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インターネット公開文化講座

文化講座

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家庭で楽しむ世界の料理~世界を食する~

栄中日文化センター料理教室講師・食育伝道師・管理栄養士
テーブルコーディネーター
伊藤 華づ枝

タイの旅

みなさまは世界の料理をいくつご存知ですか?
今シリーズは、私が世界を旅して食した本場の料理をみなさまにお届けしています。
さぁ、ご一緒に世界のごはんを食べに行きましょう。

第11回目は、タイの旅です。
タイの料理、食文化についてご紹介します。



1. タイ(タイ大国)

面積: 51万4,000平方キロメートル
人口: 約6,242万人(2005年)
首都: バンコク
宗教: 仏教(95%)、イスラム教(4%)
言語: タイ語

「チャオプラヤー川」

バンコクの中央部を流れる大きな川で、上流は古都アユタヤまで続いています。
悠々と流れるチャオプラヤー川は、水上マーケットや交通手段としてタイの人々の生活には欠かせません。
タイ語では「メーナーム チャオプラヤー」と呼ばれ「メーは母」「ナームは水」、つまり「水の母=川」を意味しています。
とうとうと流れる
「チャオプラヤー川」

「アユタヤ遺跡」

タイの古都「アユタヤ遺跡」は1991年、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。
アユタヤは、14世紀から400年以上も続いたアユタヤ王朝の都です。
アユタヤに象徴される風景として有名な3基の塔があります。
(1) ワットプラスリサンペット
(2) 木の根に埋まった仏頭が残されたワットプラマハタート
(3) 草むらに巨大な寝釈迦仏が横たわるワットロカヤスタ
など、見ごたえのある遺跡が多く残っています。
アユタヤ遺跡


2. タイの食文化

★タイ料理の特徴
* パームシュガー・ココナッツの甘味
* マナオ(ライムの1種)・タマリンドの酸味
* 唐辛子(プリック)の辛味
* ナムプラーの塩味と旨味
* ハーブやスパイスの香味
タイ料理は、様々な調味料・香辛料が絡み合うことで独特の味と香りが作られます。
また、タイ料理には、辛い料理が多いことも特徴のひとつです。タイは暑い国なので、唐辛子を食べて体温を高め、発汗作用を促します。同時に、辛い料理は食欲を増進させる働きもあります。

★地域による特色
タイの食文化は地域により特色があります。
* 首都バンコクのある中部
* 「イサーン」と呼ばれる東北部
* 山岳部とその間に広がる盆地からなる地域の北部
* マレー半島の一部となる南部

~中部タイの料理(バンコク)~
長い歴史の中でたくさんの民族による交流が持たれ、料理にもさまざまな要素が絡み合っています。
バンコクで生まれた「トムヤムクン」はタイの代表料理であり、世界三大スープの一つです。
そして、バンコクの料理に欠かせないのがココナッツミルクを使ったカレーです。
「レッドカレー」・「グリーンカレー」・「イエローカレー」など種類も様々です。
また、中国人が多いバンコクでは中華系の炒め物なども人気です。

~東北部タイの料理~
生活文化圏がラオスの文化圏に入るため、バンコクを基準とするタイ料理とは違った独自の食文化を持っています。唐辛子をふんだんに使い、塩辛さを伴う味付けが多いのが特徴です。
主食はもち米で、蒸して丸めてその他の料理と一緒にいただきます。
代表的な料理は未熟な青パパイアを使ったサラダの「ソムタム」、地鶏を竹串ではさんで炭火焼にした「ガイヤーン」などが挙げられます。

~北部タイの料理~
チェンマイには「カントーク」と呼ばれる客をもてなす形式があります。カントークとは丸いお膳を指し、このお膳に数種類の料理を並べる宮廷料理を、民族舞踊を鑑賞しながら楽しむスタイルです。
現代では、観光スポットのひとつとされています。
豚の皮をカリカリに揚げた「ケープムー」、スパーシーなソーセージ「サイワオ」、揚げ麺と生麺をカレースープでからめた「カオソーイ」などが北部タイの代表的料理です。

~南部タイの料理~
マレー半島は、古代から海を通じてインドや中国と交流がなされていました。そのため、タイ料理をベースに、インド、中国、マレーの影響を多く受けています。
特にインドの影響はスパイスに見受けられ、味付けにはターメリックや胡椒が多く用いられています。
また、マレーシアと同様イスラム教徒が多いので豚肉は食べません。豚肉を使わないカレー「マッサマン」が有名です。


3. ハーブ・スパイス・調味料
タイ料理は、ナンプラーやカピのようなくせのあるにおいの強い調味料を多く使用します。魚介類も海より川で獲れたものを多く使うため、ハーブやスパイスは欠かせません。
タイでは、多くの料理がまずはハーブ・スパイスを潰すことから始まります。その作業に使われるのが「クロック」といわれる石臼で、「クロック」の音で料理のおいしさが分かるとも言われており、良い音を響かせる女性と結婚すれば幸せになれると言い伝えられています。

★レモングラス(タクライ)
  レモンの香りをもったイネ科の植物。
トムヤンクンなどのスープの香り付けには欠かせません。

★コリアンダー(パクチー)
  葉や茎は刻んで薬味として、根はペーストを作るのに利用されます。
種子は完熟するとレモンとセージをあわせたような芳香を持ち、カレーなどに使用されます。

★カフィアライムリーフ(バイ・マックルー)
  日本ではコブミカンの葉と呼ばれています。
柑橘類の強い香りを持った葉で、カレーやスープの香り付けに使われます。

★ガランガ―(カー)
  日本の生姜によく似ていますが、香りはもっと強く、色もやや白い。
カレーやスープ、その他多くの料理の香りづけに使われます。

★唐辛子(プリック)
  唐辛子を総称してプリックと呼びます。
色や形、辛さは様々ですが、小さくなるほど辛味は強くなります。(プリック・キー・ヌーやプリック・チーファなど)

日本のレストランや食堂の食卓には、しょうゆやソースが並んでいます。
同じように、タイではナンプラー・生唐辛子の酢漬け・粉唐辛子・砂糖の4種類が並べられており、個々人が調味料を好きなように加えて自分好みの味付けをします。

★ナンプラー
  タイで最も頻繁に使われる調味料。
日本人が醤油を使うように、あらゆる料理に使い、タイ料理には欠かせない調味料です。
魚に塩を加えて1年ほど漬けておき、上がってきた液体を熟成させたもの。

★カピ(英名:シュリンプペースト)
  小エビを塩漬けにして作ったペースト状の調味料で、ほんの少量で料理に深いコクとうま味を与えます。日本料理の味噌のような調味料です。

★チリ・イン・オイル(ナム・プリック・パオ)
  干しエビ・玉ねぎ・ニンニク・唐辛子などを油で炒め、砂糖・塩を混ぜて作ります。
辛味・甘味・うま味をもった優れた調味料で、炒め物などによく使われます。

★チリソース
  赤唐辛子、砂糖、食酢、塩、にんにくを原料としたタイのソースです。
辛味とにんにくの風味が特徴で、揚げ物などの料理のたれや和え物のソースの材料にもなります。


4. タイ料理を食べましょう

「宮廷料理」
  宮廷料理とは、宮廷で食べられていた料理で、都がバンコクに移されてから生み出され、ラマ国王の王宮で発達、洗練されていきました。
名君として知られるラマ5世チュラーロンコーン王は食通で、新年には料理コンテストを開催していたと伝えられています。そこへ料理を差し出すのは、何十人 という妃たちで、王の寵愛を受けようとする妃たちは必死に料理人を探し、その料理人と共に料理の発掘、洗練に努めました。これがタイの女性料理人の伝統に もつながっているのでしょう。
宮廷料理は、基本的には庶民の料理と変わりませんが、厳選された食材を使い、調理には多大な手間と時間をかけ、繊細な味と芸術の域とも言える飾りつけが特徴です。
またフランス料理と同様に、オードブルからデザートまでの味のバランスが考えられたメニュー構成がされています。

「カービング」
  宮廷料理の大きな特徴は、盛り付けや飾り方にあります。
特に「カービング」、果物や料理に添える野菜などを見事な技術で彫刻していきます。
この飾り切りには高度な技術が必要で、宮廷料理のレストランや王宮には専門の職人もいるほどです。
 
カービングフルーツ

「シーフード料理」
  タイは熱帯の豊かな海からの恵みを受けているばかりでなく、水量豊富な川と至る所にある池からも魚介類の水揚げがあります。そのため、タイのシーフードの料理はとてもお手ごろ価格!
 
 
川エビが意外においしく
驚きでした!
「ロブスターのロースト」
タイのシーフード料理は大味です。

「ドリアン」
  ドリアンは英語でDurianと書きますが(タイ語ではトゥリアン)、この語源はマレー語の「とげ」を意味する「Duri」です。タイでは、年間100万トン以上のドリアンが生産されており、圧倒的に世界一の生産量です(第2位はマレーシアで、タイの半分程度)。
タイでは、既に300年以上前には栽培されていた記録が残っています。
強烈な匂いで有名ですが、果肉は非常にクリーミーで甘く、カスタードのようで、「果物の王様」と言われます。
著者は大のドリアン好きです!
 
 
マーケットのドリアン売り場
ドリアンが山積みされています。
ドリアンの実
 
クルーズ中にも、ボートで
ドリアン売りがやってきました。

「オリエンタルホテルのダンスディナー」
  タイで一番、アジアでも一番といわれる格式を誇るオリエンタルホテル。
世界中からVIPが訪れるこのホテルではタイダンスディナーが楽しめます。
タイの民族舞踊を見ながらタイ料理をコースでいただく、なんとも贅沢な時を過ごさせてくれます。
 
 
食事をしながら
タイの民族舞踊を鑑賞
オリエンタルホテルの
レストランで食べた料理


5. タイ料理を作りましょう!!(伊藤華づ枝のオリジナルレシピ)

 ヤムウンセン(タイ風春雨サラダ)

■分量 2人分
中国春雨 50g
きくらげ(中国産) 5g
エビ 4~5尾
セロリ(細軸) 5cm
(A)
大さじ2
大さじ1
豚挽き肉 40g~45g
しょうゆ 小さじ1/2弱
サラダ油 適宜
紫玉ねぎ 1/2コ
レタス 40g
(B)  
レモン汁 大さじ1/2
純米酢 大さじ1強
ナンプラー 大さじ2弱
砂糖 小さじ1/2
輪切り赤唐辛子 小さじ1/2強
にんにく(すりおろし) 少々
パクチー 1本

■作り方
1. 春雨は熱湯の中に入れ、フタをして蒸らします。きくらげは水で戻して、熱湯でゆでます。
2. 春雨は適当な大きさに、きくらげは千切りにします。
3. エビは殻をむき、背ワタを取り除いておきます。
4. 細かく刻んだセロリと3のエビを鍋に入れ、(A)を入れて酒蒸しにします。蒸したエビは3切れにそぎ切りにしておきます。
5. 豚挽き肉はしょうゆで下味をつけ、サラダ油で炒めます。
6. 紫玉ねぎは薄切りにして、氷水に晒します。レタスはきれいに洗って小さく手でちぎります。
7. ボールに(B)を混ぜ合わせ、ソースを作ります。(パクチーは葉の部分は手で小さくちぎり、茎の部分はみじん切りにします)
8. 6のボールに15の具材を入れ、和えます。

 トードゥマンプラー(タイ風さつま揚げ)

■材料 分量:2人分
白身魚(メカジキ) 150g
(A)  
大さじ1・1/2
レッドカレーペースト 大さじ1/2
(B)  
大和イモ(すり卸す) 25g
しょうが(すり卸す) 小・1かけ
卵白 1/2コ分
小さじ1/6
かたくり粉 大さじ1
砂糖 ひとつまみ
こぶみかんの葉 3枚
さやいんげん 30g
赤ピーマン 1/8コ
揚げ油 適宜
ライム(又はレモン) 1/4コ

■作り方
1. 白身魚は粗く切ります。(A)をよく混ぜて、とかします。
2. 1を(B)と共にフードプロセッサーにかけます。(又はすり鉢ですります)
3. こぶみかんの葉はせん切りにし、さやいんげんは1.5cm長さのぶつ切り、赤ピーマンは3cm長さ位の細切りにします。
4. 23を入れてよく混ぜ、6コに丸めて中温の油で揚げます。
5. 器に盛り、ライムを添えます。

 トムヤンクン (辛くて酸っぱいスープ)

■材料 分量:4人分
トムヤンクンセット 1袋
トムヤムペースト 30g
チリインオイル 15g
ナムプラー 20ml
ドライスパイス
(レモングラス・ガランガー・ピキヌー・カフィアリムリーフ)
15g
エビ 8尾
しめじ 1袋(100g)
砂糖 小さじ1
香菜 適宜
※市販の「トムヤンクンセット」を使用すると便利です

■作り方
1. 鍋に800mlのお湯を沸かし、ドライスパイスを袋に入れて香りが出るまで2~3分煮ます。
2. 香りが出てきたら、チリインオイルとトムヤムペーストを入れ、再び一煮立ちさせます。
3. ドライスパイスを取り出し、エビとしめじを加えます。
4. エビとしめじに火が通ったら、ナムプラー、砂糖を加えて味を調えます。
5. 香菜を添えていただきます。
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