文化講座
第1回 ゴーヤー料理&バジルペースト
前シリーズでは「愛する人に作りたいスイーツレシピ」と題し、お菓子の歴史やその名前の由来、誕生秘話などを取り入れながら、家庭で作りやすいスイーツレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介します。
旬の食材は味も栄養価も充実している・値段が安いなどの長所がいっぱい!!
毎月2つずつテーマ食材を決め、レシピや栄養価についてご紹介します。
~手作り保存食は、「心にゆとり」を生み出す、本物の味です~
- 手作り保存食は、旬の食材が持つおいしさや栄養素をそのまま甘受するものです
- ひとつひとつ吟味し、手を加えていくプロセスも楽しみです
- 時間とともに変わっていく素材の色や表情が読み取れるので、幸せな気持ちになれます
- 手間をかけることは、私たちの心にゆとりを生み、ぜいたくな時間を作ります
第1回目のテーマは、ゴーヤーとバジルです。
1.ゴーヤー
ゴーヤーはツルレイシ(蔓茘枝)やニガウリとも呼ばれる、未熟果のウリ科の野菜です。
和名のツルレイシは、果皮にイボがたくさんあるので、見た目が果実のレイシ(ライチ)に似ていることに由来します。
現在、一般的に呼ばれる「ゴーヤー」は、沖縄で使われている言葉が広まりました。
ゴーヤー
ニガウリ(苦瓜)とも呼ばれる通り、苦味が特徴で、夏が旬です。
免疫力を強化するビタミンCがいちごの1.5倍、レモンの1.3倍ほど含み、加熱調理してもビタミンCが消失しにくいとされています。
ビタミンCは、暑さで弱った体を病気から守ってくれる栄養素です。夏の強い紫外線を浴びての、肌荒れ防止効果も期待できます。
苦味の主成分「ククルビタシン」にも、抗酸化作用があります。
※抗酸化作用とは、体がサビないようにする作用のこと
また、β―カロテンやカリウム、食物繊維も多く、高血圧などの生活習慣病予防や疲労回復にも効果的です。
※冷蔵庫で5~7日間ほど日持ちします
材料 | 作りやすい分量 |
ゴーヤー | 1本(250g) |
にんじん | 1/2本(80g) |
ソフトさきイカ(市販品) | 30g |
A | |
みりん | 100ml |
しょうゆ | 50ml |
酢 | 大さじ2 |
塩 | 少々 |
作り方
- ゴーヤーはワタと種を取り、半月の薄切りにします。
- にんじんは皮をむき、せん切りにします。
- ソフトさきイカは、キッチンハサミで3cm長さに切ります。
- ボウルに(A)の調味料を合わせ、1.~3.を入れて浸け込みます。浸け込んですぐに食べられますが、翌日には更においしくなります。
※かつお節や塩こんぶで、うま味たっぷり
材料 | 作りやすい分量 |
ゴーヤー | 2本 |
桜エビ(干し) | 大さじ2 |
A | |
砂糖 | 大さじ5 |
しょうゆ | 大さじ3 |
みりん | 大さじ2 |
酒 | 大さじ2 |
酢 | 大さじ2 |
かつお節(かつおパック) | 10g |
炒りゴマ | 大さじ2 |
塩こんぶ(せん切り) | 10g |
作り方
- ゴーヤーは縦半分に切り、種とわたをスプーンで削り取り、5mm幅に切って熱湯に入れます。再沸騰してから2~3分間程茹でて水に取り、30分~1時間程水にさらします。
- 1.を少量ずつ、手でしっかりと水気を絞ります。
- 2.を熱したフライパンで(油は入れない)から炒りし、水分を取り除きます。
- 3.の中に桜エビと(A)を入れ、汁気がなくなるまで中火で煮詰めます。
- 4.にかつお節、炒りゴマ、塩こんぶを加えて混ぜ合わせます。
- 5.を器に盛ります。
※唐辛子入りでご飯によく合います
材料 | 作りやすい分量 |
ゴーヤー | 1本(250g) |
赤唐辛子 | 2本 |
A | |
赤みそ | 大さじ4(60g) |
砂糖 | 30g |
みりん | 大さじ3 |
酒 | 大さじ2 |
しょうが(すりおろし) | 20g |
サラダ油 | 大さじ2 |
白ごま | 大さじ1 |
かつおパック | 1袋(3g) |
酢 | 小さじ1 |
作り方
- ゴーヤーは横に2等分にし、種とわたを取って、縦に細長く8等分にして端から薄く切ります。沸騰した湯に入れ、再沸騰してから2分間程茹でて水に晒します。
- フライパンに油を入れ、種を取って輪切りにした唐辛子を炒め、辛い香りがしてきたらゴーヤーを入れて炒めます。
- しんなりしたら、(A)を入れてしばらく練ります。
- 煮立ったら、ごまをひねりながら入れ、かつおパックも加えてよくからませます。
- 最後に酢を加えて味を引き締め、火を止めます。
- 豆腐の上にのせたり、熱いご飯にのせていただきます。
2.バジル
バジルはシソ科メボウキ属の一年草のハーブです。
バジルは英名、イタリア語で「バジリコ」、和名では「メボウキ」と呼ばれています。
イタリア料理にかかせないバジルは、ハーブの王様と称されています。
バジルにはいくつかの種類がありますが、主に使われるのは「スイートバジル」という品種です。
家庭でも育てやすく、庭やベランダでプランターでも育てることが出来ます。
スイートバジル
タイでは「ホーリーバジル」という品種がよく使われています。
ホーリーバジル
多くの芳香成分を含んで香りがよく、免疫力を高める効果があります。
殺菌作用があるサポニンも含み、抗酸化作用やガンの抑制にも役立ちます。
<様々な料理に活用出来る万能ハーブとしてのバジル・その調理法>
●生のまま...サラダや和え物などに添える
カプレーゼの発祥地・カプリ島でカプレーゼ(トマトとモッツァレラチーズにオリーブオイルをかけ、バジルを添えたサラダ)を食べる筆者
●刻んで料理に入れたり、お菓子に入れる
カポナータ(夏野菜のトマト煮込み)
イワシのバジル風味フライ
バジリコとくるみのクッキー
●ペーストにしてパスタやピザのソースにしたり、肉や魚、サラダにかける
バジルソースパスタ
ポークのバジルソースかけ
エビとじゃがいものバジルソース和え
※ビン詰めにすれば冷蔵庫で2~3週間、冷凍すれば2カ月は保存できます
材料 | 作りやすい分量 1カップ分 |
バジルの葉 | 50g位 |
にんにく | 1かけ |
松の実 | 大さじ1 |
オリーブ油 | 100ml |
塩 | 小さじ2/3 |
こしょう | 少々 |
パルメザンチーズ | 大さじ4 |
作り方
材料をフードプロセッサー(又はミキサー)にかけ、バジルペーストを作ります。
※写真はスティック野菜に添えました
バジルシード(バジルの種子)は、水を含むとゼリー状の物質に覆われます。
種子はグルコマンナンを多く含むため、水を含むと乾燥状態より30倍ほどに膨張します。
満腹感が得られ、食物繊維も多く含むため、近年女性に人気の食材です。
かつて日本では、ゼリー状の物質で目の汚れを取り去る目薬として使用されていました。
そのため、「メボウキ(目箒)」という名称がつきました。
★作った料理を保存する際の注意点
- 保存するビンは熱湯消毒しましょう
- 佃煮などは汁気がなくなるくらいまで、煮詰めましょう
- 出し入れする際に、水気のある箸などは使わないようにしましょう