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12種類の精油・期待される香りの効能と使い方

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

南十字星の湖沼の薬箱~ティートリー

  

オーストラリアの湖沼の土手にそよぐその低木の細い葉は、すがすがしく凛とした香りをあたり一面にたなびかせ、 地球がずっと元気であるようにと南十字星に願いをかける。

日々の慌しさを解きほぐし、こころに澄んだ平安を与え、きりきりと行き先絶ったこころの不安を癒す南の大陸のナイチンゲール。

メラレウカ アルテルニフォリア=ティートリーと呼ばれるその木は、太古の昔から数多くの奇跡を人々にもたらしてきました。

今回は、このすがすがしい香りの持ち主『ティートリー』の精油についてお話しましょう。

ティートリーの精油は、オーストラリアのニューサウスウェールズ産とニュージーランド(一部の地域)産の木の葉から抽出されます。
ティートリー(Melaleuca alternifolia)は、ギンバイ科(フトモモ科)に属しており、耐寒性と病気耐性が非常に優れています。ニューサウスウェールズの原住民は、木の葉を何世紀もの間医薬品として用いてきました。
ティートリーという英語名は、18世紀、イギリス人海軍士官のキャプテン・クックと呼ばれた  ジェーム・クックと船の乗組員が、この葉でお茶をつくったことに由来しているとされています。

何千年も前からその効能を大切にされ、大航海時代を過ぎてもなお、ヨーロッパ人たちに受け継がれたその木の葉の効能は、20世紀にはいってもなお精油として多くの奇跡をわたしたちに与えてくれます。

アロマテラピストにとって、ティートリー精油は真正ラベンダーと並び非常に貴重なオイルです。
優れた殺菌作用を有し、簡便かつ安全に多くの一般的な疾患を処置することができます。
使用方法も簡単で、広範な救急処置にも適しており、家庭の薬箱や旅行キットに加えるものとしても貴重な存在です。
ティートリー精油は過去数十年にわたって、詳細な化学的検討の対象にされたこともあり、従来の合成薬品に換えてティートリー油を成分とする製剤が、より多くの正統医学の療法家によって、医療現場でも使用されるようになりました。

ティートリー油は、正統医学と代替医療、補完的療法のどれにおいても効果を発揮することが実感されている精油のひとつです。

  

ティートリー
英語名 
学 名 
科 名 
抽出方法 
抽出部位 
成分の一例

ノート 
Tea Tree
Melaleuca alternifolia
フトモモ科
水蒸気蒸留法

テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、
1.8-シネオール
トップノート

殺菌・抗菌(ウィルス・細菌・真菌)作用・化膿止め・免疫力の向上・消毒作用・感染症に対する効果、精神的な落ち込みに効果を発揮するティートリー精油は、多くのケアに使うことのできる精油です。
花粉症の季節にマスクや就寝時の枕元に1~2滴たらしたり、ふきでものやにきび、口内炎や虫刺されには、常備用軟膏にして使います。(下記の作り方を参照)
また、消臭作用や殺菌作用も高く、部屋の掃除のとき、バケツの水に2~3滴たらして雑巾がけをしたり、洗濯や台所の除菌に重曹と一緒に用いたりします。
精神的なケアとしては、ショックを受けたときにリフレッシュさせてくれる効果と、精神的な落ち込みによる免疫力の低下に、芳香浴や吸入で用いたりします。
*芳香浴とは、空気中に香りを漂わせる方法で、アロマライトやアロマポットなどの芳香拡散器や、ハンカチやティッシュに数滴たらして身の回りにおいて、香りを効果的に用います。
*吸入とは、ハンカチやティッシュなどに数滴たらして、直接鼻元にもってきて香りの効果を楽しむ方法です。
マスクやハンカチ、ティッシュを口や鼻などの近くで使用するときは、直接肌に触れないようにして用います。
原液を使用することのできるMelaleuca alternifolia(ティートリー精油)ですが、安定剤や防腐剤、安価な抽出方法で作られたものもありますので、使用するときはショップや学校でよく聴いてから選びましょう。

数多くの効能を持つティートリーの使い方の一例をご紹介しましょう。

  

◆ 常備用軟膏 ◆

【材料】
  ホホバオイル(未精製/低温圧搾/無添加) 10mL
  ミツロウ 1~2g
  ティートリー精油(Melaleuca alternifolia) 2滴
  ラベンダー精油(Lavandula angustifolia) 2滴
  アロマテラピー用のクリーム容器(15ml) 1本
  ステンレスウォーマー 1個
  ティーライトキャンドル 1個
  ガラス棒 1本

【作り方】
  ① ホホバオイルとミツロウをステンレスウォーマーにいれてティーライトキャンドルで溶かします。
② ①が溶けたら火からおろし、クリーム容器に注ぎ込みます。
③ ②が少し冷めてきたら、ティートリーとラベンダーの精油を2滴づついれます。
④ ③をガラス棒でよく混ぜてできあがりです。

【使い方】
  ふきでものやにきび、切り傷、火傷、乾燥、炎症など様々なトラブルに用いることができるアロマテラピーの王道のような軟膏です。
普段は、カサカサのほっぺや唇はもちろん、かかとやひじ、ひざにも使える常備用軟膏です。

* どんな植物や自然素材でもアレルギーが起きることがありますので、気になる方は作成した軟膏を前腕部内側に少しだけ塗布して、1~2日しても痒みや炎症などが起こらなければ使うようにします。
【使用期限】
  防腐剤など安定剤や添加物をいれないため、はやめの使いきりをおすすめします。
少なくとも3ヶ月以内には使い切りましょう。

環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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