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インターネット公開文化講座

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12種類の精油・期待される香りの効能と使い方

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

本当の薫香と呼ばれる香り ~フランキンセンス

  

日本からはとても遠いソマリアの地にその樹は良く育ち古い時代から大切にされてきた樹脂でした。
古代エジプトも古代ローマもアラビアの国々も、金色に光る小さな樹脂のひとかけらをとても大切にしていました。
その樹脂を焚くと不安や緊張、強迫観念をとりさり、その樹脂を油につけると美しく健康になることのできる香油ができました。

古代エジプトの王はこの香りを神に捧げました。
古代ローマの王はこの香油とクレイをあわせていつまでも美しくあるようにと美容用のパックとして使いました。
シバの女王は、ソロモン王にこれを贈ってそのこころをあらわしました。

2000年前、ベツレヘムの馬小屋で生まれたみどり子は、星に導かれて東方からやってきた3人の賢者から3つの宝物を贈られました。
ひとつは、黄金。現世の王をあらわしていました。
ひとつはミルラという樹脂。医師をあらわしていました。
もうひとつ、フランキンセンス。
フランキンセンス=本当の薫香という意味を持つその樹脂は、神をあらわしたそうです。
イエス=キリストが馬小屋で生まれた時のお話です。
クリスマスの香りというと、実はこのフランキンセンスとミルラをあらわすのかもしれません。

今回は、歴史をみてきた黄金の樹脂=フランキンセンスについてお話しましょう。

フランキンセンス(Boswellia carterii / Boswelliathurifera)は、和名を乳香、別名をオリバナムといいます。どこか柑橘系のけれど深い独特の樹脂の香りを持ちます。

  

フランキンセンス
英語名 
学 名 
科 名 
抽出方法 
抽出部位 
成分の一例 
ノート 
Frankincense(Olibanum)
Boswellia carterii / Boswellia thurifera
カンラン科
水蒸気蒸留法
樹脂
α-ピネン、リモネン、p-シメン、ボルネオール
ベースノート

フランキンセンスは、カンラン科の植物で、アフリカ北東部および紅海地方原産の低木です。樹皮に切れ込みを入れて樹脂を採取します。中世ヨーロッパの「バンクスの薬草誌」や医学文献に、フランキンセンスは、熱・乾性であり、体の不調を好転させ、身体を丈夫にする力があり、しっかりとさせ結合させる力があるとあります。具体的には、歯痛・鼻孔の痛み・妊娠中にもよいなどの記述として書かれており、処方としては、「鼻炎に対する用い方としてフランキンセンスの丸薬をつくり、朝は内服をし、夜はフランキンセンスをワインに入れて煮出し、就寝前に内服」。「子宮の浄化をし、受胎を促す効果がある」とのくだりもあります。
フランキンセンスとは、本当の薫香、質の高い薫香を意味します。
深い呼吸をもたらし不安や緊張を解きほぐすフランキンセンスは、就寝前の芳香浴としては深い眠りをもたらし、包み込まれるような安心感を与えてくれるでしょう。

たとえば、ベルガモットと一緒に芳香浴をすると緊張を解きほぐし、一日の疲れをすっきりと取り去り、思い煩いから開放してくれることでしょう。

たとえば、スウィートマジョラムと一緒に芳香浴をすると肺や気管支の炎症や不調、喘息や気管支炎などで辛いときに、それを緩和し改善する助けとなるでしょう。

また、沐浴としても、その加温性により冬場の入浴にはとても効果的です。夏場はクーラーなどにより夏ばてをしてしまったときにもよいでしょう。

キャンドルをつくってみてもよいですね。
深い瞑想と安らぎを与えてくれるキャンドルができることでしょう。
今回は天然素材だけをつかったちょっと贅沢なキャンドルをご紹介しましょう。

◆ フランキンセンスとミツロウのキャンドル ◆

【材料】
  ホホバオイル(未精製/低温圧搾/無添加) 20mL  
  ミツロウ 20g  
  フランキンセンス精油 7滴  
  ミルラ精油 7滴  
  紙コップ(中くらいのもの) 1個  
  ウォーマー 1個  
  ティーライトキャンドル 1個  
  キャンドル芯 5cmくらい 1本  
  割り箸 1膳  

【作り方】
  ① ホホバオイルとミツロウをウォーマーにいれてティーライトキャンドルで溶かします。
② ①が溶けたら火からおろし、紙コップに注ぎ込みます。
③ ②に、フランキンセンスとミルラの精油を7滴づついれます。
④ ③を割り箸などでよく混ぜます。
⑤ キャンドルが固まるまで割り箸で、キャンドル芯を固定します。
⑥ ⑤が固まったら紙コップを剥いてできあがりです。

環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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