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ハーブと精油でつくる家庭の薬箱

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

ハーブと精油で更年期対策 その2

前回に続いて、更年期対策のアロマテラピーとハーブのお話をいたしましょう。アロマテラピーで女性ホルモンバランスを整えるために効果的な精油には、ゼラニウムやクラリセージ、ローズやネロリ、ローズウッドなどがあります。

ローズウッド(Aniba rosaeodora)も人気です。ホルモン、免疫、自律神経のバランスをとり、ホットフラッシュや多汗、肌荒れ、湿疹、夏バテなど様々な用途に使用できることと香りのやわらかさにその人気のワケがあるのだと思われます。
ローズウッドにはいくつかの種類があり、ブラジル産のAniba rosaeodoraは特に人気があります。ローズ様の香りを持ち、紫を深くしたような色を持つ木部は高価な値が付くものです。ただし現在はブラジル政府の管轄による保護を受けており、絶滅させないように調整されるほど希少になってしまいました。ローズウッドの木でできた調度品や家具や楽器などは、アンティークのものしか手に入らなくなっています。ローズウッドの精油も手に入らなくなりました。
他国のものや別の学名をもつローズウッドはありますが...。ただしその香りや特性は劣るといわれています。けれど、その特性や香りを秘めた精油を使用したい...。

日本のハーブの中には、ローズウッドに負けず劣らず素晴らしい特性をもつものがあります。たとえば、クロモジなど・・・。

クロモジ(Lindera umbellata)は、クスノキ科の低木で、精油成分を含み、その主要成分にリナロール、ゲラニオール、カルボン、α-ピネン、リモネン、酢酸ボルニル、カンフェンなどを含み、香りも効能もローズウッド(Aniba rosaeodora)に負けず劣らず、また国産のものの供給があるといったうれしい精油です。お茶席の和菓子を頂く時などに添えられる爪楊枝や木細工などに用いられているクロモジですので、日本人には馴染みのあるものです。
クロモジは、リラックス作用と同時に身体の抵抗力を回復し、免疫力を高め、自律神経を整えます。呼吸をすーっと楽にし、気分の沈みを引き上げて軽くしてくるような香りを持ちます。また抗菌殺菌作用、防虫作用もある精油です。香りはローズウッドのローズ様の香りに深みのあるやわらかさを併せ持ち、どんな精油とも相性がよく使いやすい精油です。スキンケアにおいては、感染症やニキビ、湿疹などの不調にも用いられます。


日本のクロモジには幾種類かのものがあります。関東から北海道あたりに多いのがオオバクロモジで、リナロールの含有量が多く、クロモジの起源の種ではないかと思われます。ヒメクロモジは、近畿地方や中国地方に多いクロモジでカルボンを多く含みます。またケクロモジは、近畿地方から四国、九州に分布し1.8-シネオールを多く含有します。
クロモジの枝や根は、それぞれ烏樟、釣樟と呼ばれ、養命酒などにも入っています。

前回のクールダウンスプレーは、更年期の不調以外にも、空気浄化や抵抗力が低下している時のスプレーにしてもよいですね。
空気浄化や抵抗力の回復のためには、そのままのレシピではもちろん、ペパーミントをラベンダー(Lavandula angusutifolia)に替えてみてもいいですね。

環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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