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インターネット公開文化講座

文化講座

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家庭で楽しむ世界の料理~世界を食する~

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

中国の旅

みなさまは世界の料理をいくつご存知ですか?
今シリーズは、私が世界を旅して食した本場の料理をみなさまにお届けしています。
さぁ、ご一緒に世界のごはんを食べに行きましょう。

第5回目は、中国の旅です。
中国の料理、食文化についてご紹介します。


1. 中華人民共和国

面積: 960万km2(日本の約26倍)
人口: 13億756万人(中国国家統計局2005)
首都: 北京
宗教: 仏教・イスラム教・キリスト教など
言語: 漢語(中国語)


2. 中国の食文化

「四足ならば机以外、動くものは両親以外、飛ぶものは飛行機以外何でも食べる」といわれるくらい"食"に貪欲な国なので、おいしいものがいっぱい!!


~中国料理の食卓は"社交の場"~
一つの食卓を、様々な知り合いと囲み、大皿に盛り付けられた料理を分かち合います。
お互いに信頼関係を築くことが中国料理を楽しむ最大の目的といえます。

「中国お客料理の献立」
1. 冷盤(ロンバヌ)・・・冷たい前菜
2. 大件(ターチェン)・大菜(ターツァイ)・・・主要料理
3. 湯菜(タンツァイ)・・・スープ
4. 点心(テンシン)・・・小食品・おやつ・菓子
5. 鮮果(シエンクワ)・・・くだもの

中央の回転台(ターンテーブル)を回しながら料理を取って食べます

「中国料理の料理法」
炒菜(チャオツァイ・炒め物)
最も広く使われていて、簡単な調理法で中国料理の基本です。
ターサイの炒め物
炸菜(チャーツァイ・揚げ物)
中国料理の揚げ物の総称で、たっぷりの油を使って揚げます。
揚げ餅
蒸菜(ヂォンツァイ・蒸し物)
形・香り・うまみなどを保持しながら内部まで加熱できるので、材料のもち味を生かすのに適しています。
シーチキン焼売
燉菜(トゥンツァイ・煮物)
中国料理では、一度材料を炒めてからスープで煮たりします。
東坡肉(トンボーロ)=豚の角煮
菜(カオツァイ・焼き物)
材料、焼き方に応じた下ごしらえを十分にして焼き上げます。
トウモロコシとエビで焼き上げた餅


3. 四大中国料理!

中国は国土が広いため、地域によって様々な特色ある"地域料理"が発達しています。
★一般的に中国料理は4つに大別されます
(1) 北京料理
(2) 上海料理
(3) 広東料理
(4) 四川料理
(1) 北京料理 ~北部(寒冷地)の料理~
・寒冷地であるため、油を多く使用した濃厚な料理が多い傾向があります。
・小麦の産量が多い為、粉食が発達し、麺・包子・餅などが常食されています。
★餃子・肉まんじゅう・北京ダック など
(2) 上海料理 ~中部地区の代表料理~
・川魚料理(上海ガニが有名)、煮込み料理が多いのが特徴です。
★上海蟹・小籠包・東坡肉(トンボーロ)=豚の角煮 など
(3) 広東料理 ~南部地区の代表料理~
・広東は産物が豊富で、珍しい材料が入手しやすく、料理の種類が多数あります。
・海に近いため海鮮料理が有名で、蒸し物・焼き物・飲茶もよく食べられています。
・日本にある中国料理の中で一番多いのが広東料理です。
★燕の巣・フカヒレのスープ・シュウマイ など
(4) 四川料理 ~山深い地域の料理~
・発汗作用のある唐辛子など香辛料を使った料理が多いです。
・乾物をよく用います。
★麻婆豆腐・棒々鶏・担担麺・回鍋肉・青椒肉絲 など


4. 中国といえば「飲茶」です! ~中国式のおやつタイム~

*飲茶とは... 点心と呼ばれる「おかず」や「甘味」と共に、香り高いお茶を飲む習慣です。
*点心とは... 心に点じると書かれるこの文字は、心がポッと温まる程度の軽い食事というのがもともとの語源とされています。
点心の種類は実に3000種とも言われるほど豊富です。

おおむね食材に小麦粉が多く使われたことから、のどにつまりやすいということもあり、お茶がつきものになったというところでしょうか。 そして、このお茶の種類も実に膨大なことが、飲茶の特色なのです。
★餃子・シューマイ・春巻き・ちまき・肉まんじゅう・杏仁豆腐・大根餅・・
*お茶の歴史
もともと「茶」という文字は「苦い」を表す意味でした。
お茶はたいへん珍重され、奴隷とお茶が交換されるほどの価値がありました。
 ≪三国時代以降≫
それまでの薬用から次第に嗜好用になっていきます。やがて僧侶や文化人の間で流行となり、日常的に飲まれるようになりました。
 ≪唐の時代≫
茶器が発達していきます。この時代にも「陸羽」が書いた「茶経」は名の通り、中国茶の聖典・バイブルとして現在も中国茶の世界に影響を与え続けています。

~おいしい鉄観音茶の入れ方~
「工夫(コンフ~)茶器」と言われる小ぶりの茶器セットを使った独特の入れ方があります。
(1) きゅうすの3分の2まで茶葉を入れて熱湯を注ぐ。最初の湯はきゅうすを温めるとともに固い茶葉を開かせ、葉の汚れをとることが目的なので、すぐに茶船(鉢状の受け皿)に捨てる。
(2) 再びきゅうすに熱湯を入れてフタをし、茶船の中におく。
(3) きゅうすの上から熱湯を回しかけ、30秒くらい蒸らす。
蒸らす間に茶碗を温め、充分に成分が出たところで、茶碗を注ぐ。

台湾にて中国茶研修を受けました。


5. 中国の餃子

その昔、餃子は中国宮廷内の秦始皇帝など選ばれた者しか口にすることの出来ない高級メニューでした。
その後、宮廷勤めの家臣が皇帝達の食べ残しを持ち帰り、焼いて温め直して食べたことから、徐々に庶民にも広まっていったのが「焼き餃子」です。
やがて、餃子は中国全土に広まり、年越しや春節(旧正月)に欠くことの出来ない料理となりました。
中国の古銭の形を真似て餃子の形が考案されたことから「財を成す」という意味をもつとも、「子どもに恵まれる」という意味を持つともいわれ、縁起の良い食べ物と見なされています。
~中国最大規模の餃子専門店「徳発長」(西安市)の餃子~
クマの形の餃子 ペンギンの形の
餃子
ブタの形の餃子 カメの形の餃子


6. 中国料理を作りましょう!! (伊藤華づ枝のオリジナルレシピから)

青菜炒め(空芯菜)
材料 分量:2人分
空芯菜 200g
にんにく 中1粒
赤唐辛子 1~2本
大さじ1~1・1/2
A 中華風だしの素 小さじ1/3
50ml
しょうゆ 小さじ1
小さじ1/6~

<作り方>
1 空芯菜は軸の硬い部分を切りおとします。
2 (1)を4~5センチ長さに切り、軸と葉に分けて水に浸け、アクを抜きます。しっかりと水気をとります。
3 にんにくはみじん切りにします。
4 唐辛子は、種を取って輪切りにします。
5 フライパンを温めずに油を入れて、(3)と(4)を入れ、中弱火でゆっくりと炒めて香りを出します。
6 (5)に空芯菜の軸を加え、火を一気に強火にして炒め、葉も加えます。
7 (6)が8分通り火が通ったら、(A)を加えて手早く調味し、すぐに皿に盛ります。

本格水餃子 ~セロリギョーザ&れんこんギョーザ
材料 分量:4人分
  (24コ分)
強力粉 110g
薄力粉 110g
150ml
小さじ1/2
打ち粉(強力粉) 適宜
豚平切り肉
(挽き肉でもよい)
150g
A おろししょうが 7g
小さじ1/3
しょうゆ 大さじ1
こしょう 少々
ごま油 小さじ1
ねぎ(みじん切り) 30g
セロリ(みじん切り) 80g
レンコン(みじん切り) 80g
  黒酢 大さじ3
しょうゆ 大さじ3
自家製ラー油 適宜
★ 自家製ラー油
A とうがらしの粉 100g
30g
白ごま 15g
サラダ油 150~200g

<作り方>
1 ボウルに分量の強力粉・薄力粉を入れ、水・塩を入れてよく練ります。
2 (1)の粘りが出たら、丸めてぬれ布巾をかけ、30~40分ねかせます。
3 (2)の生地を打ち粉をしながら棒状にして24コに切り分け、手の平で押しつぶして、めん棒で直径6~7cmの丸型にのばします。
4 豚肉を包丁でたたいてミンチにします。
5 ボウルに(4)を入れ、(A)で調味して手でよく練り混ぜ、みじん切りにしたねぎを加えて混ぜ合わせます。
6 セロリとレンコンはそれぞれフードプロセッサーにかけ、かるく水けをしぼります。
7 (5)を2等分にして、(6)の具をそれぞれ混ぜ合わせます。
8 皮の真ん中に具をのせて包みます。
9 (8)をゆで、黒酢しょうゆをつけていただきます。
★ 自家製ラー油
  (1回作ると一年中使えます)
1 ボウルに(A)の材料を入れて混ぜ合わせます。
2 熱したサラダ油を2分間程おき、(1)に少しずつ加えます。

杏仁豆腐
材料 分量:
  4~6人分
A 3・1/2カップ
砂糖 大さじ3
粉寒天 4~5g
粉ゼラチン 5g
B 牛乳 100ml
コンデンスミルク 40g
アーモンドエッセンス 少々
C 砂糖 150g
2・1/4カップ
季節のフルーツ 適宜

<作り方>
1 (A)をなべに合わせ、10分間位ふやかし、なべ底をすくうように混ぜながらゆっくり溶かし、別なべにこします。
2 (1)に(B)を加えて煮立て、荒熱を取ってアーモンドエッセンスを加え、バットなどに流して冷やし固めます。
3 (C)でシロップを作って冷まします。
4 (2)を切り分けて(3)のシロップを注ぎ、適当に切ったフルーツを混ぜます。
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