みなさまは世界の料理をいくつご存知ですか?
今シリーズは、私が世界を旅して食した本場の料理をみなさまにお届けしています。
さぁ、ご一緒に世界のごはんを食べに行きましょう。
第6回目は、ドイツの旅です。
ドイツの料理、食文化についてご紹介します。
1. |
ドイツ連邦共和国 |
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面積: |
35.7万km2(日本の約94%) |
人口: |
8,245万人(2005年末) |
首都: |
ベルリン |
宗教: |
キリスト教 |
言語: |
ドイツ語 地域によりデンマーク語・ソルブ語が使われる |
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ドイツといえば、絶対にお話しなければならないのが世界的に有名な陶磁器メーカーの「マイセン」でしょう
~マイセン~ 西洋白磁の原点として、名実ともに頂点に君臨するドイツの名窯
~マイセンの歴史~ |
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15~16世紀に東洋からヨーロッパへ伝えられた透けるような白さの磁器は、王族貴族たちの憧れとなりました。 |
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当時のドイツ・ザクセン候アウグスト王も東洋の陶磁器に魅せられた一人でした。 |
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アウグスト王は、練金技術史ヨハン・フリードリッヒ・ベッドガーをアルブレヒト城に幽閉し、白磁づくりに取り組ませました。 |
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ベッドガーは失敗を重ねながらも、ようやく3年程の年月を経て白磁づくりを成功させました。 |
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こうして有名な「マイセン窯」が生まれたのです。 |
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その後、ベッドガーは長い幽閉生活で酒におぼれ、心身ともに憔悴しきってしまい37歳の若さでこの世を去ります。 |
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そして、その後も技術が盗み出されることを避ける為、他の技術士たちの手は役目を終えると王族の手により、切り落とされました。 |
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マイセンのマーク「青の双剣」
2本の剣には、秘法が外へ流出しないように守るという意味が込められています。 |
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アルブレヒト城 |
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ブルーオニオン
マイセンの代表作。手本となったのは当時の中国磁器で、ザクロの柄をタマネギと間違えて認識していたため、この名がついたと言われています。 |
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~ドイツ料理の特徴~ |
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ドイツ国民は伝統的に「食」に対して執着があまりなく、全般的に質素な家庭料理的なものを好むと言われています。
飾り気がなく、ボリュームたっぷりで実質的なドイツの国民性が表れています。 |
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寒い地域が多く、長く厳しい冬を暮らすために"ソーセージ"や"ハム"のような保存食が発達しました。
主食の"じゃがいも"をはじめ、キャベツ・タマネギなどの保存の効く野菜を貯蔵することも得意で、キャベツの酢漬け"ザワークラウト"は特に有名です。 |
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また、ワイン漬け・塩漬け・燻製などの保存加工された肉を多く使うことも特徴です。 |
~ドイツ人の食卓~ |
朝・・・・・ |
バターやジャム付きのパンとハムとゆで卵 |
昼・・・・・ |
1日のメインでボリュームのある「温かい食事」とデザート |
夕方・・・ |
お茶の時間 |
夜・・・・・ |
比較的軽めのパンにハムやソーセージとチーズという「冷たい食事」 |
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パンとハムと
ドイツビールの夕食 |
ドイツはとても寒い国の為、小麦はよく育たず、穀類は大麦・ライ麦が中心でした。
その為、ドイツのパンはライ麦を使った黒パンが主流です。
しかし、少ない穀類を出来るだけおいしく食べようと努力を重ね、製粉や加工の技術が発達しました。
こうして、ドイツはパンの種類が世界で一番豊富な国となったのです。
「ライ麦パン」Roggenbrot |
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ライ麦パンの種類は様々。一般的なものとしてはロッゲンブロートRoggenbrotと、小麦とライ麦を混ぜたミッシュブロートMischbrotなどがあります。ライ麦の含有量が多いほど、色が濃くなります。 |
「ブレートヒェン」Brotchen |
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「小さいパン」という意味のパン。外の皮はパリッと固く、中は柔らかい白パンです。バターやジャムをぬったり、ハムやチーズをのせて食べます。 |
「ブレーツェル」Brezel |
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ドイツのパン屋さんの看板ともなっており、独特の風味があります。
ビールのおつまみとしても好まれるため、ビアホールには必ず用意されています。
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手に持っているのが
「ブレーツェル」
ビール祭りにて |
「クロワッサン」Croissant |
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ドイツではおなじみですが、本場はフランスです。 |
「ヘルンヒェン」Hornchen |
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角の形のパン。
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中が空洞のパン(マイスナー・フンメル)を焼く老舗カフェ 創業1843年 |
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磁器やワインを運ぶ際、使者に注意を促すために馬車に一緒にのせた珍しいパンです。 |
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ドイツは一人当たりの消費量が日本の2~3倍というビール大国。酒というよりは、食品の感覚で生活に密着しています。古くから修道院で断食節に飲まれていたビールは重要な栄養源であるとともに、交流を深める手段にもなっていました。
つまり、「ドイツ」と「ビール」は切っても切れない関係なのです。
全国で1,000を超える醸造所があり、5,000をも越える銘柄があるほど、地域に根ざした飲み物になっています。
その上!!!
1516年にビルへレム4世が交付した「大麦・ホップ・酵母・水だけで作るべし」という法律だけは、今になってもなお遵守されているのです。
ビールの名産地ミュンヘンでは、毎年「オクトバーフェスタ」と呼ばれる有名なビール祭りが開催されます。
ピルス/ピルスナー |
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もともとはチェコで作られていたホップの効いたビール。 |
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ドイツでも一番の人気を誇っています。 |
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ベルリナー・ヴァイセ |
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シロップを入れてストローで飲む、ちょっぴり甘めの女性向けのビール。 |
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赤と緑の2種類があり、夏になると喫茶店のテラスなどで、ジュース代わりに盛んに飲まれています。 |
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ラオホビア |
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ドイツ国内でも珍しい茶褐色の苦味が効いている、世界的に有名なバンベルクの燻製ビール。 |
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麦芽をいぶし、スモーキーな味わいを作り出しています。 |
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ヘレス |
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明るい黄金色をした一般的な下面発酵ビール。 |
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麦汁濃度が低く、口当たりが良い。 |
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ベックス |
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ドイツビールで輸出量NO.1を誇るピルスナービール。 |
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キレがよくスムーズな味わいで、生産地はブレーメン。 |
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エルディンガー・ヴァイスビア |
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ヴァイツェンでシェアNO.1を誇る醸造所の濃色ヴァイスビア。 |
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女性にも人気で、モルトの香りが強いのが特徴です。 |
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ドイツビールは泡とともに楽しみます

現地のレストランで飲んだ黒ビール |
ドイツの料理と聞いて、まず思い浮かぶものは「ソーセージ(ドイツ語ではヴルスト)」と、付け合せに欠かせない「ザワークラウト(酢漬けのキャベツ)」、そしてじゃがいも。そんな先入観を強く持たれていませんか?
しかし、実際には各地にいろいろな料理があります。そこで今回は、地域の料理を数点ご紹介いたします。
ハンブルク地方(北海とバルト海に面した北部の港町) |
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北ドイツはニシンなどの魚料理が多いのが特徴です。 |
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港町の名物「ラプスカウス(じゃがいもとコンビーフを混ぜて目玉焼きをのせた料理)」が有名。
この料理は、もともと船乗りが船上で作ったのが始まりと言われています。 |
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フランクフルト地方(西のライン川流域) |
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ビールやワインの産地 |
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その名もフランクフルト・ソーセージの発祥地。正式名は「フランクフルター・ヴェルストヘン」といい、マスタードをつけて食べます。 |
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その他、豚の胃袋にじゃがいもや玉ねぎ、ひき肉などを詰めてゆでた「ザウマーゲン」も名物です。 |
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南ドイツ地方(フランス国境と接する地域) |
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料理のおいしさに定評があります。 |
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ドイツ風パスタの1種「シュペッツェレ」は、小麦粉・水・卵を溶いた生地を小指の先ほどの大きさに茹でたものです。肉料理の付け合せにしたり、チーズをかけて焼いて、1品料理にして食べたりします。 |
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ベルリン地方 |
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名物は「ベルリーナーヴァイセ」。ビールをシロップで割ったカクテルのようなものです。 |
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「アイスバイン」は骨付きの豚の足を煮込んだ豪快な郷土料理。 |
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「ケーニヒスベルガー・クロプセ(クリームソースをかけた肉団子)」も有名です。 |
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ドレスデン地方(ドイツ東部) |
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「アイアーシェッケ」というチーズケーキが名物です。 |
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また、クリスマスのお菓子「シュト-レン」や樹木の年輪をかたどった「バウムクーヘン」も代表的なお菓子 |
6. |
ドイツ料理を作りましょう!! |
(伊藤華づ枝のオリジナルレシピから) |
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材料 |
分量:4人分 |
<ニョッキの材料> |
じゃが芋(1コ100g位) |
4コ |
卵 |
1コ |
パルメザンチーズ |
20~30g |
塩 |
小さじ1/3 |
こしょう |
少々 |
小麦粉(バイオレット) |
100g |
バター |
20g |
<ミートソースの材料> |
牛挽肉 |
150~170g |
人参 |
1/2本(70g) |
セロリ |
1/2 本(40g) |
玉ねぎ |
1/2コ(120g) |
赤ワイン(又は日本酒) |
50ml |
ホールトマト缶 |
400g
(内容総量) |
セージまたはバジルの葉(あれば) |
4枚 |
ローズマリー(瓶詰め可)(あれば) |
少々 |
オリーブ油 |
大さじ3 |
パルメザンチーズ |
大さじ2 |
塩 |
小さじ1弱 |
黒こしょう |
多め |
A |
ウスターソース |
大さじ1 |
水 |
100ml |
しょうゆ |
大さじ1 |
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<ニョッキの作り方>
1 |
じゃが芋は皮をむいて4つ位(大きいものなら8つ位)に切り、水から15分くらい茹で、水分をよく飛ばしてから熱いうちに鍋の中でつぶします。 |
2 |
(1)にバターを入れてから、卵、チーズ、塩、こしょうで調味し、小麦粉を加えてまとめます。 |
3 |
まな板に打ち粉をし、生地を1センチ位の棒状にして、2センチ幅にカットします。 |
4 |
(3)を上からフォークの背で軽く押さえて、形作ります。 |
5 |
(4)をたっぷりの熱湯で茹でます。 |
<ミートソースの作り方>
6 |
人参、セロリ、玉ねぎを粗切りにし、セージ、ローズマリーと共にフードプロセッサーでみじん切りにします。 |
7 |
フライパンにオリーブオイルを熱して、(6)を弱火でじっくりと炒めます。 |
8 |
挽肉を加えて強火でほぐしながら炒め、赤ワインを加えて沸騰させます。 |
9 |
ホールトマト缶とAを加えて崩しながら煮ます。 |
10 |
塩、こしょうを加えて15分くらい煮込みます。 |
11 |
ミートソースに茹でたニョッキを水けを切ってからからめ、器に盛り、チーズをふります。 |
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材料 |
分量:4人分 |
A |
鶏もも肉(大) |
2枚(600g) |
塩 |
小さじ2/3 |
こしょう |
少々 |
じゃが芋(中) |
3コ(400g) |
塩 |
小さじ1/4 |
オリーブ油 |
大さじ1・1/2 |
にんにく |
中・1塊 |
ローズマリー(生)
(粗く刻んでおく) |
小さじ1~2 |
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<作り方>
1 |
鶏肉は1枚を10~12切れにし、分量の塩とこしょうをふります。 |
2 |
じゃが芋は皮をむいて7~8ミリ厚さの輪切りにし、水にさらしてザルに上げ、軽く塩をふります。 |
3 |
フライパンにオリーブ油を入れて、油がぬるいうちに、薄切りのにんにくを入れて、ゆっくりと色づくまで炒め、にんにくだけ取り出します。 |
4 |
(3)に(1)を広げて入れ、その上にじゃが芋をのせます。 |
5 |
(4)の上に粗く刻んだローズマリー(乾燥品でも可)を散らし、フタをして15~18分間程焼きます。 |
6 |
仕上げに火をやや強めにして焼きつけます。 |
7 |
器に盛って、あればローズマリー飾ります。 |
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材料 |
分量:4人分 |
きゅうり |
6本 |
A |
ビール |
100ml |
砂糖 |
大さじ5 |
塩 |
小さじ1 |
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<作り方>
1 |
きゅうりは塩でもんでからザッと洗い、すりこ木などで軽くたたきます。そして縦半分に切り、4等分の長さに切ります。 |
2 |
(1)を(A)に漬けます。 |
*半日経つと食べられますが、1~2日漬けると良いでしょう。 | |