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自然体験

平成14年

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 紅葉の東白川ウォーキングと収穫祭を楽しもう!

平成14年11月17日(日) 晴れ
岐阜県加茂郡東白川村 こもれびの里にて
参加者:22組61名

  • 案内人/吉澤守さん
    73年に造園事務所を設立し、海外の野外施設を調査研究。87年に森林環境計画を企画す る事務所を東京に設立。91年に保古の湖レンジャー事務所チーフレンジャーに。2000年 4月に「日本森林環境隊」を発足。
  • サポート/水戸喜代香さん(インタープリター)
  • 地元案内人/藤井茂樹さん
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

赤や黄色に色づいた山並みを背景に霜がうっすらと降りる、東白川村晩秋の朝。こもれ びの里でも、真っ赤に染まったイロハモミジがお出迎え。紅葉の里山には、道草したく なる場所がいっぱい。のんびり、ゆったりのウォーキングで里山の魅力を再発見!

10:05~

開会式

東白川村の安江啓次村長より歓迎のあいさつ。続いて、本日の案内人マモさんこと吉澤守さんのあいさつ。「里山の持っている力は、洗濯槽のようなもの。そこに入れば心のアカなどを取ってくれる。心の洗濯ですね。今日のコースは、洗濯槽のようにまあるいコース。里山の良さを存分に味わえるはずです。のんびり、ゆったり、まったり行きましょう。心も丸くなりますよ」

←案内人の吉澤さんと水戸さん。真っ赤に染まったイロハモミジの前で。
10:20~

ウォーキングに出発!

<里山こもれびの道~ヒノキの林をたどる道>
里山の楽しみ方を教えてくれるマモさん、植物に詳しい水戸喜代香さん、地元の自然ならおまかせの東白川村の藤井茂樹さんとともに、こもれびの館を出発。まずは大きな葉っぱが落ちている木の下へ。ここで東白川ウォーキングの恒例「ポイントクイズ」の出題看板が。「みそをのせて焼いたり、すしを包むこの大きな葉っぱの名前は?」。これには「『ホ』ではじまる葉っぱだよね」と快調な滑り出し。

クイズを解いたら、里山自然林の中へ。白川の源流である小さな沢をわたり、村の人と動物がともに使っているという狭くて急な山道へ。笹をかき分けながら紅葉のトンネルを抜けていく。マツ・コナラ・シロモジ・タカノツメ・マルバノキなど、色とりどりの落ち葉が積もってふかふか。「これは何の葉っぱ?」「この木の実は?」と、参加者の好奇心をそそる自然の不思議がいっぱい。

←林の中を歩くのって初めて。いい気持ち!

しばらく行くと林の中にこもれびが。ともすれば見過ごしがちなこんな風景も「見てください。林の中はこもれびが本当に美しいでしょう?」と、マモさんがスポットをあてる。根元に大きなコブのあるリョウブの木の前では「人間で言うと、カルシウム結晶のようなもの。生長するときにダメージを受けたんですね。でもさわると御利益がありそうな形ですよね(笑)」と、ユニークな解説で自然との距離を近づけてくれるマモさん。御利益と聞きコブをなではじめる参加者。その後も、スギは湿った土地、ヒノキは乾いた土地を好むこと、木にキノコが生えているのは枯れている目印など、木にまつわる話を聞きながら進む。驚いたのは、藤井さんが通学路として毎日通っていたという林の奥に続く道。そこはまさに「けものみち」。「すごい!」「本当に?」。藤井さんに尊敬のまなざしが集まった。

<山々を見晴らす道>
ヒノキの林を抜けると、青空が目の前に広がる一般道へ。「秋の里山は、少し何かを考えながら歩くのにぴったり。わび・さびがあって、思考が豊かになるんです」と、吉澤さん。紅葉を楽しみながら、右へ左へくねくね曲がったり坂を上ったり下りたり。決してまっすぐにならないこのコースは吉澤さん曰く「学校でおこられたことも忘れちゃう道」。だからこそ里山の道は「心の洗濯になる」のだと。

←紅葉がきれい~。

大きな栗の木の前にさしかかると、栗の木を見るのが初めてという男の子が、吉澤さんからイガのむき方を教わってご満悦。ほかの子どもたちや、お父さんお母さんも集まって栗談義。残念ながら栗の実はリスに先を越されたよう。

坂道を上りきったところで、1,000m級の山々を一望できる高台が。「本当に素晴らしい里山の景観。第1級品です」と吉澤さんが絶賛。ここでは2問目のポイントクイズ。「右手に見える手掛岩山(てかけいわやま)に伝わる伝説は?」の問いに参加者一同 「???」。しかし、ヒントをもらって「ホッ」。

←わぁ~、山栗のイガがいっぱい!
←コースの随所に、吉澤さんが絶賛する里山の景観が。

<休憩>
中間地点で休憩中、頭上を2羽のカワセミが!

<小さな谷沿いの道~どんぐりの小径>
今度は坂を下って小さな谷沿いの道へ。「白川が注いでいる川の名は?」「このあたりの農家の屋根、昔はどんな材料だった?」と、次々待ち受けるポイントクイズ。「農家の屋根の素材は、さっきから栗の木に夢中な子どもたちに聞くとわかりますよ」と吉澤さんの大ヒントにみんな「うふふふ」。

しばらく、小さな谷沿いに歩く。雑木が多いこのあたりは、参加者の歩みもゆるやかに。枝にヒトデのような小さな赤い花の咲く木を見つけた参加者に、水戸さんが「マルバノキと言って中津川から飛騨にかけて分布する木です。ハート形の葉っぱが真っ赤に紅葉してきれいですね」と解説すると「葉っぱは紅葉しているのに、花が咲いているんですね」と不思議そう。丸木の橋がかかっているところでは「ちょっと渡ってみない?」とマモさんが子どもたちを誘って。思い思いに道草をしながら歩く、これぞ里山の楽しみ方。先頭集団が見えなくたって平気平気。その頃、地元に詳しい藤井さんは茶畑や加舎尾(かしゃお)の集落を抜ける道で、茶の刈り方や民家の構造などを解説。地元の暮らしぶりがうかがえる解説に、参加者も熱心に耳を傾けていた。

←「おっとっと」。親も子も、丸木の橋を渡って道草。
←茶畑や集落では、地元案内人の藤井さんが地元の人ならでは の解説を。

竹を揺らして、サワサワという音を楽しみながら竹林を抜け、再び茶畑のある丘へ。ここでのポイントクイズは「お茶の花の植物分類は?」という難題。しかし「お茶を飲むと口からツバキが出るよね?」と、マモさんお得意のダジャレヒントが飛び出して 「わかった!」。

子どもたちに大人気の烏骨鶏とパンダウサギのミニ動物園に到着。しばらく遊んで、こもれびの里に続く「どんぐりの小径」へ。ここでは最後のポイントクイズ。木材に関連した展示模型の前に「この実物大の模型は、何のために使ったものでしょう」と、東濃ヒノキの産地東白川村らしく、林業にちなんだ出題。解説看板をよーく読んでみると......「あっ、答え発見!」

← 川で野生のクレソンを見つけたよ!
12:40~

マツタケご飯をいただきまーす!

お腹をすかせた参加者を待っていたのは、マツタケご飯と、にごみ(季節の野菜やコンニャクなどの具をしょうゆで味付けし、大鍋で2日間煮込んだ郷土汁。お正月や法事などにつくられる)、白菜とカブの浅漬け、抹茶のシフォンケーキ・サルナシの実添え。山盛りの秋の味覚に、お腹いっぱい!

←マツタケご飯も、にごみも秋の香りがするね!
13:20~

表彰&閉会式

ポイントクイズはほとんどの人が正解だったため、マモさんとジャンケン大会。5名に東白川村特産ジュースの詰め合わせを進呈。「月に3回ほど里山ガイドでいろいろなところへ行きますが、その中でも今日はとても印象に残りました。道ばたに楽しみの題材がいっぱいあり、みんながまばらに歩きながらそれぞれに道草を楽しんでいて、とても素晴らしかった」とマモさんが今日の感想を話すと、参加者もにっこり。秋フェスタお楽しみ券と間伐材の特製キーホルダーが配られ、記念撮影。参加者は「山歩きやハイキングなどによく出掛けますが、頂上や目的地へ着くことが目的になってしまうことが多いんです。今日は道草をしたり、周りの景色を楽しんだりととてもゆったり楽しみながら歩けました」と満足感いっぱい。

13:35~

秋フェスタ会場へ

秋フェスタの会場へは徒歩3分。産業祭りである秋フェスタは、東白川村の最大イベント。会場には白川茶や農産物、郷土料理など多彩なブースがずらり。それぞれおみやげを手にし、家路に就いた。里山で心がまあるくなった1日だった。

←秋フェスタでは、東白川村の秋の味覚をおみやげに。
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