「おらが村の嫁と牛」北イタリアと南イタリアの南北問題という深刻な差別意識が今も根強く残っています。生活習慣や価値観が違ってうまく行かないと困るということ。

18. Paese che vai usanza che trovi.(所変われば品変わる):「その地方に行けばそ地方のしきたりがある」という意味。

19. Chi è fortunato in amore, sfortunato al gioco.(恋に恵まれれば、賭け事にはつきがない):賭け事では運が回ってこなくても、恋愛では運が回ってくると言う意味。

20. Ogni medaglia ha il suo rovescio.(楯の両面を見ろ):「どんなメダルにも両面がある」すなわち何事もよい面ばかりを見てはいけないと言うこと。rovescio「裏側」

21. L'abito non fa il monaco.(人は見かけによらぬもの):「修道衣を着ていても修道士とは言えない」すなわち人は外見だけで判断するものではないと言うこと。

22. Suocera e nuora, tempesta e gragnola.(姑と嫁の間は嵐とあられ):「嫁と姑」問題に頭を悩ますのは日本もイタリアも同じです。イタリア語のことわざには他に、La vipera che morsica mia suocera morì avvelenata.(マムシが姑を噛んだら毒気に当たってマムシが死んだ)とかTra suocera e nuora c'è il diavolo che lavora.(姑と嫁は悪魔の仕業)などがあります。

23. Le gioie più grandi vanno sempre divise con chi si ama.(最大の喜びはいつも、愛する人と分かち合うものです):恋人や家族と一緒に過ごすのが幸せだと考えるのがイタリア人らしい。

24. Noi non potremo avere perfetta vita senza amici.(友達なしで最高の人生はなし):詩人ダンテの有名な格言であり、いつの時代でも友達というものは、その人の人生をより豊かにしてくれるものである。

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