文化講座
クリスマス ~キリスト生誕日・世界の人々に愛される1日~
前シリーズでは「食育をはじめましょう」と題し、それぞれのライフステージに合わせた食事についてご紹介しました。
今シリーズでは、食育・続編として「歳時記とごはん」をご紹介しています。
日本人として伝え続けていきたい正月・七夕・節分などの日本の歳時記と、それにまつわる食事を謂れや慣わし・行事食をオリジナルレシピとともにご紹介します。
第4回目のテーマは「クリスマス」

日本人にとっては、宗教的な意味合いはあまり色濃くありませんが、1年のうちの重要なイベントであることには変わりありません。今年は、素敵なテーブルコーディネートと、とっておきのパーティー料理で楽しい1日を過ごしましょう。
1.クリスマスにまつわるお話
名前の由来
12月25日の「クリスマス」は英語では「Christmas」と記しますが、これは「キリスト(Christ)のミサ(mass)」という意味。そして、12月24日のクリスマス・イブは、「Eve=前夜」という意味があります。
サンタクロースの由来
サンタクロースの語源は、4世紀の小アジアシュラ(現在のトルコ)に実在した司教「セントーニコラウス」が訛ったものと言われています。彼は貧困に苦しむ娘たちの家に煙突から金貨を投げ入れてあげました。それが暖炉脇に干してあった靴下の中に入ったということが、サンタクロースのプレゼントの由来とされています。
クリスマスリースの由来

リース風に松ぼっくりを
ガラスの器に飾りました
- 輪の形は「はじめも終わりもなく、永遠に続く神の愛」を表しています。
- リースに使用する月桂樹や柊の葉には殺菌・抗菌作用があり、玄関に飾って魔よけにしていたといわれています。
- また、豊作を願って玄関を飾るという説もあり、リンゴや松ぼっくりをリースに飾ってあるのはそのためだと考えられます。
2.世界のクリスマス料理とお菓子
日本で食べられている苺とサンタクロースが載った華やかなクリスマスケーキは日本独特のものです。
各国ではそれぞれにクリスマスに食べる伝統的な料理やお菓子があります。
アメリカ
ローストターキー・・・七面鳥の蒸し焼き。アメリカでは祝い料理としてクリスマス以外でも食べられています。
イギリス
ミンスパイ・・・ミンスミート(ドライフルーツやナッツをブランデーに漬け込んだもの)をパイで包んだイギリスの伝統的なクリスマス菓子。
ミンスミートはかつて「刻んだ肉」という名の通り、肉がたっぷり入った濃厚なパイでした。
時代と共に肉が使われなくなり、現代風の味に変化しました。
キリストの眠るゆりかごを表し、楕円形に作られます。
またイエス12使徒にちなみクリスマスから12日間、毎日1個ずつ食べると新年に幸運がやってくるといわれています。
ドイツ
シュトーレン・・・棒という意味を持つ、細長い形の焼き菓子。粉砂糖がたっぷりとまぶしてあり、幼子キリストを産着で包んでいる様子を表しているといわれています。
イタリア
パネトーネ・・・ドームの形をしたパンとお菓子の中間的なもの。昔、クリスマスの4週間前に各家庭で焼いて親族や友人に配る習慣がありました。
フランス
ビュッシュドノエル・・・フランス語でビュッシュは「木、丸太」、ノエルは「クリスマス」という意味の、薪の形をしたフランス代表のクリスマスケーキ。
イブの夜にビュッシュドノエルと呼ばれる太い薪を燃やしてできた灰は、1年間の厄除けになるといういわれにちなんで作られました。
3.クリスマスを楽しむテーブルコーディネート


クリスマスのイメージカラーは、緑・赤・白・金です。この4色をコーディネートカラーとして取り入れることで、クリスマスらしさがアップします。
クリスマスカラーにはそれぞれ意味があります。
- 緑:常緑樹の色で永遠の命・神の永遠の愛を表した色。"クリスマスツリーに使うもみの木・ヒイラギなど"
- 赤:イエス・キリストが流した血の色。"サンタクロース・リンゴ・ヒイラギの実・ポインセチアなど"
- 白:聖母マリアの純潔、クリスマスに降る雪の色。
- 金:祝福にかけつけた東方の三賢人の中の1人が贈った金の色。
4.「クリスマスのパーティー」ごはん
★和風ローストビーフ ~クリスマスの定番料理~

材料 | 分量:4~6人分 |
国産和牛もも肉(塊) | 500g |
塩 | 小さじ1/2強 |
黒こしょう | 適宜 |
サラダ油 | 適宜 |
玉ねぎ | 1/2コ(160g) |
レモン | 1コ |
(A) | |
しょうゆ | 150ml |
赤ワイン | 50ml |
しょうが (すりおろし) |
小さじ1/2 |
にんにく (すりおろし) |
小さじ1/4 |
じゃがいも | 4コ(400g) |
揚げ油 | 適宜 |
塩 | 適宜 |
チリパウダー | 適宜 |
レタス | 150g |
赤パプリカ | 適宜 |
クレソン | 1束(20g) |
粒マスタード | 適宜 |
作り方
- 牛肉は焼く前に常温に戻しておきます。
- 1.に塩とこしょうをすり込みます。
- フライパンに油を入れてよく熱し、2.の肉を強火で片面ずつじっくり焼きます。
- 3.を250℃に予熱したオーブンで18分間程焼きます。
- 玉ねぎは横に薄切りします。レモンは4枚の薄切りを取り、残りは絞ってレモン汁にします。
- 5.と(A)をファスナー付きのビニール袋に入れ、4.の焼きあがった肉を入れて1時間漬け込みます。(2~3時間漬け込んだほうがよりおいしくなります)
- 6.の肉を薄くスライスします。
- じゃがいもは皮をむき、棒状に切って水にさらします。水気を切り、平たい器に並べて電子レンジに4分間程かけます。
- 8.を高温で表面に色がつくまでカリッと揚げます。
- 熱いうちに塩をふり、好みでチリパウダーをふって調味します。
- レタスはひと口大に手でちぎり、赤パプリカは星型でくり抜きます。
- 器に11.とクレソン、10.のフライドポテトを盛り、最後に7.の肉を盛って粒マスタードを添えます。
★かぼちゃのポタージュ
~鮮やかな黄色でテーブルを華やかに彩る一品~

材料 | 分量:4~6人分 |
かぼちゃ(正味) | 400g |
玉ねぎ | 50g |
にんじん | 50g |
バター | 30g |
(A) | |
水 | 600ml |
固形スープの素(チキン) | 1コ |
塩 | 小さじ1/2 |
こしょう | 少々 |
牛乳 | 200ml |
生クリーム | 100ml |
クルトン | 適宜 |
作り方
- かぼちゃは皮をむいて2mm程の薄切り、玉ねぎは短めの薄切り、にんじんはいちょう切りにします。
- 鍋にバターを溶かし、玉ねぎとにんじんをしんなりと甘みが出るまで弱火で炒めます。
- 2.にかぼちゃを加え、バターを吸わせるようにじっくりと炒めます。
- 3.に(A)を加え、塩とこしょうをしてアクを取りながら15分間煮ます。
- 4.の粗熱を取り、ミキサーにかけて鍋に戻し、牛乳と生クリームを加えて火にかけます。
- 器に盛り、好みでクルトンをのせて召し上がります。
★家庭で作るクリスマスケーキ
~パーティーにケーキは欠かせません~
*Dの飾りは栄養価計算に含まれておりません

材料 | 21cm丸型1コ分 |
卵 | 4コ |
砂糖 | 120g |
(A) | |
小麦粉 | 110g |
ベーキングパウダー | 小さじ1/2 |
(B) | |
牛乳 | 大さじ2 |
溶かしバター | 10g |
いちご(中) | 1パック(340g) |
キウイ(よく熟したもの) | 1コ |
(C) | |
生クリーム | 400ml |
砂糖 | 大さじ4 |
コアントロー | 大さじ1 |
(D) | |
サンタクロースのお菓子 | 1コ |
トナカイ | 1コ |
ひいらぎ | 1枚 |
ヘクセンハウス | 1コ |
ポインセチア | 1本 |
アラザン | 小さじ1/2 |
敷紙 | 1セット |
作り方
- 大きめのボウルに卵と砂糖を入れて湯せんで充分に泡立てます。
- 1.がぽったりとした状態になったら(A)をふるい入れ、さっくりと混ぜ合わせます。
- 2.に(B)を加えて手早く混ぜ合わせ、紙を敷いたタンバル型に流し入れて170℃で35分間程焼きます。
- いちごは飾り用(4粒)を残して、1粒を3枚くらいにスライスします。キウイは縦半分に切って、6等分(12枚)に切ります。
- よく乾いたボウルで(C)を泡立てます。
- 3.を冷まして2つに切り分け、フルーツと生クリームをはさみます。
- 残りの生クリーム、いちご、(D)を飾ります。
*調味料Aは10%可食、揚げ油は吸油率3%で計算しました
*写真はクレソンの代わりにセルフィーユを添えました