文化講座
第8回 フルーツジャム
前シリーズでは「愛する人に作りたいスイーツレシピ」と題し、お菓子の歴史やその名前の由来、誕生秘話などを取り入れながら、家庭で作りやすいスイーツレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しています。
旬の食材は味も栄養価も充実している・値段が安いなどの長所がいっぱい!!
毎月2つずつテーマ食材を決め、レシピや栄養価についてご紹介しております。
第8回目の今月は、「フルーツジャム」と「鮭ふりかけ」です。
1.フルーツジャム
ジャムはフルーツの果実や果汁に砂糖を加えて加熱することで、フルーツが持つ酸とペクチンの力によりゼリー化したものです。
ペクチンとは、フルーツや野菜などの植物に含まれる炭水化物で、細胞膜の強さを保ったり、細胞同士を繋ぎ合わせる働きをします。
砂糖がフルーツの水分を包み込むので、微生物が細胞の水分を奪われて活動出来なくなり、保存性に優れます。
色とりどりのフルーツは、私たちに新しい季節の到来を告げ、フレッシュな香りを食卓に運んでくれます。
四季折々のフルーツのおいしさ&色を生かして、ジャムを作りましょう。
フルーツの持つ自然な色を生かすために、オススメの作り方は・・電子レンジで加熱すること!
鍋で煮ると砂糖が焦げやすく、色が黒っぽくなりがちですが、電子レンジで作ればこんなに色鮮やかなジャムに仕上がります。
伊藤華づ枝作・フルーツジャム7種
※電子レンジなので、簡単かつ色鮮やかに仕上がります
材料 | 作りやすい分量 |
いちご | 1パック(300g) |
グラニュー糖 | 150g(いちごの重さの1/2量) |
レモン汁 | 大さじ1 |
作り方
- いちごのヘタを取り、ビニール袋に入れて手でギュッとつぶします。
- 1.を耐熱容器に入れ、いちごの重さの半分量の砂糖とレモン汁を加えます。
- ラップをせずに500Wの電子レンジで約5分間(700Wの場合は約3分間)加熱する、冷ます、を3~4回繰り返します。
※一気に加熱すると色が悪くなります
<各フルーツの砂糖の割合と注意点>
700wの電子レンジを使用した場合
※すべて共通の注意点:電子レンジをかけるときはラップをしない!
ジャムの種類 | 食材 | 分量 | 砂糖の分量 | その他 | 色 |
---|---|---|---|---|---|
1.いちご | いちご | 850g (約3パック) |
420g (食材の重量の50%) |
レモン汁大さじ1 | 赤 |
加熱しすぎないよう、3分間ずつ電子レンジにかける。 冷めてから再度3分間かけるのを繰り返し、計3~5回(15分間)かける。 |
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2.きんかん | きんかん | 300g | 210g (食材の重量の70%) |
なし | 黄 |
横に切って種を出す。砂糖をまぶしてしばらく置いた後、フードプロセッサーでピュレにし(又は包丁で粗く刻む)、電子レンジで3分間、冷めたらもう一度3分間。 | |||||
3.ブルーベリー | ブルーベリー | 500g | 250g (食材の重量の50%) |
レモン汁大さじ2 | 紫 |
いちごジャムと同様に作る | |||||
4.キウイフルーツ | キウイフルーツ | 680g (6コ) |
340g (食材の重量の50%) |
レモン汁大さじ1 | 緑 |
皮をむいてざく切りにし、砂糖をまぶしてしばらく置く。水分が出てきたらフードプロセッサーでピュレにする(またはビニール袋に入れて手でつぶす)。 耐熱容器に移して電子レンジ3分間ずつ、計6回(18分間)かける。 |
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5.キャラメルりんご | りんご | 700g(4コ) | 350g+水大さじ3を煮詰めてキャラメルを作る (食材の重量の50%) |
ブランデー大さじ1・1/2 | 赤茶 |
皮をむき、1/2量は小角切りにし、残りはフードプロセッサーでピュレにする(又はすりおろす)。皮も少し残しておく。キャラメルを作った鍋にりんごを全部投入し、弱火で良く混ぜる。そのあと皮も加え、電子レンジに3分間。冷めたら皮を取り除く。 | |||||
6.りんご | りんご | 950g (4コ) |
480g (食材の重量の50%) |
りんごの皮適宜 | ピンク |
皮をむき、いちょう切りにして薄い塩水をくぐらす。剥いた皮を半量ほどお茶パックに入れておく。水を切ったりんごを鍋に入れ、砂糖をまぶす。その中に皮の入ったお茶パックを入れ少し煮たあと、電子レンジに3分間かける。(皮にはペクチンが含まれている&ほんのり色が付く)お茶パックを取り除く。 | |||||
7.にんじん&りんご | にんじん | 200g | 250g (食材の重量の50%) |
レモン汁大さじ2 | オレンジ |
りんご | 300g (1コ) |
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にんじん、りんごは皮をむいていちょう切りにする。にんじん、りんご、砂糖を入れ鍋で柔らかくなるまで煮る。レモン汁を加え、フードプロセッサーでピュレにし、電子レンジに4分間かける。 | |||||
8.いちじく | いちじく | 380g (1パック) |
190g (食材の重量の50%) |
レモン汁大さじ1・1/2 | ピンク |
いちごジャムと同様に作る | |||||
9.柚子 | 柚子 | 240g (2コ) |
150g (食材の重量の60~70%) |
なし | 黄 |
横に切って種を出し、薄いいちょう切りにする。砂糖をまぶして2分間ずつ電子レンジにかける。 冷めてから再度2分間かけるのを繰り返し、計3~5回(6~10分間)かける。 |
甘すぎず、フルーツの持ち味を存分に楽しめるのは、手作りならではの醍醐味です。
パンやヨーグルトに添えて、お楽しみ下さい。
伊藤華づ枝作・いちじくジャム
パンやヨーグルトなどに添えると良いでしょう
伊藤華づ枝作
いちごジャムをのせて焼いた手作りクッキー
伊藤華づ枝作
柚子ジャムを水や炭酸水で割った柚子ジュース
2.鮭ふりかけ
ふりかけとは、白飯の上にふりかけて使う粉末状やそぼろ状の調味料のことです。
作り置きの常備菜のことをさすこともあります。
ご飯にふりかけて食べることが、名前の由来です。
梅干しを漬けた後の赤しそを乾燥させて細かくしたものや、ごま塩などもふりかけと呼びます。
市販品が多種類ありますが、手作りすると安心安全でしょう。
※冷蔵庫で10日間ほど日持ちします
材料 | 作りやすい分量 |
塩鮭(甘口) | 4~5切れ(330g) |
しらす干し | 50g |
酒 | 60ml |
A | |
塩 | 小さじ1弱 |
白ごま | 大さじ2 |
青のり粉 | 小さじ2 |
作り方
- 鮭を蒸し器で強火で10分間程蒸します(電子レンジで加熱しても良いでしょう)。
- しらす干しをオーブンペーパーの上に広げ、700Wの電子レンジで合計2分間程加熱して乾燥させます(30秒間ずつに分け4回加熱します)。
- 鮭の皮と骨を取って身をほぐし、酒を加えて鍋かフライパンで煎ります(箸を4本位持って煎るとバラバラになりやすいです)。
- 火を止めてから、(A)と2.を混ぜます。
- 冷めたら冷蔵庫で保管します。
白飯にかけるだけでなく、おにぎりやお茶漬けにしても良いです。