文化講座
レッスン18 名詞と冠詞について その2
ローマ国立博物館、ミケランジェロの回廊
(Museo Nationale Romano:Chiostro michelangiolesco)
レッスン18 名詞と冠詞について その2
■数・量を形容詞を使って表す表現
イタリア語にはpoco(少しの)、molto(たくさんの)、ogni(あらゆる)、qualche(いくらかの)、alcuno(数人の、いくらかの)、tutto(すべての)などのように数・量を表す形容詞があります。数えられる名詞の場合には複数で、数えられない場合は単数で用いるのが原則です。しかしtuttiとかmoltiのように単独で男性複数形の場合は、一般的に「人」を表します。
A. ogni(あらゆる)、qualche(いくらかの)はつねに単数名詞を伴います。
- Leggo il giornale ogni giorno.(私は毎日新聞を読みます。)
レッゴ イル ジョルナーレ オンニ ジョルノ - C'era solo qualche persona.(たった数名のひとがいた。)
チェラ ソーロ クアルケ ペルソーナ - È importante studiare ogni giorno per imparare qualche lingua straniera.(何らかの外国語を覚えるためには毎日勉強することが大切だ。)
エ インポルタンテ ストゥディアーレ オンニ ジョルノ ペル インパラーレ クアルケ リングア ストゥラニエーレ - Scrivo qualche cartolina ad una amica italiana.(あるイタリアの友達に数枚のはがきを書きます。)
スクリーヴォ クアルケ カルトリーナ アドゥ ウーナ アミーカ イタリアーナ
B. poco(少しの)、molto(たくさんの)、tanto(多くの)、troppo(あまりにも多く)
un poco = un po'は、名詞を省略して「少しの、ちょっと」の意味で使います。
また名詞を入れる場合は、un poco zuccheroとは言わずpocoを名詞と考えun po' di zuccheroと必ず前置詞diを補います。
troppoは、普通は副詞として「あまりに~すぎる」という意味で使います。mangiare troppo(食べ過ぎる)とかbere troppo(飲み過ぎる)などのように使いますが、ここでは男性複数形にしてtutti, moltiと同様に「あまりに多くの人たち」の意味で使っています。
- Metto un po' di zucchero nel caffè.(僕はコーヒーに少しの砂糖を入れます。)
メット ウン ポ ディ ズッケロ ネル カッフェ - C'è poca gente.(少しの人しかいません。)
チェ ポカ ジェンテ - D'estate pochi restano in città, e molti passano le vancanze al mare o in montagna.(夏は、少しの人しか町にいなくて、多くの人は海か山で休暇を過ごす。)
デスターテ ポーキ レスタノ イン チッタ エ モルティ パッサノ レ ヴァカンツェ アル マーレ オ イン モンターニャ - Il mio nonno ha pochi capelli e molta barba.(私のおじいさんは髪の毛は少ししかないが、ひげはふさふさしています。)
イル ミオ ノンノ ア ポキ カペッリ エ モルタ バルバ - Troppi preferiscono vivere in città.(あまりに多くの人たちが都会で生活したがる。)
トゥロッピ プレフェリスコノ ヴィヴェレ イン チッタ
C. alcuno(数人、いくつかの、いくらかの)
alcunoは名詞、形容詞として、ほとんど複数形で使います。単数形は形容詞として否定文中のみに用いられ、non~alcunoは「まったく~ない」と全面的な否定となります。
ただしこの場合、語尾は不定冠詞型の変化をします。
- Alcuni ci credono.(何人かはそれを信じています。)
アルクーニ チ クレードノ - Abbiamo visitato alcune città.(私達はいくつかの町を訪れた。)
アッビアーモ ヴィジタート アルクーネ チッタ - Non c'è alcun dubbio.(いかなる疑いもありません。)
ノン チェ アルクン ドゥッビオ - Non possiamo essserle di alcun aiuto.(私達は少しもあなたのお役に立てません。)
ノン ポッシアーモ エッセルレ ディ アルクン アイウート
D. tutto(すべての、全部の)
(1) tuttoが名詞にかかるときの多くの場合は〈tutto+定冠詞+名詞〉となり「すべての~」を意味します。
tutto il giorno(一日中)、tutta la sera(一晩中)、tutto l'anno(一年中)、tutto il Giappone(日本中)、tutto il mondo(世界中)のようになります。
(2) しかし名詞が複数の時は、「全部の」「全体の」「全員の」の意味となり、
tutti gli uomini(全人類、男はみんな)、tutte le donne(女はみんな)、tutti i giorni(毎日)、tutti gli amici(友達の全部)、tutti gli studenti(学生全員)、tutti e due i fratelli(兄弟2人とも)、tutte e tre le sorelle(姉妹3人とも)のようになります。tuttoの語尾に注意しましょう。
(3) tuttoには、「すっかり・全く・まるで」の意味で名詞や形容詞を強調する副詞的用法があります。
- Maria è tutta bagnata.(マリアは全身づぶ濡れだ。)
マリーア エ トゥッタ バニャータ - La campagna è tutta verde.(野原はすっかり緑です。)
ラ カンパーニャ エ トゥッタ ヴェルデ - Quei ragazzi sono tutti sporchi.(あの男の子たちはすっかり汚れている。)
クエイ ラガッツィ ソーノ トゥッティ スポルキ - Zona tutta prati e boschi.(森や牧場ばかりの地域。)
ゾーナ トゥッタ プラーティ エ ボスキ - Mario è tutto lingua.(マリオは口が達者です。)
マーリオ エ トゥット リングア - Uomo tutto casa e ufficio.(家庭と仕事のほか見向きもしない男。)
ウオーモ トゥット カーザ エ ウフィッチオ
ローマ国立博物館 ミケランジェロの回廊
(Museo Nationale Romano: Chiostro michelangiolesco)