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家族で楽しむ里山術

里山研究家 吉澤 守(ヨシザワマモル)

ホームフィールドを持とう

2002(平成14)年度から導入される完全学校週5日制は、家族のコミュニケーション機会を増やしていくのではないかと期待されています。
いつだったか、第二と第四の土曜日が学校の休日となった時、家族連れのキャンパーで全国各地のキャンプ場が盛況になるということがありました。そのことがきっかけとなり、ファミリー・アウトドアリングのブームが、我が国にもようやくおこってきたのです。

何事においても一生懸命働くという国民性を持つ日本人。家族の働き頭であるお父さんと育ち盛りの子供さん達の間で、緊密にふれあう時間が限られてしまうことが多いのではないでしょうか。
たまにお父さんが家にいる時には、子供さん達は学校へ行っている。そんなすれ違いが、完全学校週5日制によって少なくなればと思います。
月に一度は"家族ふれあいの日"として、いずれかの土日を家族だけで過ごす時間に充ててみたらいかがでしょうか。家族で一緒に過ごす時間が多ければ多いほど、子供さん達の健全な発育に大きなインパクトが与えられるのではないかと考えます。
そんな家族の休日を過ごす場所には、できることなら、日常の環境から離れ、自然を思いきり楽しむことができる場所を選ばれることをおすすめします。そんな場所には、家族で体験できるさまざまな項目と、体験にともなう新鮮な感動と意外な発見があるからです。

自然を楽しむことができる場所は多くありますが、比較的身近な里山の自然は、家族で出掛けるには絶好の場所となります。里山の自然は、家族に小旅行の場と体験をとおした学びの機会を提供してくれます。
観光地のように一時の楽しみを求めて、一見的な訪問に終わるのではなく、できれば何度も同じ場所を訪れて、四季の自然にふれながら、じっくりと一つの場所を探求することをおすすめします。イメージは、家族で共有する"ふるさと"のような場所です。
都市部での日常生活と里山での休日体験が、子供さん達の情操教育に大きな影響を与えていくことになるでしょう。森でも、渓流でも、農業が体験できる場所でも、どんな里でも構いませんから、子供さん達の意見を取り入れながら、家族のホームフィールドとしての里山を確保されたら、いかがでしょうか。

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