文化講座
ざぶとん
私達の生活が洋風化され、腰かけることが多く、座ることは苦手という人がふえてきました。訪問先で和室に案内されたときに、とまどうことのないよう、ざぶとんについての知識を高めましょう。
前後、表裏
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ざぶとんを用意するときは、必ず前後、表裏を確認します。 三箇所が縫ってあり、一箇所が縫ってなく輪になっています。座る人の膝前にその輪がくるようにして、前後を決めます。この様にしますと、ざぶとんは少し縦長になります。なお、細かいことですが、きせ(縫代が折り返してある)のかかっている方が表になります。 ![]() |
ざぶとんの模様に上下があるときは、輪を前にして模様が正しい向きになるようにします。輪を前にして模様の上下が逆になるときは、裏返しますと正しい位置になります。 |
【前】 | 【前】 | |
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【誤】 | 【正】 |
座る、おりる
大切なことは、勝手にざぶとんを移動させない、踏まない、膝で歩かないことです。
「ここへお座り下さい」と用意してあるざぶとんを、好きな位置に勝手に動かしてはいけません。ざぶとんの上を歩いたり、膝で歩くことも避けるようにします。
丁寧な方法は、ざぶとんの後や横に座ってざぶとんに手をつき、にじって上ったり、おりたりします。
【簡単な座り方】 | ||
(1) | (2) | |
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(3) | ||
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簡単な方法は、足先がざぶとんに触れる位の所に立ち、膝をざぶとんの上に乗せ、両手をついてにじり上ります。おりるときは、両手をつきひと膝後へさがりますと、足先がざぶとんより出ます。そこで立ち上がればざぶとんを踏むことはありません。
座っていたざぶとんを裏返したり、横の方へ寄せたりしないで、そのままにしておきます。
挨拶
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丁寧な挨拶は、ざぶとんに座ったままではしません。畳に 座って挨拶をします。お互いに挨拶を交わしたあと、「どうぞ、おざぶとんお当て下さい」とすすめられて初めて座ります。帰る際もざぶとんからおりて、帰り の挨拶をします。話の途中にお茶をすすめられたときの挨拶は、軽いおじぎですのでざぶとんに座ったままで構いません。 |