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インターネット公開文化講座

文化講座

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ハーブと精油でつくる家庭の薬箱

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

バラ水をつくる

  

今回は、バラ水についてお話しましょう。古代から大切にされてきたバラの有効性をひとことでいうと、身体とこころにある不要物や不調を解毒し、健康と美を手に入れることを可能にしてきたということでしょう。古代から使用されてきたバラには、野生種のバラとオールドローズがあります。オールドローズには古代種と呼ばれる種類が含まれます。観賞用に品種改良されて優美さを競ってきたバラはモダンローズと呼ばれ、1867年のラ・フランスというバラがその第一号です。

効能や効果が知られ、前述した有効性を確かめられてきたのは、Rosa damasceneとRosa gallicaでした。Rosa centifoliaは、オールドローズですが古代種には属さず、16世紀にオランダあたりで出現されたと考えられています。うつくしく可憐な姿のバラは、古代からその時代とともに変遷をしてきた歴史があります。
薬効と美しさ、このふたつの駆け引きの中で翻弄されてきた植物のひとつだと思われます。

オールドローズの系統とその系統の基本となった種類

バラ Rose
バラは精油においても大変貴重で多くの有効性をわたしたちに与えてくれます。ほんの1滴のRosa damasceneの精油がミツロウとホホバオイルの軟膏にブレンドされると、どんなにその効能を高めるために働いてくれるでしょう!
しみ、しわ、老化した肌、炎症、くすみ、にきび・・・あらゆる肌の不調に効果を発揮してくれます。アロマテラピーを知っているものであれば、ぜひとも使いたい精油のひとつです。
ロバート・ティスランドはRosa centifoliaとRosa damascenaの精油の効能を、証明しています。エドワード・バッチは、Rosa caninaをクライマックスを飾るものとして扱っています。モーリス・メッセゲは、Rosa gallicaをとくに伝えています。メッセゲは、吐血症状を治療することを深く説いていたアラビアのイブンシーナを始めとした医学者が、結核患者にバラを使用していたことや、ポルトガルの副王の妃が7ヶ月の間、バラの保存食ばかりを大量に食べ続けたおかげで結核が治り、よりいっそう美しくなったことについて言及しています。また、彼自身のクライアントの結核を一年間、バラの花びらとハチミツだけの食養生で奇跡的に健康になったこととそれを立証したことを説明しています。
またバラの煎剤を内服することによって、のどと鼻、気管のつまりに大変よく効き、消化器系の慢性的な炎症や下痢、赤痢にも効果を発揮するといいます。抗生物質を多用することによって生じてしまった腸内のアンバランスな菌の状態を改善することも伝えています。
腸の他、肝臓、神経系統の解毒と不調の改善、心臓と肺の炎症をとり除く効果、肌のくすみをとり、若返らせ、健康を取り戻させることは、どの時代の植物療法家もよく知っています。

本日は、Rosa gallicaをウォッカにつけてみましょう。
約2週間でできあがるローズ水は、入浴剤としたり、化粧水としたり、内服したり、オーデコロンの基材にしたりと様々に活用できます。皮膚に対しては老化によるくすみやふきでもの、感染症やにきび、ストレスからくる肌のアンバランスなどに効果的です。身体には、肺や心臓の不調に内服したり、便秘やアンバランスになった腸の状態の改善、婦人科系の様々な不調にも効果を発揮します。より高い効果を求める場合は3週間ほど漬け込んで、より一層毎日ビンを振ります。できあがったローズ水はよく濾して遮光ビンで保管しましょう。冷暗所で1年の保存が可能です。

バラ水 Rose tincture を作ってみましょう。

材料
透明でふたの閉まるガラス瓶 約300mL容量のもの
遮光ビン 約200mL容量のもの
Rosa gallica の乾燥花びら 10g
40度の無香のウォッカ 200mL
作り方
1. Rosa gallicaの乾燥花びら10gを透明ガラス瓶にいれ、ウォッカ200mLを注いでふたをしてよく振ります。
2. 1を毎日振ります。
3. 2週間~3週間したらよく濾して、遮光ビンにつめます。
4. 冷暗所で保存しておきます。
◆ 使い方/化粧水として ◆
100mLのスプレー容器に、上記でつくったローズ水を20mL入れます。
そこへローズオットー(Rosa damascene)の精油を2滴いれます。
そこへ精製水を80mL入れてよく振ります。これで出来上がりです。
2週間~3週間以内に使い切りましょう。


環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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