愛知県共済

組合員サービス

自然体験

平成14年

自然体験 | 組合員レポート

親と子の野外スクール2002 親子いっしょに自然を学ぶ、1泊2日のアウトドア体験。

平成14年8月3日(土)・4日(日)

  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

ギラギラ照りつける太陽、吹き抜ける風がそよそよと心地よい夏の一日。野外生活を体験しようと12家族が飯地高原自然テント村に集結した。お昼ごろテント村に到着した子どもたちは、さっそく虫捕り網を持ってトンボと追いかけっこ。トンボのほかにもカエル、セミ、バッタなどたくさんのテント村の住人が出迎えてくれた。

< 3日 >
13:40~

開会式

14:00~

テント張り

講師の水野豊二さん(「愛知野外教育協会」会長)とスタッフによるテント張りの実演の後、家族ごとに好きな場所を選んでテント張り開始。家族で一致団結、子どもたちも一生懸命ペグ打ちなどを手伝う。手際よく張り終える家族、隣を見ながら「あ、これ忘れた!」とやり直す家族。本日最初の共同作業が終わった後は、わが家の前で記念撮影。

15:00~

かまど作り&食事作り

2家族ずつグループになり、かまど作りと食事作りをスタート。まずは水野さんが間伐材3本で三脚を作る結び方「三脚しばり」を説明。三脚を2つ作って木を渡せばかまどのできあがり。その後は、野外生活で最も重要な火の上手な燃やし方の説明。「よ~し、これから自分たちでも作るんだぞ!」と水野さんが気合いを入れると、「え~!」と参加者はちょっと自信なさげ。

講師の伊藤昭治さん(「愛知野外教育協会」副会長)はお母さんたちを集めて飯ごうでのごはんの炊き方などを説明。その間に、お父さんたちは森の中に入り手ごろな木を間伐し、ノコギリで長さをそろえて三脚作り。子どもたちもノコギリで木を切ったり、燃やすための枯れ枝を拾ったりと大活躍。

立派なかまどができあがったグループから、さっそく火を燃やしてカレーのなべと飯ごうをかける。子どもたちは火に枝を足したり、うちわであおいだりお手伝い。よくキャンプに行くという子どもはマツボックリをたくさん集めて投げ入れている。油分を含んでいてよく燃えることを体験で知っているのだ。2家族協力しての食事作り。カレーが煮えるころにはすっかり打ち解けて1つの大家族のようになっていた。

←講師の水野さんからかまど作りの説明を受ける。「三脚しばり」のやり方に「う ~ん、難しそう」。
←親子で協力してかまど作り。
←立派なかまどもできあがり、次は大好きなカレー作りだ!
←みんなで協力して作ったカレー、最高にうまいよ!
19:00~

キャンプファイヤー

「人間は自分の身を守るために火を発明した。肉に熱を加えたり、夜動物から身を守ったり。火はとても大切なものなんだよ。ほら、目をつぶってごらん。いろんな音が聞こえるだろう。耳を澄ますと自然はいろんな音をくれる。これは夜の音なの。地球ってすごいよ。だからこんなすばらしい地球を汚さないでほしい。今日はこの丸太がぼくたちのために燃えてくれる。最後まで燃やしてあげようね」という水野さんの話の後、厳かに点火式。

パチパチと燃え盛る火を囲んでゲームの始まり。手や肩をたたいたり、ユニークな踊りを踊ったり......。火に照らされた笑顔、笑顔の輪。静かな森に笑い声が響く。最後に水野さんが宮沢賢治の童話「よだかの星」を語る。「賢治は弱いものをいじめちゃいけませんよ、と言っている。地球上の生きものは弱いものを食べて生きている。だからといって捕り過ぎちゃいけない。さあ、やっとお星さまがいっぱい出てきました。こんなステキな地球ですから、汚さないでくださいね」


< 4日 >
06:40~

ストレッチ&朝食作り

朝早く起きてカブトムシさがしをした参加者、まだボ~ッとした様子の参加者・・・
・・・全員集合してまずはストレッチ。次はロールパン、ハム、卵、バナナ、牛乳を使って朝食作り。もう慣れた手つきで火を起こし、ハム入りスクランブルエッグを作ったり、ゆで卵にしてつぶしたものをハムと一緒にパンにはさんでホットドッグを作ったり。焼きバナナも登場。「でら、うまい!」と子どもたちに大好評。

07:55~

雨が降り始める

そろそろテントを撤収する作業にかかろうとしたころ、雷が鳴り始め、雨が激しく降ってきたので、作業を中断しテントの中に避難。

08:25~

雨があがり始める

青空が広がり、太陽が顔を出す。雨に洗われた緑が輝きを放つ。講師の名和哲夫さん(「名和昆虫博物館」副館長)がテント村に到着。さっそく子どもたちが虫かごを持って周りを取り囲む。中には今朝までに捕ったクワガタムシ、カミキリムシなどが・・・・・・。「これは何ていうクワガタ?」「ミヤマクワガタのオスだよ」。1つ1つ種類を特定してもらい、見分け方や飼育方法についても教えてもらう。

09:00~

子どもは「名和先生の自然教室」、
大人はテント撤収&遊具作り

「名和先生の自然教室」

「先ほどはすごい雨でしたが、災い転じて福となる。虫を捕るコンディションとしてはベストです」と名和さん。まずは網の振り方を実演しながら、チョウやトンボの捕り方のレクチャー。その周りをモンキアゲハが舞い、オニヤンマが横切っていく。いよいよ子ども17人が昆虫採集に出発。目を輝かせて網を振りながら走り回る。「やった~!」。男の子がシオカラトンボのオスをゲットし、名和さんのところへ。「オスとメスの違い知ってる?」と尋ねる名和さんに、子どもたちは首を振る。見分け方を聞いて「へえ~」と納得。トンボは三角紙(標本にするためきれいに持って帰りたい場合に使う)に包んでもらい虫かごへ。さあ、再び出発!「網は下げたまま近寄るんだよ」という名和さんのアドバイスを受けても、気がはやるのか、やみくもに網を振り回す子どもたち。それを名和さんが 「ほれみ~、トンボがバカにしてるがな」と笑いながら温かく見守る。

それでも池や芝生広場などを回りながら、次々にウスバキトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、キイトトンボ、モノサシトンボなどをゲット。三角紙に入れる名和さんも大忙し。芝生広場のわきの小川では、オオシオカラトンボが産卵の真っ最中。ハート型にオスとメスがつながったモノサシトンボの交尾も発見。名和さんの説明に「わ~ラブシーンだね」と男の子。「そっと見守ろうね」と名和さんがほほ笑む。

みんな夢中で走り回り、のどはカラカラ。戻ってきて、水分を補給した後、名和さんが標本の作り方を説明。最後に名和さんが取り出したのは世界の昆虫の標本。「春の女神」と呼ばれるギフチョウ、木の葉にそっくりなコノハチョウ、枝にそっくりな巨大なオオエダナナフシ、バイオリンに似たバイオリンムシ・・・・・・。色とりどりのチョウや変わった形の昆虫に子どもたちは目を見張る。名和さんの話が終わった後も標本を取り囲み「これなぁに?」と離れない子どもたち。昆虫には子どもたちを引きつける何かがあるようだ。

←やった~!トンボをゲット!
←シオカラトンボのオスを手に、「みんな、オスとメスの違い知ってる?」と講師の名和さん。昆虫おもしろ話のはじまり、はじまり~!
←水辺にはトンボがいっぱい。みんなの目が光る!
←世界の昆虫の標本を手に、昆虫の魅力を語る名和さん。

「遊具作り」

テント撤収後、お父さん12人全員が水野さんの指導のもと遊具作り。ひんやりとした木立の中で、まずは3チームに分かれて間伐材の切り出し。それらを水野さんとスタッフを中心にロープワークで組み立てていく。ロープと間伐材だけでステキな遊具のできあがり。作業終了後、水野さんから趣旨説明。「子どもは遊ぶことが大事。大人になったときに、楽しかった思い出が残っていれば、今度は子どもたちに作ってあげることができる。これは10~20年の長いスパンでの教育なのです。今日作った遊具で遊ぶとき、がんばれと言い過ぎてはいけない。恐怖心は楽しい思い出を打ち消してしまうし、ケガの元になるので無理強いはしないこと。また、決して他の子と比較してもいけない。子どもはそれぞれが人格者なんです」

12:10~

バーベキュー

13:00~

子どもは遊具遊び、
大人は名和さんの講演会

「遊具遊び」

午前中にお父さんたちが作った遊具で遊ぶ子どもたち。ロープを握りながら慎重に足を運ぶ男の子、「ハイジになったみたい」とブランコを楽しむ女の子、その姿を満足そうに見守るお父さん。十分遊んだ後は、子どもたちも手伝って解体し、元の森に。

←ドキドキ、ワクワク。「お父さんたちが作ってくれた遊具、すごい!普通のジャングルジムよりおもしろいよ!」
←ふわふわして気持ちいい!

「講演会」

参加者はシートに腰を下ろし、名和昆虫博物館の成り立ち、昆虫採集の意義や子どもを見守る親の姿勢、標本の作り方などの話にのんびり耳を傾ける。「子どもたちは目を輝かせて昆虫を追う。知的好奇心からなんですね。苦労して捕った虫は宝物。何も知らないお母さんが『かわいそうだから逃がしてあげて』と言うと、その行動を否定することになります。ドキドキするような虫捕りの思い出があれば、こういう自然を残したいと思うはず。親御さんはそのドキドキを大切にしてあげてほしいですね」と名和さん。

14:40~

閉会式

このページの一番上へ