文化講座
レモングラス ~ 鮮烈なレモンの香りをもつ夏草
○ ● ○
夏の日差しの中で、強く育つレモングラスの香りは精油にすると鮮烈なレモンのような香りを放ち、本来の姿を現すようです。レモングラスのそのままを太陽の日に当ててすっかり乾燥させてハーブティにするときは、蒸らし時間を長めにするとその甘さが際立ちます。南の国のスープ料理には欠かせないレモングラスは、虫除けにもなるハーブです。
今回は、元気をくれるレモングラスのお話をしましょう。
○ ● ○
レモングラス Lemongrass | ||
学 名 主要な産地 科名 種類 抽出部位 抽出方法 主要成分 |
Cymbopogon citratus(西インド型) Cymbopogon flexosus(東インド型) インド、ブラジル、西インド諸島、スリランカなど イネ科 多年草 葉 水蒸気蒸留法 西インド型/シトラール、ミルセン、メチルヘプテノン 東インド型/シトラール、メチルヘプテノン、ネロール、ゲラニオール |
インドが原産のレモングラスは、油分を含んだ草のようなレモン様の香りをもちます。
精油にするとその香りは鮮烈で、精神的に疲れきったときや、フラストレーションが溜まりすぎたときに、こころに平穏と癒しを与えてくれます。南国の開放的な香りのイメージは、マッサージオイルにするとそのよさがよくわかります。イランイランにレモングラス、ジャスミン、ゼラニウム、サンダルウッド。これらをブレンドしたマッサージオイルは、疲れきったこころを開放すること間違いなしでしょう。
南の国の夕日とあたたかで包み込むような風に包まれて、地球のやさしさに身を委ねてしまう・・・そんな心地にしてくれるレモングラスは、身体にとっては、浮腫みをとる効果と筋肉疲労をとる効果が期待されます。
また、運動不足によって引き起こしてしまう脚の重だるさにも効果的です。
レモングラスはまた、蚊やぶよなどの虫除けとしても効果的で虫除けのためのアロマキャンドルアロマポットでの芳香浴は、シトロネラとあわせてより効果的です。
ハーブティとしてのレモングラスは、胃腸が不活発になった時に助けになってくれますから、食べすぎや胃もたれが気になる食後のハーブティとしていかがでしょうか。ハイビスカスやローズヒップ、レモンバームとあわせてみてはいかがでしょう。
○ ● ○
実習 レモングラスの虫除けキャンドル
レモングラスの精油で虫除けのキャンドルをつくってみましょう。人間にはやさしく、蚊やぶよを避けるキャンドルです。キャンドルの灯りでリラックスしながら虫除けをして、夏の夜長を楽しみましょう。

材料 レモングラス精油 シトロネラ精油 ゼラニウム精油 パウダーキャンドルベース 紙コップ (やや小さめのもの) キャンドル芯 |
![]() |
10滴 10滴 10滴 60g 1個 紙コップの高さより少し長めのもの1本 |

作り方
1)パウダーキャンドルベース60gをエッセンシャルオイルウオーマーか湯煎で溶かします。
※キャンドルは無香料の白いろうそくを削って溶かしてもよいでしょう。
2)1が溶けたら紙コップに注ぎ、レモングラスとシトロネラ、ゼラニウムの精油をいれてよく混ぜます。
3)2がやや冷めて白くなりかけたらキャンドル芯をたてます。上手く経たないときは割り箸などを、紙コップの口の部分に横に渡してささえておくと倒れにくいので作りやすくなります。
4)3が固まったら紙コップを剥いてできあがりです。
ポイント
キャンドルに色を付けたいときは、クレヨンを削って溶けて熱いキャンドル素地に入れてよく混ぜます。クレヨンで色をつけた部分は香りがつきにくくなるので、キャンドルを2回に分けて紙コップに流しいれます。1回目はクレヨンで色付けしたものを、2回目の表層部にあたるところは精油をいれたものにします。クレヨンで色付けした部分が固まる前に芯をたて、クレヨンで色づけした部分が固まったら次のキャンドル素地を流しいれます。そこに精油をいれて固まったら紙コップを剥いてできあがりです。
ガラスの容器などに注いで作る場合は、口の部分が直径が8cm以上あるものにしましょう。
環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス http://www.lavozou.com/index.html