文化講座
カモミール~母のような愛と可憐な乙女の心を持つ野辺の花
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小さな月のようなふわふわを白い花びらが囲うやさしい野の花はカモミール。
母のような愛で複雑なストレスを和らげて優しくあたためてくれるよう。
時にはリンゴのような香りが可憐な乙女の揺らぐこころをなだめてくれます。
カモミールローマンは、Anthemis nobilis。ノビリスは英語にするとnoble(高貴な、崇高なの意)を持ちます。
カモミールジャーマンは、Matricaria chamomilla。マトリカリアは英語にするとmatrix(母体、生み出すものの意)を持ちます。
可憐な少女のこころと母の深い愛、あなたはどちらのカモミールが好きですか?
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白い小さな花を咲かせるキク科のカモミールは、女性を包み込む可憐な薬剤師のようです。 |
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ジャーマンはカモミールティーとして人気なのですが、精油にすると濃厚で高価な青い色を呈するカモミール精油になります。これは、薬効性が知られているカマズレンの色です。カマズレンは炎症を抑える働きが知られているため胃腸の疝痛やアレルギー性皮膚炎の痒み、耳や歯の痛み、生理痛などを和らげるために用いられます。このカマズレンは、精油を抽出するときに変性するマトリシンという成分が由来です。ハーブティは、このマトリシンを含みます。マトリシンも抗炎症作用が期待される成分ですから、カモミールジャーマンのハーブティも痛みを軽減するために使用されることがあります。
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カモミールローマン | |||
学 名 科 名 抽出方法 抽出部位 産地の一例 主要成分 特徴 |
Anthemis nobilis キク科 水蒸気蒸留法 花 ドイツ、フランス、モロッコ、南アフリカ、イギリス、 アンゲリカ酸エステル類、カマズレン 一年草。複雑なストレスや月経前緊張症などの精神面での緩和ケアとして用いられる。不安や緊張、怒り、恐怖の念を和らげる効果が期待される。加温性の高い精油である。りんごのような甘さと凛とした主張のある甘さも持ち合わせる。カマズレンを多く含むため、炎症を抑える効果も期待される。 |
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カモミールジャーマン | |||
学 名 科 名 抽出方法 抽出部位 産地の一例 主要成分 特徴 |
Matricaria chamomilla キク科 水蒸気蒸留法 花 ドイツ、フランス、モロッコ、ハンガリー、エジプト カマズレン、ビサボロール誘導体、ビサボレン誘導体、 多年草。ハーブティとて用いられるのはこのカモミールジャーマン。主に炎症を抑えるためにアトピーやアレルギーに用いる。抗アレルギー作用が特徴。 |
そんなカモミールのローマンを使ったアロマテラピーのレシピをご紹介します。
こころやわらか、炎症を抑えるカモミールローマンのリップクリーム
【材料】 | ![]() |
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ミツロウ | 1~2g | ||
ゴールデンホホバオイル (常温圧搾未精製ホホバオイル) |
5~6mL | ||
リップクリーム容器 | 1本 | ||
エッセンシャルオイルウォーマー | 1台 | ||
精油 カモミールローマン | 1滴 |
【作り方】 | |
1. | ミツロウとゴールデンホホバオイルをあわせて エッセンシャルオイルウォーマーで温めて溶かします。ウォーマーがなければ湯煎します。 |
2. | 1が溶けたらカモミールローマンの精油を①に入れてリップクリーム容器などに注ぎ込みます。 |
3. | 2が冷えて固まったら出来上がりです。 使いきり期限は約3ヶ月としましょう。 |
できあがったリップクリームは3ヶ月以内に使い切りましょう。
環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス http://www.lavozou.com/index.html