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インターネット公開文化講座

文化講座

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手づくり食品のすすめ

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

イカの塩辛

時代は今、本物の手づくり料理を求めています。母から子へと伝えられてきた家庭での伝承の味が途切れてしまい、教えてくれる人が少なくなりました。
このページでは、伝統をふまえながらも家庭で作りやすいようにアレンジした、「とっておきレシピ」や最新の保存食品を伝授します。
手作り料理は、安全・安心というおまけ付きでもあります。
このページで、家族の健康と笑顔を手に入れましょう。



第3回目は、「イカの塩辛」です。

豊かな実りの季節を迎えています。陸では米、芋、豆、木の実などがたわわに実り、海からは脂ののった魚介類が水揚げされます。これらの山の幸、海の幸を肴に飲むお酒は、また格別なもの。そこで今月は、お酒飲みのお父さん&ワイン好きのお母さんにおすすめの酒の肴「イカの塩辛」のご紹介です。

塩辛が家庭で作れるなんて、と驚きの声が聞こえそうですが、新鮮なイカが手に入れば、意外に簡単。手作りの塩辛は、今まで塩辛があまり得意ではなかった人でも、素直に受け入れられる、やさしい味に仕上がります。また、お好みの辛さに塩が調整できる上、一緒に加えた柚子の香りがとても風雅です。

このようにお酒をおいしくする酒の肴は、ほかほかの新米とも相性抜群ですから、炊き立てのごはんとも一緒に召し上がってくださいね。

「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒は静かに 飲むべかりけり」(若山牧水)
手作りのイカの塩辛とお酒で、しみじみと秋の夜をお過ごしください。

★イカの塩辛★
分量(4人分)
材料
新鮮なスルメイカ
(刺身用)
2はい(約400g)
大さじ1/2(漬け込むイカの約5%)
小さじ1
柚子の皮 1/4コ分
<塩辛とは>
塩辛とは、魚介類の身、内臓、卵巣などを塩漬けにし、自己消化によって発酵熟成させたもの。イカの塩辛の他にも、ナマコの腸管で作るこのわた、アユの内臓や生殖巣で作るうるかなど、珍味として重宝されています。
<お役立ちトピックス>
塩辛作りには、大きなわたが適していますので、大ぶりのイカを選びましょう。秋から冬にかけてのイカは、身がしまって味が良いのでおすすめです。
塩辛には、新鮮なイカを使用します。まな板や手をきれいにし、手早く清潔に仕上げてください。

― 作り方 ―
(1) イカは内臓と軟骨をそっとはずします。
(2) 目の上あたりで切り落とし、足と内臓を分け、スミ袋が破れないようにていねいに取り除きます。
(3) 容器に(2)のわたをしごき出します。
 
容器は清潔なビンやタッパーを使用しましょう。
(4) 胴体部分の皮をはがし、切り開いて細く切り、(3)に加えます。
(5) (4)に塩と酒、みじん切りした柚子の皮を加えてよく混ぜ、フタをして冷蔵庫で保存します。
 
すぐに食べられますが、2~3日おくと味がなじんでとても良くなります。2週間位保存できます。

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