愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

ステップアップ 続・誰でもわかるイタリア語

中日文化センターイタリア語講師
石黒 秀嗣

第9回【接続法】用法のまとめ

このシリーズでは、イタリア語の基礎を学習した方を対象に、イタリア語の理解をさらにステップアップするためのシリーズです。初めてイタリア語を学習されたい方は、先ず、シリーズ「イタリア世界遺産の旅」と「誰でもわかるイタリア語」(2011年9月~2015年1月)から始め、続けてシリーズ「続・誰でもわかるイタリア語」と「旅に役立つ会話フレーズ集」(2015年2月~2016年6月)を参考にして学習されることをお勧めします。


イラスト 樋口佳代

【接続法】用法のまとめ

 IからIIIの用法については、第5回から第8回(2016.11~2017.2)の中で詳しい説明がありますのでご覧下さい。
今回はそのほかの用法について以下のようにまとめました。

 《直説法》は断定的に事実の実態を述べる表現で、《条件法》はある条件の下で事柄を推測的に述べる話法でした。それに対して《接続法》は話し手の考えること、信じること、希望することなどを、非断定的に述べる主観的な話法です。そして原則的に次の2つの条件が両方とも満たされる場合に使われます。

a.動詞が従属節の中にあるとき
b.不確実で主観的なことを述べるとき

I.主節の動詞が、意見、想像、願望、期待、不安、恐れなど主観的に表現する場合
pensare, credere, volere, sperare, desiderare, pregare, immaginare, aspettareなど)

II.目的、条件、譲歩、様態などを表す特定の接続詞などがくる場合
benché, sebbene, anche se, affinché, chiunque, qualunque, dovunque, quantunque, nonostanteなど)

III.主文の動詞が非人称動詞(非人称構文)の場合
sembrare, bisognare, accadere, occorrere, convenire, importare, essere necessario, essere indispensabile, essere importante, essere beneなど)

IV.主節の動詞が疑惑、危惧、否定形による不確実性を表す場合
dubitare, sospettare, temere, avere paura, non essere sicuro(certo), non sapereなど)

  1. Dubito che Mario abbia rubato il mio portafoglio.
    (マリオが僕の財布を盗んだのではと僕は疑っています)
  2. Ho paura che Piero non sia riuscito a prender i biglietti per il teatro.
    (ピエロが劇のチケットがとれるか心配です)
  3. Temo che domani piova.
    (明日雨が降るのではないかと心配しています)
  4. Non sono certo che Maria sia già arrivata a Milano.
    (マリアがもうミラノに着いたか確かでない)
  5. Non so se sia italiana quella signorina.
    (あの女性がイタリア人であるか分からない)
  6. Non sono certo che lui sappia questa.
    (彼がこのことを知っているかはっきり分からない)

V.関係代名詞の用いられた従属文で、

a) 関係代名詞の用いられた従属文で、その先行詞に《最上級》またはそれに類する語が使われているとき(massimo, il primo, l'unico, l'ultimo, il soloなど)

  1. La balena è l'animale più grande che esista sulla terra.
    (鯨は地球に生存する最大の動物です)
  2. Conosco l'unica libreria dove si vendano libri italiani.
    (イタリアの本を売っている唯一の本屋を知っています)
  3. La Venezia è la città più bella che io abbia visto.
    (ヴェネチアは私が見た最も美しい町です)
  4. Questa è l'unica via che conduca alla chiesa.
    (これが教会へ通ずる唯一の道です)
  5. È il migliore uomo che io abbia conosciuto.
    (私が知っている一番いい人です)

b) 先行詞が、「~することが出来るような...」というように、話者が希望・目的を表すとき、あるいは想像するような性質のものであるとき

  1. Voglio da te una spiegazione che mi lasci soddisfatto.
    (私を満足させるような説明を君から欲しい)
  2. Cerchiamo(Cercammo) una ragazza che sappia(sapesse) parlare giapponese.
    (日本語を話せるような女の子を探しています)
  3. Dovresti(Avresti dovuto) scegliere un lavoro che ti lasci(lasciasse) abbastanza tempo per la famiglia.
    (家族のために十分な時間を与えてくれるような仕事をできたら選ぶべきだ)
  4. Mi dia una medicina che sia efficace per il mal di testa.
    (頭痛に効くような薬を下さい)
  5. Ho voluto fare un lavoro che avesse contatto con la gente.
    (人と触れ合うことの出来るような仕事を望みました)

注:先行詞が明確に限定されているときは、先行詞には定冠詞をつけて直説法を用いる。

例文:
Vogliamo prendere un treno che parta alle dieci.〈不確実〉
(私たちは10時に出るような列車があれば乗りたい)
Vogliamo prendere il treno che parte alle dieci.〈確実〉
(私たちは10時発の列車に乗りたい)

VI.主文の動詞がなく、《che + 接続法現在(または過去)》のとき、次の語を補って訳します。

a) 接続法は本来、従属節において用いられる話法でしたが、独立節の中で用いられることがあります。
Viva Italia!(イタリア万歳)やAbbia pazienza!(我慢してください)などのように勧告や勧誘などを表すような場合に使います。また同じようにAndiamo al ristorante!(レストランに行こう!)もこの用法で、命令法の活用と同じであるので命令法と考えてもよい。

b) 願望や祈願を表すような感嘆文で用いられます。(desiderare, sperare, augurare, volere)などの希望を意味する動詞や、譲歩を意味する接続詞(benché, sebbene)などの語を補って意味をとります。
また、接続詞che「...しますように」、se「もし...ならなあ」などと共に用いられることがあります。
接続法の動詞と共に、magari「...でありますように」、almeno「せめて」などの副詞も一緒によく用いられます。

  1. Che tu sia benedetto! (=Spero che...)
    (君に祝福がありますように!)
  2. Che vi facciate la pace! (=Desideriamo che...)
    (さあ、仲直りしなさいよ!)
  3. Tutti si riunirono nella piazza, (benché) sia vecchi che giovani.
    (老いも若きも、みんな広場に集まった)
  4. Lo voglia il cielo! (=Preghiamo che)
    (神様がそれをお望みなりますように!)
  5. Magari facesse bel tempo domani! (=Desiderei che)
    (もし明日天気がよければなあ!)
  6. Magari l'operazione riesca!
    (手術がうまくいきますように!)
  7. Ti piacerebbe abitare in campagna? Magari trovassi una casa in mezzo al verde!
    (田舎に住みたいですか? そりゃ緑に囲まれた家が見つかったらね!)
  8. Piove e non abbiamo l'ombrello? Almeno venisse a prenderci Mario con la macchina!
    (雨だけど傘がない。せめてマリオが車で迎に来てくれたらなあ!)
  9. Magari fosse vero!
    (どうか本当でありますように!)
  10. Almeno tu stassi bene!
    (せめて君が元気でいるならなあ!)
  11. Almeno smettesse di piovere!
    (せめて雨が止んでくれたらなあ!)
  12. Se almeno l'avessi saputo prima!
    (せめてもっと早く知っていたらよかったのだが!)

c) 話者の懐疑的疑問cheに先行されて「...なのだろうか?」という話者の不安や危惧などの感情を表します。

  1. Che qell'uomo dica la verità?
    (あの男は本当のことを言っているのだろうか?)
  2. Che quell'uomo avesse detto la verità?
    (あの男は本当のことを言っていたのだろうか?)
  3. Che io abbia sbagliato?
    (いったい私は間違えたかしら)
  4. Rita non viene ancora alla festa? Che sia malata?
    (リタはまだパーティに来ていない? 病気かしら?)

 

イラスト:ロレンツォ・ディ・クレディ(Lorenzo di Credi 1459年頃 - 1537年)『カテリーナ・スフォルツァ』(La dama dei gelsomini)の肖像画。ロレンツォ・ディ・クレディは、イタリアの画家、彫刻家。レオナルド・ダ・ヴィンチに影響を与え、後に影響を受けた。この婦人像とレオナルドのモナリザの類似点を研究者が指摘している。カテリーナは、イタリアルネサンス期の美貌の女傑として知られる女性領主。生まれたスフォルツァ家は、傭兵隊長から侯爵にまで、のし上がった勇者の家系である。11歳で嫁いだ夫、ローマ法王シスト4世の甥のリアーリオ伯が暗殺された後、反乱側に居城を攻められ、子供を人質に捕られた時の彼女の有名なエピソードがある。城館の屋上に立ち、敵にスカートをめくり上げ、「私はこの先、ここから子供などいくらでも生んでやる!」と怒鳴ったという。イタリアのイーモラ地方では子供が悪戯をしたら、「いい子にしていないとカテリーナ様がやってくるよ!」という言い伝えが残されている。激しい性格で、恋にも情熱的であり、その復讐の処刑方法は凄惨を極めた。あの悪の貴公子チェーザレ・ボルジアも、カテリーナのあまりの強情ぶりに恐怖を感じたほどである。次第に内外の反発を受け、政治的に孤立していった彼女であるが、孫にはトスカーナ大公コジモ一世を残すなど、多産でその血はヨーロッパ中に広がっている。(樋口佳代)

このページの一番上へ