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『食育』をはじめましょう

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

実践!理想の朝食レシピ

今もっとも注目されている「食育」。しかし、「食育ってなに?」とあまり深く知らない人も多いようです。
そんな人々のために、今シリーズは「食育」をとりあげました。
「高齢者のための食事とは」、「働き盛りの人のための食事とは」、「幼児のための食事とは」、「よく噛むことの大切さ」、「カルシウムの大切さ」など、基本的な知識と最適レシピを12回テーマでわかりやすくご紹介します。

第2回目のテーマは「理想の朝食レシピ」。
第1回目では、「朝食の大切さ」をみなさまにお伝えしました。
続いて今回は、それぞれの年代にあわせた朝食献立とすぐに実践できる朝食レシピについてご説明します。



1. 年代別・朝食メニュー

忙しい朝にバランスの良い朝食を作るためには、簡単で栄養価の高い料理作りの工夫が大切です。
毎朝同じ献立が続かないようにレパートリーを増やしたり、前日の夕食時に下準備をしておくと便利です。ここでは各年代別の理想的な献立をご紹介します。

~幼児のための朝食メニュー~
  ■食生活のポイント■
  心も体も成長、発達する幼児期は、丈夫な体と規則正しい食習慣の基礎を築くとても重要な時期です。バランスのとれた規則的な食事、食事マナーなど、親が正しい手本を示すことで自然に身についていきます。薄味を心掛け、家族一緒に楽しく食事をすることが大切です。
 
「楽しみながら食べる朝食」
*サンドイッチ
  手づかみで食べることで楽しみを覚えます
*野菜のクリーム煮
  小さくきざんだり、やわらかく煮込むと子どもでも食べやすくなります
*大根とフルーツのサラダ
  噛みごたえのあるもの、噛んで良い音がするものは、あごを発達させます

~学童期のための朝食メニュー~
  ■食生活のポイント■
  成長が著しく、活動がより活発になる学童期は、栄養バラン スがとても大切です。年齢や体格に見合った分量を正しく摂取できるように心掛けます。好き嫌いが多くなる時期でもありますので、工夫して食べさせる努力も 必要です。また、食事前後の手洗いや歯磨きなどもしっかり習慣づけましょう。
 
「1日を元気に過ごす朝食」
*胚芽ご飯
  よく噛むことはアゴを発達させて脳の働きを活発にし、記憶力を高めます
*いわしのかば焼き風
  いわしにはDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれ脳の働きを活発化します
*モロヘイヤと納豆の和え物
  発酵食品である納豆は、快便を促し、1日を元気に快適にスタートさせてくれます
*かぼちゃのミルクみそ汁
  野菜、牛乳、大豆が一度に摂取でき、栄養バランスに優れています

~働く女性のための朝食メニュー~
  ■食生活のポイント■
  無理なダイエットや不規則な生活で栄養バランスが偏り、カルシウムや鉄分不足、便秘になりやすい傾向があります。短時間でおいしく、栄養バランスのとれた食事を作ることが大切です。調理法や味付けを工夫して食卓のマンネリ化を防ぎ、食べる喜びを実感しましょう。
 
「時間がない朝はカンタン朝食」
*ミルクリゾット
  不足しがちなカルシウムを補給します
*お手軽サラダ
  ビタミン豊富な野菜を食べて、肌荒れ予防
*のり巻きアーモンド納豆
  良質たんぱく質でストレス耐性を強化し、ストレスに打ち勝ちます
*フルーツ
  包丁いらずのフルーツは忙しい朝の強い味方です

~働く男性のための朝食メニュー~
  ■食生活のポイント■
  多くの男性は、生活において自分で食事を作る機会が少ないため、どうしても食事や栄養について関心がない場合が多く、栄養不足や偏食が目立ちます。「自分の健康は自分で守る」という意識を常に持ち、豊かな人生のためにバランスのとれた食生活を心掛けることが大切です。
 
「時間がない朝はカンタン朝食」
*オープンサンドイッチ
  オーブントースターで手早く焼けて、色々な具をのせたホットサンドイッチは、便利な一品です
*巣ごもり卵
  卵は体温を上昇させるための大切な食品。1日1コを心がけましょう
*自家製ピクルス
  多目に作っておけば、いつでも食べられる万能ビタミンサラダです
*ミルクコーヒー
  どんな形でも毎日牛乳を飲む習慣をつけましょう

~高齢者のための朝食メニュー~
  ■食生活のポイント■
  高齢者にとって食事は健康維持の基本であるとともに、毎日の生活の中での大きな楽しみであり、生きる意欲を高め、自立を助ける大きな手段です。個人の身体機能、生活活動に見合った食事内容にすることが大切です。家族や友人との楽しい食卓が食欲増進につながります。
 
「食べやすさを考えた朝食」
*きのことわかめの卵雑炊
  歯が悪い人や飲みこみが困難な人でも、主食をおいしくたくさん食べることができます
*白菜ときゅうりの即席漬けサラダ
  昔ながらの味「お漬物」は高齢者も大好きな味です
*フルーツ
  のど越しの良いフルーツは食べやすく、水分やビタミン補給にも役立ちます

2. 栄養バランスの整った朝食を作りましょう
~朝食にふさわしいレシピ~

実際に栄養バランスのよい朝食を作りましょう。簡単にできて朝食にピッタリのとっておきレシピをご紹介します。それぞれのレシピを上手に組み合わせ、自分なりのアレンジも加えて、より豊かな朝食作りにお役立てください。

 ★ご飯と梅干し

 

 ★あさりのみそ汁

■材料 分量:2人分
あさり(殻つき) 150g
出し昆布 5センチ
400ml
みそ ~30g~
みつ葉(小) 1/4ヮ

*ポイント
貝は煮すぎると固くなります
しじみの場合も同様に作ります
みそも煮すぎるとえぐみがでるため注意します

■作り方
1. あさりは塩水につけてよく砂をはかせておきます。
2. 鍋に分量の水を入れて砂をふいた昆布とあさりを入れ、沸騰直前に昆布を取り出します。
3. 2の汁の一部を取り出し、分量のみそを溶きます。
4. 213を入れ、貝の口が開いたら火をとめます。
5. みつ葉のみじん切りを椀に入れ、熱々の4を注ぎます。

 ★磯辺巻き卵


*ポイント
海苔の代わりにワカメやヒジキでもおいしくいただけます

■材料 分量:1本分
4コ
(A)
だし汁 50ml
小さじ1/4
しょうゆ 小さじ1/2
みりん 小さじ1
海苔 1/4枚
サラダ油 適宜
大根(おろし) 60g
しょうゆ 適宜


■作り方
1. 卵はボウルに割りほぐします。
2. (A)を合わせて1に入れ、泡立てないようにかき混ぜます。
3. 海苔はちぎっておきます。
4. 卵焼き器(またはフライパン)に油を薄くぬり、2の卵液を流し入れ、焼けたら3をのせて包みます。
5. 卵を向こう側へ寄せてあいたところに油をぬり、再び卵液を流し入れ巻いた卵を芯に巻きます。4を繰り返します。
6. 巻きすでまいて形をととのえます。
7. 6を切り分け、おろし大根を添えます。

 ★ほうれん草としいたけのお手軽白和え


*ポイント
ほうれん草以外でも、小松菜や季節の野菜を使用してバリエーションを増やしましょう

■材料 分量:2人分
ほうれん草 150g
にんじん 50g
生しいたけ 4枚(45g)
もめん豆腐 225g(1/2丁)
(A)
白ねりごま 大さじ1・1/2
白みそ(西京) 25g
砂糖 大さじ1
しょうゆ 小さじ1/2


■作り方
1. ほうれん草はゆでて水にとり、水気を絞って3センチ長さに切ります。
2. にんじんは短冊切りにしてゆでます。
3. しいたけはフライパンで空焼きし、冷ましてから薄切りにします。
4. 豆腐はよく水に晒してからペーパータオルに包み、軽く水気をとります。
5. 4をボールにくずして入れ、泡だて器でよくほぐしてから(A)を入れます。
6. 135であえます。

 ★きゅうりとみょうがの薬味水漬け

■材料 分量:2人分
きゅうり(100g) 2本
みょうが(20g) 2コ
しょうが 1かけ
青じその葉 5枚
昆布 8cm
(A)
300ml
大さじ1/2
うま味調味料 少々
レモン汁 小さじ2~大さじ1
クラッシュ氷 適宜

■作り方
1. きゅうりは斜めのごく薄切りにします。みょうがは縦半分にして斜め薄切りにします。しょうがは皮をむいてせん切りにします。青じそもせん切りにします。
2. ボウルに(A)で塩水をつくり、1の野菜を加え、昆布はキッチンばさみで切って加えます。
3. 2のボウルを氷水の上に浮かべ、冷えたら盛り付けて氷を散らします。
  (氷で冷やさない場合は、30分ほど冷蔵庫に入れて味をなじませれば完成です)

 ★フルーツサラダ~ヨーグルトクリーム

■材料 分量:2人分
(A)
ヨーグルト 100ml
生クリーム 50ml
レモン汁 小さじ1/2
砂糖 大さじ2
リーフレタス 1枚
モモ(または梨) 1/2コ
バナナ 1/2本
キウイ 1/2コ
グレープフルーツ 1/2コ

■作り方
1. (A)を混ぜ合わせてヨーグルトクリームを作ります。
2. リーフレタスはきれいに洗って水気を切ります。
3. モモは皮をむいてくし形に切り、バナナは皮をむいて輪切りにします。
4. キウイは皮をむいて乱切りにし、グレープフルーツは身にします。
5. 器にレタスを敷き、フルーツをもりあわせ、1のソースをかけます。


朝食を食べることの重要性
朝食で脳に栄養素を送り、家族そろって楽しく食事をとることは、充実した1日を過ごすために大切なことです。健康を維持し、病気を予防するためには、「朝食しっかり、夕食を軽めに」が理想的な食事のとり方と言えます。

~参考文献~
  ・あたらしい家庭の健康料理  著者:伊藤華づ枝
  ・食事で変わる「良い子」と「悪い子」  著書:伊藤華づ枝
  ・食生活全般論  著者:伊藤華づ枝
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