みなさまは世界の料理をいくつご存知ですか?
今回は、私が世界を旅して食した本場の料理をみなさまにお届けします。
さぁ、ご一緒に世界のごはんを食べに行きましょう。
第3回目は、ギリシャの旅です。
ギリシャの料理、食文化についてご紹介します。
1. |
ギリシャ共和国 |
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面積: |
13万k㎡(日本の約3分の1) |
人口: |
1,094万人 |
首都: |
アテネ(人口約300万人) |
通貨: |
ギリシャ正教 |
言語: |
現代ギリシャ語 |
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世界遺産
アテネのアクロポリス「パルテノン神殿」 |
※アテネのシンボル。紀元前12世紀に最初の神殿が建てられて以降、破壊と再建が繰り返され、19世紀から現在に至るまで修復は続けられています。 |
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アテネ"パルテノン神殿"の前で |
デルフィ古代遺跡「アポロン神殿」 |
※かつて"大地のヘソ"と讃えられ、アポロン神託を求めて巡礼者が訪れた聖域です。 |
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デルフィ"アポロン神殿" |
~ギリシャ人の食事様式~
食べることが大好きなギリシャの人々。社交的なギリシャの国民は、ホームパーティーやタベルナ(大衆居酒屋)などでよく友達をもてなします。手間隙かけた料理を、大勢の仲間とお酒を酌み交わしながら味わい、音楽と踊りと、深夜まで続くおしゃべりを共に楽しみます。
また、朝は簡単に済ませ、昼食と夕食にたっぷりと時間をかける「昼・夕食中心型の食事」が多く見受けられます。
~ギリシャ料理と世界の料理~
★ |
ギリシャ人の自慢は、古代ギリシャから受け継がれた"ガストロノミー"(美食)。
"ガストロノミー"...ギリシャ語のgastros(胃)+nomos(規則)から造られた言葉
肉を火であぶるだけの原始時代の料理法を、現代の"調理"にまで発展させたのは、ギリシャ人による功績が大きいと言われています。 |
★ |
ギリシャは長い間オスマン帝国の統治下にあったため、トルコやアラビアなど東方世界の影響を大きく受けています。スブラキ(トルコのドネルケバブ)やムサカ、ひよこ豆のペーストやヨーグルトサラダは、この時代に中東からギリシャに渡り根付いた食べ物です。 |
★ |
ギリシャの黄金時代であった紀元前4世紀に生まれた調理技術や食生活は、イタリア料理・フランス料理のルーツとなっています。様々な材料や調味料を上手に使った料理はもともとギリシャが発祥の地なのです。 |
~飲食店のいろいろ~
■タベルナ |
居酒屋・大衆食堂 |
■プシスタリア |
肉の炭火焼専門店 |
■ウゼリア |
ウゾなどのアルコール類とメゼと呼ばれるつまみを置いている店 |
ギリシャ人は外食好きな国民で、飲食店も夜遅くまで賑わっています。庶民的な"タベルナ"では、その日の仕入れで献立を決めるため、メニューがありません。客が直接厨房をのぞいて注文したり、ショーケースに当日並んだ料理を注文します。
★★★アテネ・人気のレストラン★★★
"ディオニソス"Dyonisos |
1階にカフェ、2階にレストランがあり、アクロポリスを正面から望めることができる絶景レストラン。夜、ライトアップされたアクロポリスを正面においしいフレンチを楽しむ食事は最高です。 |
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"ディオニソス"からの眺め |
"ディオニソス"の料理 |
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オリーブオイル
ギリシャの食生活にオリーブオイルは欠かせません。その純度と豊かな風味で世界的に評価されています。 |
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ウゾ(OUZO)
ブドウを原料としたギリシアの地酒で、世界的にも食前酒として有名です。地方によっていろいろな種類があり、味やにおいに違いがあります。 |
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はちみつ
ギリシャのはちみつは、豊かな自然の花やハーブから作られることが主流で、世界最高級と言われています。 |
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ピスタチオ
丘の斜面にピスタチオの畑が連なるエギナ島の特産品です。 |
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フェタチーズ
世界最古のチーズといわれることもあるほどで、とてもシンプルなタイプのチーズです。ヤギや羊のミルクから作られる塩分の強い真っ白なチーズです。 |
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市場の風景
ギリシャ料理に欠かせない肉類が売られています。肉類はすべてショーケースに入れられており、とても衛生的です。 |
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気候や自然に恵まれたギリシャでは、新鮮な魚介類や太陽の光をたっぷり浴びた野菜、柔らかい子羊の肉など、ギリシャならではの素材が料理にいっぱい使われています。
味付けは、オリーブオイル・トマトソース・レモン・塩・ハーブ(スパイス)など、比較的シンプルです。
そんな昔ながらの「ギリシャの伝統料理」をいくつかご紹介しましょう。
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スブラキ |
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牛・豚・羊肉・魚などをひと口サイズに切り、串に刺して炭火で焼いたもの。
ギリシャの代表的な料理です。 |
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ムサカ |
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ナスやじゃが芋などの野菜とひき肉のミートソース、チーズを交互に重ねて焼いたギリシャ風グラタン。日本人の口にもよく合う味付けです。 |
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イェミスタ |
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トマトやピーマンの中身をくり抜き、中に米、ひき肉、玉ねぎのみじん切り、パセリ、トマトの中身を詰めてオーブンで焼いた料理です。 |
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タラモサラタ |
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ラマ(日本のたらこにも少し似た塩漬けの魚卵)や玉ねぎのみじん切り、ポテト、オリーブオイル、レモンを混ぜたペースト。パンに添えて食べます。 |
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ケフテデス |
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ギリシャ風肉団子。ハーブ、塩、こしょうなどでしっかり味付けされているのが特徴です。 |
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ドルマデス |
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ひき肉と野菜入りピラフをブドウの葉で包み、スープで煮込んだもの。卵とレモンを合わせたエッグレモンソースをかけて食べます。 |
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ホリアティキ・サラダ |
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ギリシャ全土で食される田舎風サラダ(ホリアティキ=田舎風)。オリーブやフェタチーズと季節の野菜をたっぷり使ったサラダです。 |
5. |
ギリシャ料理を作りましょう!! |
(伊藤華づ枝のオリジナルレシピから) |
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ムサカ(なすとひき肉のギリシア料理)
※ムサカ=アラビア語で「冷めてもおいしい料理」という意味
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材料 |
作りやすい分量 |
なす |
3本(450g) |
オリーブ油 |
大さじ3~4 |
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塩 |
少々 |
こしょう |
少々 |
じゃが芋(男爵芋) |
中2コ(300g) |
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塩 |
小さじ1/2 |
こしょう |
少々 |
たまねぎ(みじん切り) |
1/2コ(100g) |
牛ひき肉 |
150g |
にんにく(みじん切り) |
小さじ1(1/2片) |
オリーブ油 |
大さじ1 |
A |
トマトソース(缶) |
1缶(295g入り) |
塩 |
小さじ2/3 |
ウスターソース |
大さじ1 |
ミントの葉 |
4枝 |
B |
プレーンヨーグルト |
100ml |
生クリーム |
100ml |
塩 |
小さじ1/2 |
粉チーズ |
大さじ1 |
粉チーズ |
大さじ1 |
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<作り方>
1 |
なすは1/2長さに切って、さらに縦に7mm厚さに切ります。水に晒し、取り出したら水気を切ります。 |
2 |
フライパンにオリーブ油を入れて熱し、(1)を加え、焦げ目がつくまで両面を焼いたら、トレーにとって塩とこしょうをふります。 |
3 |
じゃが芋は皮をむき、5mm厚さの輪切りにして水に晒し、熱湯に入れて9分通り茹でます。ザルに上げ、軽く塩とこしょうをふります。 |
4 |
フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて火にかけ、香りが出てきたら、たまねぎを加え少し色づくまで炒めます。 |
5 |
(4)にひき肉を加え更に炒め、(A)を加え中火で5分間くらい煮ます。火を止めてミントの葉をちぎって加えます。 |
6 |
(B)を合わせ、ヨーグルトソースを作ります。 |
7 |
耐熱容器になすの1/2量を並べ、その上に(3)のじゃが芋、(5)のソース、残りのなすの順に重ね、(6)のヨーグルトソースをかけ、上に粉チーズをふり、220℃のオーブンで13~14分間位で焼き上げます。 |
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材料 |
分量:4人分 |
ズッキーニ |
3本(450g) |
塩 |
大さじ1/2 |
玉ねぎ(みじん切り) |
70g(1/3コ) |
にんにく(みじん切り) |
1房 |
ミント |
5枝 |
ディル(あれば) |
5本位 |
パセリ(粗く刻んで) |
大さじ1~2 |
A |
卵 |
大1コ |
パルメザンチーズ
(又はピザ用チーズ) |
大さじ4 |
ドライパン粉 |
2/3カップ |
小麦粉 |
大さじ5~6 |
揚げ油 |
適宜 |
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<作り方>
1 |
ズッキーニは短めのせん切りにし、分量の塩をふってしばらくおきます。 |
2 |
(1)から水けが出たら、水けをしっかりと絞ってボウルに入れます。 |
3 |
(2)に玉ねぎ、にんにく、みじん切りのハーブ(A)を加えて、手でまとめられる位の固さにします。固さに応じて小麦粉を加えます。 |
4 |
生地をくるみ大くらいの大きさに切り、丸めて少し平らにして油で揚げます。 |
5 |
器に盛り、レモンを添えます。
現地では、ヨーグルトソースをつけて食べます。 |
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材料 |
分量:4人分 |
ほうれん草 |
4束(800g) |
塩 |
適宜 |
レモン |
1/2コ |
EXオリーブ油 |
小さじ4 |
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<作り方>
1 |
ほうれん草はていねいに洗って、3等分の長さに切ります。 |
2 |
4カップの水を沸かして塩を小さじ1~2杯入れて、(1)をぐずぐずと長くゆでます。 |
3 |
(2)をザルに上げて軽く水けを絞ります。 |
4 |
(3)を皿に盛り、レモンを添えます。 |
5 |
食べる時にレモン汁をふりかけ、上質のオリーブ油をかけ、混ぜていただきます。 |
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材料 |
分量:4人分 |
じゃが芋 |
2コ(350g) |
玉ねぎ |
1/8コ |
たらこ |
1/2腹強(60g) |
レモン |
1コ |
A |
EXオリーブ油 |
大さじ3 |
塩 |
小さじ1/3 |
ミネラルウォーター |
50ml |
パン(ハードタイプ) |
4人分 |
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<作り方>
1 |
じゃが芋は皮をむいて1コを8等分にし、水にさらしてから水からゆでます。 |
2 |
玉ねぎはすりおろします。 |
3 |
ボウルに、(2)と身をほぐしたタラコを入れます。 |
4 |
レモンは輪切りを4枚取って、残りは汁にします。 |
5 |
(3)に(4)と(A)を加えます。 |
6 |
(1)がゆだったら水けをとばし、つぶして手早く冷まします。 |
7 |
(5)に(6)を加え、ミネラルウォーターを徐々に加えてやわらかさを出します。 |
8 |
器に(7)を盛ってレモンを添え、ハードタイプのパンをスライスして添えます。 | | |