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インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

家庭で楽しむ世界の料理~世界を食する~

栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰・食育伝道師・管理栄養士
テーブルコーディネーター
伊藤 華づ枝

ロシアの旅

みなさまは世界の料理をいくつご存知ですか?
今回は、私が世界を旅して食した本場の料理をみなさまにお届けします。
さぁ、ご一緒に世界のごはんを食べに行きましょう。

第4回目は、ロシアの旅です。
ロシアの料理、食文化についてご紹介します。


1.ロシア連邦

面積: 1,707万5,400km2(日本の面積の約54.7倍の広さ)
※地球の陸地の 1/6を占め、東西で半周してしまう広大な国
人口: 約1億4,820万人
首都: モスクワ
宗教: ロシア正教が最も優勢であるが、多民族国家を反映してイスラム教、仏教、ユダヤ教等多数の宗教が混在。
言語: 公用語はロシア語、他に各民族語


聖ワシリー聖堂の前で

エカテリーナ宮殿
サンクトペテルブルク郊外の避暑地ツァールスコエ・セローに存在するロシア帝国の宮殿。女帝エカテリーナ2世の夏の離宮です。別名「夏の宮殿」とも呼ばれており、同じくサンクトペテルブルク郊外に「冬宮殿」もあります。

エカテリーナ宮殿
宮殿の玄関・階段横の壁には伊万里焼の壷が置かれていて、東洋との親交がうかがえます。

2.ロシアの食文化 ~ロシア料理の特徴は「簡単」さです~

ロシアの食事情
ソビエト時代には、欲しいものがなかなか手に入らないこともありましたが、現在は街にたくさんの品物が出回っています。

ロシアの市場など

★ルィノク 市場のこと。屋内と屋外があり、常設と特設のものがあります。 様々な食材が手に入ります。
★キオスク 街の通り沿いにある売店で、狭い場所に食料品から飲料水、日用品まで何でも 売っている便利なお店。
★スーパーマーケット 日本のデパ地下も負けてしまう程の惣菜・サラダ・ケーキ・焼きたてパンなどが山積みに並べられています。

食卓に"スープ"は欠かせません!
  "シチ(キャベツスープ)のためなら人は結婚する"
  "シチとカーシャ(麦のおかゆ)があれば満ち足りた食事"

この言葉はロシアの有名なことわざで、当時の食卓の"質素さ"を表しています。
昔はロシア庶民にとって、スープこそが食事の中心であり、スープには「スプーンが立つくらい」具がたくさん入っていなければなりませんでした。

"シチ"という
キャベツのスープ

ロシア庶民の食生活スタイル
基本的にロシアでは昼食が正餐で、夕食にスープはでません。これは昔、電気がなかったころからの習慣で、他国ではとっくに夕食が正餐となった今でも、ロシアでは相変わらず重い昼食をとります。
何かのお祝い事がなければ、レストランで食事をすることはありません。「家庭でもてなしあう」のが基本です。

3.ロシアの味のポイント

スメタナ(サワークリーム)
生クリームを発酵させたもの。ロシア料理の味のポイントでボルシチに入れたり、パンケーキ「ブリヌィ」に塗ってオードブルとしたり、デザートのフルーツに塗ったり・・まさに万能クリームです。
マイヤネース
マヨネーズ。比較的新しい調味料です。
トゥヴァローク
カッテージチーズ
ソーリ
岩塩
スヴョークラ(ビーツ(砂糖大根))
カブや大根の仲間。ロシアの代表的スープ・ボルシチに欠かせない食材です。 甘酸っぱい味が特徴で、世界の砂糖の40%がビーツから作られています。
ハーブ類
ウクローブ(ディル)・ペトゥルーシカ(イタリアンパセリ)・ゼリョ-ヌィーク(万能ネギ)
とても新鮮なチーズ類 ビーツ(砂糖大根) 摘みたてのハーブ類

4.代表的なロシア料理

ロシア料理にはキノコ料理や魚料理が多く、様々な食材、穀物、野菜をよく利用することと、かつてはペチカを利用してじっくり煮込む料理が多かったことが特徴です。

ザクースカ(前菜)・・"ちょっとつまむもの"という意味

*キャビア *キノコの塩漬け *発酵キャベツ 
*ニシンのマリネ *そばのカーシャ 
*ジャガイモサラダ

グルジア料理店で食べた
"きのこのマリネ"

パン生地料理

*ライ麦パン *ブリヌィー(パンケーキ)

ピロシキ
庶民の味として生まれ、後には貴族も食べるようになった小麦の皮に詰め物をしてオーブンで焼いたパンです。中身はキャベツ、キノコ、肉の炒め物、マッシュポテト、ご飯とネギを混ぜたもの、ジャム、リンゴを甘く煮たものなど様々です。

ピロシキ屋さん

スープ

*シチ *ソリャンカ *ウハー

ボルシチ
厳密に言えばウクライナ料理で、地方や家庭によって材料や作り方は様々です。 もともと家庭にある手持ちの野菜を材料とし、これに牛肉などを入れて煮込んだスープです。独特の赤い色と甘味が特徴のビーツ(砂糖大根)をいれ、サワーク リームを落とすのが特徴で、これはどの地方においても同様です。 酸味の効いたボリュームたっぷりのスープです。

ボルシチ

肉料理


古くからある肉料理の中で、ロシアの特徴的な調理法として、壷の中で蒸し焼きにするものがあります。
それらの料理は「ジャルコエ(蒸し焼き)」「壷入りの~」と呼ばれています。

キエフ風カツレツ
鶏手羽の骨を一本残した肉でバターを包み、パン粉の衣をつけてディープフライにしたものです。淡白なささみ肉に天然のソースともいわれるバターが染み込み、さっくりとした衣が軽い歯ざわりです。
キエフ風カツレツ
ビーフストロガノフ
日本では多くの場合、デミグラスソースかトマトソースをベースにするため茶色ですが、ロシアではスメタナ(サワークリーム)で作るため、一般的には白色をしています。
ビーフストロガノフ
シャシリク
ロシアのバーベキューです。もともとは19世紀後半にグルジアから伝わったものです。地方によって異なった肉を焼きますが、一般的には豚肉を多く使います。
シャシリク

魚料理

伝統的なロシア料理の場合、材料のほとんどは淡水魚です。
最もロシア風の調理法は、オーブンで蒸し焼きにしたもので「モスクワ風」とか「ロシア風」と呼ばれます。
*(チョウザメ・スダーク・サケ・マス・コイ・レシチなど)


デザ-ト

ロシアは乳製品が大変美味しく、とくにアイスクリームはロシア人の大好物で、冬でも街中でアイスクリームを売っているおばさんを見かけます。

はちみつをいっぱいかけた
アイスクリーム

飲み物
クヴァーズ
発泡性果実飲料。ロシアの代表的な夏の飲みのものです。 ライ麦や大麦に黒パンを加えて発酵させて作ります。
クヴァーズ
ロシア紅茶
紅茶を飲みながらジャムをなめるのがロシア式です。
ロシア紅茶

5.ロシア料理を作りましょう!! (伊藤華づ枝のオリジナルレシピから)

ボルシチ(うっそうとしたスープという意味)
材料 分量:
4~6人分
豚肩ロース肉(塊) 300g
2,000ml
(10カップ)
じゃがいも 1コ(150g)
キャベツ 100g
玉ねぎ 1コ(250g)
にんじん 1本(200g)
オリーブ油 大さじ1
トマト 1コ(200g)
ディル(軸) 4本分
パセリ(軸) 4本分
にんにく
(みじん切り)
小さじ3
A トマトケチャップ 大さじ1
小さじ2・1/2
こしょう 少々
ナツメグ 少々
ローリエ 1枚
ビーツ(缶詰) 1缶

<作り方>
1 鍋に分量の水を入れて火にかけ、沸騰したら豚肩ロース肉を静かに入れます。再び沸騰したら火を弱くして、アクをとりながら50~60分間煮ます。
2 (1)に火が通ったら肉を水にとり、粗熱が取れたら7~8ミリ角の棒状に切ります。(ゆで汁は残しておきます)
3 じゃがいもはいちょう切り、キャベツは粗く千切りにします。
4 (2)のゆで汁1200ml(6カップ)に(3)を加えて煮ます。(ゆで汁が足りない時は、水を足します)
5 玉ねぎとにんじんは、粗めの千切りにし、フライパンにオリーブ油を熱して5分間程度炒めます。
6 トマトは縦半分に切って薄切りにし、ディルとパセリの軸は粗切りにして、(5)に加えて炒めます。
7 (6)を(4)に入れて、みじん切りにしたにんにくと(2)、(A)を加えて10分間程度煮ます。
8 ビーツは7~8ミリ角の棒状に切り、ビーツの汁200ml(1カップ)と共に(7)に加えて仕上げます。

ピロシキ
材料 分量:8コ分
パン生地
強力粉 150g
ドライイースト 小さじ1
砂糖 小さじ2
小さじ1/4
溶き卵 大さじ1
牛乳 約90ml
(人肌に温める)
バター 10g
(室温に戻しておく)
ナチーンカ(中身)
バター 20g
玉ねぎ
(みじん切り)
1/4コ(70g)
にんじん
(みじん切り)
30g
合いびき肉 200g弱
カレー粉 小さじ1
ゆで卵
(粗くみじん切り)
2コ
春雨(乾) 5g
小さじ1/3強
こしょう 少々
デミグラスソース 大さじ2
小麦粉 大さじ2

<作り方>
1 ボールに強力粉、ドライイースト、砂糖、塩、溶き卵、牛乳、バターを入れ、生地がなめらかになるまで練ります。ボールにラップをして温かい所で30分間位休ませます。
2 フライパンにバターを入れ、みじん切りにした玉ねぎとにんじんを炒め、ひき肉を加えて更に炒めます。
3 (2)にカレー粉、粗くみじん切りしたゆで卵、ぬるま湯で柔らかく戻した春雨、塩、こしょう、デミグラスソース、小麦粉を加えて混ぜ合わせて、8等分にして冷まします。
4 (1)を押さえてガス抜きし、8等分して丸めます。ふきんをかけて10分間程度生地を休ませます。
5 (4)をだ円形にのばし、(3)を包んで半月型にしっかりとじます。ふきんをかけて温かいところで15分間位休ませます。
6 160度位に熱した油できつね色に揚げます。


~参考文献~
食生活全般論 著者:伊藤華づ枝
ロシア料理 著者:萩野恭子
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