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自然体験

平成14年

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 稲作文化に触れてみよう!

平成14年5月11日(土)くもり時々小雨
参加者 19組62名

  • 案内人 川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザーなどとして活動。現在、全国森林インストラクター会理事、天生県立自然公園公認ガイドとして活躍中。
  • 講師
    東白川村の方々
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

緑鮮やかな朴葉の新緑とその白い花が、山あいに美しく映える東白川村の5月。昔から「山の神」が里に降りて、「田の神」となって稲作を守ってくれると伝えられるこの季節、33名の参加者が、田植えと、田の神にお供えする団子づくりを体験した。

10:20~

開会式

本日の案内人、川尻さんが、田植えと団子づくりの関係を説明。「田植えの時期になると『山の神』が、田んぼに下りてきて田んぼを守ってくれる。その時にお供えするのが団子です」。本日は、稲作文化のあれこれをまとめた川尻さん作のリーフレットも配布され、体験と共に学べるしくみに。

10:30~

田んぼへ移動

田んぼは、背景に茶畑の新緑、BGMに川のせせらぎという、なごみのロケーション。

10:45~

田植えスタート

ときどき小雨がちらつく空を見上げて「田植えには最高の天気」と話すのは本日の田植え講師、東白川村の藤井さん。「今は機械植えで楽になりましたが、手植えの田んぼの良さもあります。それはまず、あぜの内側に『手あぜ』という長い水路をつくることができた。冷たい水をダイレクトに田の中に引くのは苗の発育にあまり良くないので、この水路で水を温めたんですね。機械植えでは、この水路があると植えにくいこともあり、最近は見られなくなりました。あとは、日当たりや風向きなど田んぼの環境に合わせて、微妙に調節しながら植えられるのも手植えのいいところ」。その手植えをさっそく体験する。田植えは後ろへ下がりながら植えていく方法が一般的だが、藤井さんの提案で、本日は横一列に並び、前に進みながら植えていく方法に。自分の足跡がじゃまにならないので、苗が植えやすいとのこと。

←田植え講師の藤井さんと、案内人の川尻さんが植え方を伝授。

コシヒカリの苗を手編みのカゴに入れて腰にくくりつけ、はだしになったら準備OK!おそるおそる田んぼに足を踏み入れる参加者。田植えは初めてというお母さんは「生暖かくて気持ちいいー」。その横では「おーっとっとっと」と、早く もバランスを崩したお父さん。子どもたちはオタマジャクシをみつけて、田植え前からすでに泥んこ。
まっすぐ植えられるよう、横一列に縄を張ってもらい、植え終わったら、縄を前へ進めていく。「足が抜けないー」と苦戦する女の子。後ろに転んで全身泥まみれのボク。しばらくすると、足さばきもうまくなり、全体にだんだんスピードもでてきたものの、ふと後ろを振り返ると「なんでこんなに曲がってるの?」。

←どう?なかなかの手つきでしょ。
←ボク、田植えもいいけど、オタマジャクシも気になっちゃう。

「慣れた人なら3人で植え終わる広さ」の田んぼも、タイムリミットの12時までに植えることができたのは全体の約半分。「大変だったけどすごくいい体験でした」と参加者。あらためて、お米づくりの大変さを実感した体験となった。

←田植えは、一度やってみたかったんです。
12:30~

山の幸バイキングで昼食

こもれびの里のレストラン「味彩」にて、すべて地元の素材を使った山の幸バイキングの昼食。地元のこだわり豆腐や、山菜の天ぷら、アマゴ料理、タケノコご飯、地元の野菜を練り込んだ手づくりパン、抹茶のシフォンケーキなど......郷土色豊かな手づくりメニューに大満足!

←手づくりの味が盛りだくさんのお昼ごはん。
13:50~

田舎団子づくり

午後からは、こもれびの里の「丸太小屋」にて、田舎団子づくりに挑戦。「田植えが終わった後、各家庭ではゆっくり休んでごちそうを食べる『さなぶり』というお祝いをします。その時に家の神さまにお供えするのが繭玉(まゆだま)団子。昔は繭が現金収入になったので、それにあやかり、繭型の団子で豊作を祈願します。また、春蚕(はるこ)、夏蚕(なつご)、秋蚕(あきこ)、晩秋蚕(ばんしゅうこ)という年4回、養蚕の豊作を祈願する際にも、昔はこの団子をお供えしたものです」と、稲作文化に詳しい川尻さんと、この地方の風習に詳しい藤井さんが、それぞれの得意分野で解説。
ヨシ団子は、この地方の端午の節句につくる団子で、ちまきにあたるもの。東白川村では、端午の節句は旧暦の6月5日に行うのが習わし。その時期にはヨシが一番手に入りやすいため、ヨシを使うのだとか。「カヤやマコモなどを使う地域もありますよ」と川尻さん。郷土に伝わる風習の奥深さに参加者も興味深く耳を傾ける。
繭玉団子は上新粉を熱湯でこねたあと蒸し器で蒸し、すりこぎでつぶしてから繭の形に丸めて取り粉をまぶす。ヨシ団子は片栗粉、上新粉、砂糖、塩を熱湯でこねたあと、丸めるところまでは繭玉団子とほぼ同じ。あとはヨシの葉に包んでワラで結び、蒸し器で再び蒸して完成。初めてつくる団子に「繭ってどんな形だっけ?」「ヨシで包むのはコツがいる」と、それぞれ盛り上がった。
←みんなでつくるとおいしいんだよね。
←ヨシ団子、きれいに包めたでしょ?
15:15~

団子を試食

繭玉団子を炭火で焼き、ショウガじょうゆや砂糖きなこをつけて試食。「お餅みたいだけど、お餅とはまた違う。おいしい!」「家でつくるのもいいけど、自然の中で、みんなで一緒につくると楽しいし、おいしい」。

←焼きたての団子に、家族で「いける!」。

一日の体験を終えて「ボク、大きくなったら米屋になりたい」とつぶやいた男の子。秋の収穫もお楽しみに!

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