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12種類の精油・期待される香りの効能と使い方

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

こころふんわり陽だまりの香り~オレンジスウィート

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懐かしい陽だまりのような甘ずっぱい香りほっとする香り やさしい香り ふんわりおいしいあまーい香りこのオレンジ、歴史から見るとただの甘くておいしい香りの果物ではないようです。
トロイア戦争では、アフロディーテの手にある『黄金のリンゴ』として十字軍の遠征で、アラブからヨーロッパへ戦利品として伝えられ人種の坩堝へと移るニューヨークのその時代、ニューオレンジと呼ばれたことがありました。

カリフォルニアやイスラエル、南米の温暖な気候の中で育つオレンジは、人類の歴史の渦を陽だまりの中に置き去りにして、その本当の名さえ忘れてしまいそう。
オレンジスウィート、その学名は、Citrus sinensis、その学名の意味は、中国が原産であることを示します。
暖かな陽だまりに、すべてを溶かして癒してくれるオレンジの香りです。

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みかん(Citrus unshiu)の香りに慣れ親しんだ日本人なら誰でも、安心感をもって嗅ぐことができるオレンジスウィートの香りです。

オレンジスウィート
英語名 Orange
学 名 Citus sinensis
科 名 ミカン科
抽出方法 圧搾法
抽出部位 果皮
ノート  トップノート

オレンジスウィートは、甘くフレッシュな香りで、みかん(Citrus unshiu)に慣れた日本人には安心感のある温かみのある柑橘系特有の香りです。
考え方が暗くなったり、抑うつ的な気分になったときに、心に小さな陽光を広げ、建設的なものの見方をさせてくれます。
また気分を明るくよみがえらせてくれ、神経質で食欲のない状態を改善させてくれます。
オレンジスウィートをはじめとするミカン科の果皮の精油(エッセンシャルオイル)は、どれも「リモネン」と呼ばれる成分を主要に含みます。
「リモネン」はテルペン類と呼ばれるグループに所属し精油の中では時折見受けられる成分で、消化を促す作用、胃腸の不調や食欲不振を改善する作用があります。
同時に、抗菌、殺菌作用も期待されます。
「リモネン」を多く含む精油はオレンジスウィート以外に、レモンやグレープフルーツ、ベルガモットなどがありますが、ミカン科の果皮から採られる精油以外にも多く含まれます。
たとえばネロリ(オレンジの花)やプチグレン(オレンジの葉)、フランキンセンス、ブラックペパーなどにも多く含まれます。

オレンジスウィートは果皮から精油を採りますが、これはスウィートオレンジと俗称いわれる種類(Citrusu sinensis)から精取されます。
オレンジの花やオレンジの葉は、ビターオレンジと呼ばれる種類(Citrus aurantium)から精取されます。
柑橘系の果皮は熱に弱いため、熱をかけない抽出法である圧搾法を用いて精油を採ります。

圧搾法
ローラーや遠心分離機で精油を抽出するのですが、これは他の方法で精取する場合に比べて、分子の大きな成分やワックス成分なども一緒に採れます。そのため酸素とも結びつきやすく酸化が他の採取法よりも早いため、早めに使い切ります。
新鮮でフレッシュな香りがぱっとたつと酸化してない状態ですが、もったりとした香りになりやわらかい香りだと勘違いするような場合は、酸化が進んでいるとみなしてもよいでしょう。

オレンジスウィートはベンゾイン(安息香)やローズウッド(紫檀)と相性がよく、
ハンドクリームやボディクリームのブレンドにとても人気です。

オレンジのお菓子の香りのハンドクリーム

オレンジスウィートとベンゾインで甘い甘い香りのハンドクリームをつくってみましょう。

【材料】
  ミツロウ(ミツバチの巣から分泌されたロウワックス) 2g
  未精製ホホバオイル(ツゲ科の植物で植物性液体ロウ) 10mL
  オレンジスウィート精油(Ciitrus sinensis) 4滴
  ベンゾイン精油(Styrax benzoin) 1滴
  15mLクリーム容器(アロマテラピー用) 1個
  ウォーマー 1台
  ティーライトキャンドル 1個
  ガラス棒 1本

ウォーマーはLazouで315円でお分けしています。
ウォーマーがない場合は、湯煎でミツロウを溶かします。
60℃強でミツロウは溶けます。
直火には駆けないで溶かしましょう(とても危険です)
(写真中央がウォーマー、写真下で火がついているものが、ティーライトキャンドルです。)
【作り方】
  ① ミツロウと未精製ホホバオイルをウオーマーで溶かします。
  ② ①が溶けたらクリーム容器に注ぎ込みます。
  ③ ②がやや固まりかけたらオレンジスウィートと
  ベンゾインの精油を入れてガラス棒でよく混ぜて出来上がり!
【使用期限】
  防腐剤など安定剤や添加物をいれないため、はやめの使いきりをおすすめします。
少なくとも3ヶ月以内にはつかいきりましょう。
オレンジスウィート(Citrus sinensis)は、柑橘系の果皮の精油に含まれるベルガプテンなどの*光毒性をほとんど含まないため、紫外線などの光による刺激をほとんど受けない精油です。

* 光毒性とは、太陽の紫外線などによる光刺激を受けると皮膚が日焼け、火傷のような状態になる毒性をいいます。光毒性がある成分として知られるものにベルガプテン(5-メトキシソラーレン)があり、このベルガプテンを含む精油の代表的なものには、ベルガモット、レモン、グレープフルーツなどがあります。
ベルガプテンは耐性が高く、長い間皮膚に残るため、オイルや軟膏、クリームや化粧水などに希釈し、塗布した状態で強い紫外線や光に当たることをさけます。ただし、適量を洗い流すものなどにいれて使用する場合は問題がないこともありますので、安易に敬遠する必要はありません。
光毒性が強い精油にはアンジェリカ、トンカビーンズがあります。

オレンジスウィート あらかると

オレンジスウィートをハンカチに数滴たらして胸のポケットなどにいれて持っていくと 体温であたたまって、ふんわり香り気持ちが緩みますので、ひとと接することが苦手、 楽しくない・・・などと思うこころのストレスを軽減してくれます。
オレンジスウィートは髪につやをあたえてくれるワックス成分を含みます。 無香料・無着色のシャンプーやリンスにいれると、髪も気持ちもハッピーになります。
オレンジスウィートは加温性(こころも体も温めるタイプの精油)といわれます。 オレンジスウィートとフランキンセンス(乳香)をあわせてアロマポットなどで 香らせるとクリスマスの頃の季節にピッタリの室内芳香になります。 加温性の精油には、オレンジスウィート、フランキンセンス、ベンゾイン、ジャスミンなどがあります。

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環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html



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