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ハーブと精油でつくる家庭の薬箱

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

ハーブと精油で更年期対策 その1

更年期障害の治療方法は、HRT(ホルモン補充療法)、漢方などの療法が広く行われています。最近では、ハーブ、アロマテラピーも更年期障害の補完医療として用いられています。女性の場合、ホルモンがアンバランスになる30歳ころから50歳ころまでのどこかで前更年期、45歳から55歳ころが更年期の時期といわれます。その時期にある本人にとって、更年期が気にならない時もありますし、生活に大きな支障がでるほどの時もあります。更年期になると、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のアンバランスが急激に起こるため、女性のほうが男性よりも身体と心の変動が起こりやすくなります。働き盛りのこの年代の女性の不調は社会的にもダメージが大きいため、社会を挙げた取り組みがアメリカで行われました。最近では日本でも多くの雑誌などに取り上げられるようになりました。男性にも更年期の不調があるため、こちらもまだまだ少ないのですが日本でも注目され始めているようです。

アロマテラピーとハーブが更年期障害の補完医療としてできることはたくさんあります。また治療をしながら行うことができる方法もあります。多くの不調が複雑に起こりやすい更年期周辺での治療は複雑な処方となるようです。HRT療法でも現段階で100通り以上が考えられます。アロマテラピーやハーブでのケアもやはり多種多様です。まずは、もう一度アロマテラピーについて考えてみたいと思います。

アロマテラピーは芳香療法、すなわち、香りを嗅ぐことを中心とした自然療法です。嗅覚刺激といって、嗅覚から受ける脳への刺激が心身に直接的に反応を起こさせることを活かして行います。特に自律神経や内分泌系(ホルモン)、免疫のシステムのバランスをとったり、崩れてしまったバランスを立て直したりします。同時に、アロマテラピーで使用する香りは精油(植物から抽出した天然の香り成分で、アロマテラピーで使用するべきものは何らかの化学的な処理がされていないものを用います)ですので、これを経皮吸収といって皮膚に塗布することによって血中に精油成分を送り届け、薬効性を期待して自然療法の枠を超える治療やケアにあたる処置を行うこともあります。また嗅覚刺激と同時に、精油の香り物質は呼気により気管から肺へ、肺から血中へ送られて働きます。また内服によって行う療法もあります。日本で行われるアロマテラピーは、基本的に嗅覚刺激を中心に考えられていますが、実際には、他の3つの方法も使われます。

更年期時期に起こる不調は不定愁訴(ふていしゅうそ)といわれる『定まらない愁(うれ)いを訴える』症状があります。ひとによって、時によって様々な不調があるということです。イライラ、不安、抑うつ、不眠など精神的な不調や、ホットフラッシュや高血圧、動悸など自律神経系の乱れ、お肌の乾燥などさまざまです。更年期時期の症状の原因は女性ホルモンの急激な変化と、それに伴って起こってしまう自律神経や免疫、他のホルモンの不調などです。

今回は、更年期時期に役に立つアロマテラピーの使用方法をお話しましょう。

ホットフラッシュや異常発汗、イライラが気になる時
✿クールダウンのスプレー ~ スーッとすっきりして楽になります。
【材料】
ペパーミントMentha piperita精油 3滴
レモンCitrus limon精油 12滴
ヒメコマツPinus parvifora精油 5滴
クロモジLindera umbellata精油 5滴
無水エタノール 5ml
精製水 40ml
50mlサイズのスプレー容器 1本

【つくり方】
無水エタノール5mlにペパーミント、レモン、ヒメコマツ、クロモジ精油を入れ、精製水40mlをたして出来上がりです。
【使い方】
できあがったスプレーは、1カ月以内に使い切りましょう。ホットフラッシュや異常発汗、イライラが気になる時など、いつでもスプレーしてみましょう。

就寝前にシーツやまくらにスプレーしても効果的です。

環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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