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インターネット公開文化講座

文化講座

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家庭で楽しむ世界の料理~世界を食する~

栄中日文化センター料理教室講師・食育伝道師・管理栄養士
テーブルコーディネーター
伊藤 華づ枝

ベトナムの旅

みなさまは世界の料理をいくつご存知ですか?
今シリーズは、私が世界を旅して食した本場の料理をみなさまにお届けしています。
さぁ、ご一緒に世界のごはんを食べに行きましょう。

第10回目は、ベトナムの旅です。
ベトナムの料理、食文化についてご紹介します。



1. ベトナム(ベトナム社会主義共和国)

面積: 32万9,241平方キロメートル
人口: 約8,312万人(2005年末)
首都: ハノイ
宗教: 仏教(80%)、カトリック、カオダイ教他
言語: ベトナム語

「プチ・パリ」

1975年の解放前までは「サイゴン」と呼ばれていたこの街「ホーチミン」が、本格的に発達したのは19世紀も半ば、フランス統治時代からと言われています。
そうしたこともあり、民族衣装"アオザイ"を身にまとった美しい女性達が、行き来する街並みは「プチ・パリ」の名を残した可憐な美しさです。
フランス統治時代の面影を残す
「プチ・パリ」と呼ばれる街並み

「バイクの洪水」

市中に向う道路は、バイクにまたがる人たちで溢れ帰り、まるで「月光仮面」さながらのマスクを巻いた(排気ガスから身を守るため)人、人。まさに「バイク天国」な光景が広がっています。
市内は人とバイクと、自転車があふれ、じつにエネルギッシュです。
ホーチミン市内の「バイクの洪水」


2. ベトナムの食文化

ベトナムは、古来から「中国」と「フランス」の影響を多く受けてきました。食事には箸を使用し、バゲット・コーヒー・プリンなどが日常の食生活の中に定着しています。
このように、ベトナム料理は2国の文化を受け継ぎながら、独自に進化し続けてきました。
アジアンテイストとヨーロッパの香りがうまく絡み合い、薄味で繊細な味付けは日本人の味覚にも良く合います。

★ハーブ  
ベトナム料理には、生野菜や様々なハーブが多く使われています。
特に多く食べられているのが「コリアンダー」と「どくだみ」。
ハーブは、暑い国・ベトナムには欠かせない食材で、こうした薬草に近い生野菜を食べることで食中毒から身を守り、健康を維持しようとする生活の知恵が生かされています。
市場の中の野菜売り場
手前の大束がドクダミ
★米
基本的に米食文化であり、米を中心とした食事を取ります。
麺類や春巻の皮なども小麦ではなく米から作られます。

ベトナム料理は、米を中心とし、野菜やハーブを多く食すことから、ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく取ることができます。特にハーブの薬効成分には健康への効果大なのです。

★フルーツ
ベトナムには、甘くて美味しい南国フルーツが盛りだくさん。市場に並ぶ種類も数多く、どれにしようか迷ってしまうくらいです。
ニャン(龍眼・ロンガン)
大きさ2~3cmぐらいで、薄茶色をした丸い殻の中に、半透明の白い果肉が入っています。ライチによく似た果肉は弾力があり、クセになるおいしさです。
タンロン(ドラゴンフルーツ・レッドピタヤ)
正式にはPitaya(ピタヤ)という名前。くねくねとのびる茎と、その先に付いた赤い実を龍の目に見立て、ドラゴンフルーツと呼ばれています。サボテン の一種で、果肉は白く、黒ゴマのような無数のタネが散らばっています。あっさりとした甘さにタネのプチプチとした食感がアクセント。
ミッ(ジャックフルーツ)
中には50kg以上のものもあると言われる世界最大のフルーツ。ドリアンと同じく、独特の少し腐ったような甘い香りがするので、好き嫌いが分かれやすいようですが、一度ハマルとやみつきです。野菜として調理されており、白ゴマをたっぷりと使った和え物が有名です。
私の顔より大きい
「ジャックフルーツ」
チョムチョム(ランブータン)
外見の毒々しさとうらはらに、中身は大粒のブドウのようで、甘酸っぱくクセのない爽やかな味が特徴です。
マンカウ(カスタードアップル)
その形から、日本では釈迦頭とよばれています。熟したものはその名の通り、カスタードクリームのような柔らかさと強い甘味を持っています。なかには人の頭以上の大きさがあるものも。
ヌックズア
ココナッツジュース。未熟なヤシの実をカットして、ストローを刺して飲みます。ほかには何も加えていないので、とてもナチュラルな味わいです。
(左上)「ヌックズア」
(ココナッツジュース)
(右下の赤い実)「ドラゴンフルーツ」
(右下・茶色の実) 「ロンガン」
(左・表面がゴツゴツした実)
「マンカウ」
(中央上・赤い実)
「ランプータン」


3. ベトナムの料理

★ゴイ・クン(生春巻き)
  エビ・豚肉・モヤシ・ニラ・ビーフン・香草などをライスペーパーで巻き、味噌ダレやヌクマム(小魚を塩で漬け込み発酵させて作ったしょうゆ=魚醤)をつけて食べます。
★チャー・ゾー・レ(揚げ春巻き)
  網目のライスペーパーを使った揚げ春巻きで、細かい網目の皮は、通常のものに比べてサクサクと香ばしい。中華料理の春巻きよりかなり小ぶりで、親指大くらいの大きさです。ヌクマムに浸して食べます。
★バイン・セオ(ベトナム風お好み焼き)
  米粉とココナッツミルクを混ぜてパリッと焼いた皮の中に、豚肉、エビ、モヤシなどが入っている。これを好みの香草と一緒にグリーンリーフに包んで、ヌクマムに浸して食べます。
★フォー
  ベトナムで最もポピュラーな麺類の一つで、フォーは米でできた平たい麺のこと。米麺に牛骨から取ったスープをかけ、牛肉をのせたものを「フォー・ボー」、鶏スープをかけ鶏肉をのせたものを「フォー・ガー」といいます。好みによってこれに香草やもやしを加えて食べます。
★チャオ・トム・ルイ・ミア
  すり身にしたエビをサトウキビに巻きつけて焼いたもの。野菜や香草と一緒にライスペーパーに巻いて食べます。
★ホビロン
  孵化前のアヒルの卵を茹でたもの。中からは目や毛が生えたあひるが登場。見た目はグロテスクですが、そのまったりした味はやみつきになります。おやつとして人気があり、路上の屋台などで売られています。
★バイン・フラン(カスタードプリン)
  ベトナムで最もポピュラーなデザートの一つで、牛乳の代わりに練乳を使うのが一般的。カラメルやシロップにほろ苦い深煎りコーヒーを使い、食べる際にクラッシュ氷をかけるのがベトナム式です。
★カフェ・スア
  アルミのフィルターで淹れるベトナム式コーヒー。牛乳ではなく、コンデンスミルクを用いるのが特徴で、カップの底にコンデンスミルクを入れ、その上からコーヒーを注ぎます。それをスプーンでかき混ぜて好みの濃さに調整します。


4. ベトナム料理を食べましょう

「ベン・タイン市場」
  クリーム色のコロニアル風の建物と異なり、市場の中は薄暗く、迷路のように複雑です。
衣食住に関わるすべてのものが揃っているかのごとく食料品から雑貨、衣料まで何でもそろう中央市場。特に食料品のコーナーの活気はすさまじく、「食都」 ホーチミンを象徴するかのよう。とれたての土つき野菜がうず高く積まれて、見たことのないものもたくさん。花ニラ・パクチョイ・ドクダミなどは一抱えもあ るほどに、束ねて売られています。


食材の宝庫「ベン・タイン」市場
「料理教室」
  サイゴンプリンスホテルのシェフが自ら指導してくれる料理教室。
筆者も本格的な「フォー」と「生春巻き」を実習してきました。
慣れた手つきと褒められて
(2000年当時)
「ベトナム料理と民族舞踊」
  高級ホテル「レックス」が経営するレストラン「ロイヤル・キッチン」は、おいしいベトナム料理を味わいながら、民族舞踊を鑑賞できると有名です。
とても美しい踊りと音楽。ベトナム人が音楽好きというのもうなずけます。(2000年当時)


5. ベトナ料理を作りましょう!!(伊藤華づ枝のオリジナルレシピ)

 ベトナム生春巻き

■材料 4本分
ライスペーパー 8枚
玉レタス 70g
にんじん 50g
(A)
2コ
少々
鶏むね肉 150g
ひとつまみ
大さじ1
大さじ3
ビーフン(乾) 40g
エビ 8尾
青じその葉 4枚
ミント(大葉) 16枚
(B)  
ポン酢しょうゆ 大さじ3
ねりごま 大さじ1
ピーナッツ 適宜

■作り方
1. レタスは小さめにちぎって水けをふきます。
2. にんじんはせん切りにしてごく軽くゆでます。
3. (A)で錦糸卵を作ります。
4. むね肉をうすく開いて塩と酒をふり、鍋に分量の水を入れて中弱火で蒸し煮し、手でさきます。
5. ビーフンは熱湯で戻します。
6. エビは殻つきのままゆでて水にとり、殻をむきます。
7. ライスペーパーを熱湯につけてしとらせ、同じ模様の方向に2枚ずらして並べます。
8. 7の上に具をのせて、まず両サイドを折りたたみ、きっちりと巻きます。
9. 8を斜め半分に切り、(B)を混ぜたソースに刻んだピーナッツを混ぜて召し上がります。

 フォー・ガー(鶏肉入りベトナムうどん)

■材料(分量:2人分)
鶏むね肉(200~250g) 1枚
800ml
(A)  
八角(あれば) 1コ
白ねぎ 7cm×2本
しょうが 2かけ
乾燥フォー
(または稲庭うどん)
200g
もやし 100g
紫玉ねぎ 1/4コ
香菜(コリアンダー) 適宜
ハーブ
(ミント・バジル・万能ねぎなど)
適宜
ライム 1/8コ
<スープ・1人分>  
(B)  
鶏のゆで汁 200ml
小さじ1/5
ニョクマム 大さじ1
黒こしょう 少々
輪切り赤唐辛子 少々

■作り方
1. 鶏肉は身の厚い部分に切れ目を入れて開いておきます。鍋に分量の水を入れて煮立て、(A)を加えてから鶏肉を中弱火で10~12分間ゆで、スープをとります。
2. 1の鶏肉は水にとって芯まで冷やし、手で太めに裂きます。
3. もやしは熱湯に入れ、一煮立ちしてからザルに上げ、水にとります。紫玉ねぎは薄切りにして水に晒します。
4. フォーは袋の表示通りにゆでます。
5. 器を用意し(B)を入れ、スープを1人分ずつ作ります。それぞれの器に4のフォー、もやし、紫玉ねぎ、香菜、ハーブをのせます。
6. お好みでライムを絞って召し上がります。
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