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インターネット公開文化講座

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ハーブと精油でつくる家庭の薬箱

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

2種類のカモミール~精油とハーブで

  

しあわせのカモミール
黄色い満月のこどものようなカモミールは白いちいさな花弁をいっぱいもって、ちいさな太陽のように、こどもやお母さんを癒してくれます。
ちいさなこどものためのやさしいお茶にもなるし、忙し好きのママにも最適です。
忙し好きのママは、ミルクを沸騰させないように温めてひとつまみのカモミールをそこへ入れて温めます。
少し温めて茶こしで濾して飲んでみてください。やわらかな甘い香りでゆるゆると癒されます。キリキリと怒ってしまいそうな時は、そこに少しお砂糖かはちみつをいれてみてください。帰宅が遅いパパの帰りをちょっと許してあげられそうになりますよ。
ただし新鮮なカモミールジャーマンか新鮮なカモミールジャーマンの乾燥ハーブでつくってみてください。
ふるくなったカモミールでは台無しです。
アロマテラピーで使う精油のカモミールも手荒れやかさかさほっぺ用クリームやリップクリームにもよく重宝します。
カモミールはちいさなこどもとママにやさしいハーブです。もちろんパパにもわけてあげてくださいね。
みんなで幸せになれますよ。

2種類のカモミール
ポットに入ったハーブの苗を、お花屋さんでよく見かけるようになりましたが、最近ではカモミールのハーブ苗にカモミールとの表記ではなく、マトリカリアと属名で表記がされているお花屋さんもあります。カモミールの学名が少し前よりも身近になったような気がします。ハーブテイーでよくつかわれるカモミールはマトリカリアで、アロマテラピーで使用される精油でよく使用されるカモミールはカモミールローマンです。こちらはマトリカリアではなくアンテミスなのですが。もしお持ちの精油に濃青色を呈したカモミールがあれば、それはたぶんマトリカリアですが。こちらはとても薬草らしい香りがします。

カモミールローマン精油
カモミールローマン精油
学名:Anthemis nobilis    科名:キク科  抽出方法:水蒸気蒸留法   抽出部位:花
産地の一例:ドイツ、フランス、モロッコ、南アフリカ、イギリス、
主要成分:アンゲリカ酸エステル類、カマズレン
特徴
一年草。複雑なストレスや月経前緊張症などの精神面での緩和ケアとして用いられる。
不安や緊張、怒り、恐怖の念を和らげる効果が期待される。加温性の高い精油である。
りんごのような甘さと凛とした主張のある甘さも持ち合わせる。
カマズレンを多く含むため、炎症を抑える効果も期待される。

カモミールジャーマン精油
学名:Matricaria chamomilla   科名:キク科  抽出方法:水蒸気蒸留法  抽出部位:花
産地の一例:ドイツ、フランス、モロッコ、ハンガリー、エジプト
主要成分:カマズレン、ビサボロール誘導体、ビサボレン誘導体、
特徴
多年草。ハーブティとて用いられるのはこのカモミールジャーマン。
主に炎症を抑えるためにアトピーやアレルギーに用いる。抗アレルギー作用が特徴。

カモミールローマンとカモミールジャーマンはどちらもキク科です。
キク科の植物にはその期待される薬効性が強く出やすいものが多く、漢方でも、 菊花は目と肝の不調に用いられたり、カモミールジャーマンも1962年改正の日本薬局方には、消炎、発汗、駆風作用があると記載されていました。ハーブテイーで使用されるカモミールは ジャーマンです。精油成分であるビサボロール誘導体、ビサボレン誘導体、カマズレンは炎症を抑える効果があります。またアンゲリカ酸エステル類は、花や果物が熟した時にその生成 レベルはピークとなり、幸福感を与えたり、ストレスを軽減する効果が期待されます。
また抗菌作用や肌に対する効果を期待してスキンケアでもよく用いられます。

カモミールジャーマンのハーブ

学名:Anthemis nobilis    科名: キク科/1年草
含有成分/ 精油 0.4~2.0%(ビサボロール誘導体、ビサボレン誘導体、カマズレン)
セスキテルペンラクトン類(マトリシン)
フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)
コリン クマリン類
支 配 星 / 太陽

2種類のカモミール~精油とハーブで
カモミールジャーマンの精油は濃青色を呈していますが、これは精油を蒸留する時に、セスキテルペンラクトン類のひとつであるマトリシンが抗炎症、消炎成分であるカマズレンに変性するからです。マトリシンもカマズレンも抗炎症作用を持つ有機化学の成分です。カマズレン、ビサボロールもまた抗炎症作用や消炎作用を持ち、アピゲニンは、鎮痙作用が高い成分です。カモミールジャーマンには、有用な多くの使用方法がありますが、その基材の使用方法によって様々に用いることができます。


環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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