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ワインセミナー

シニアソムリエ 島 幸子

from Paris

日本の9月はまだまだ暑さがしっかり残った日々が続きますが、ここParisは夏の服では寒くて困ってしまうような気候です。日中の気温も19度。そのまま赤ワインを飲んで美味しい温度です。先月のニュージーランドのワイン畑はまさに冬でしたがここフランスのワイン畑は秋の始まりを感じながら心地良く回れそうです。

よく、赤ワインは室温で飲み、白ワインは冷たくして飲むと美味しいと言いますが、同じ季節でも日本は34度、フランスは19度、どちらの温度がよりワインに適した温度なのか? このページをご覧になっていらっしゃる皆さまにはおわかりですね....。温度が高すぎるとワインの中の酸がぼやけてしまってしまりのない味わいになってしまいます。渋みの少ない赤ワインは16度、渋みの強い赤ワインは18度を目安にお飲み下さい。又、温度が低すぎると香りが眠り、ワインの美味しさが広がりません。

真冬のキャンプで飲んだムートンは渋くて冷たい悲しいワインになってしまいました。

来週、私はフランスの二大ワイン生産地であるブルゴーニュ地方を回り、そのまま南下してコート・デュ・ローヌへと車を走らせます。

ワイン畑はまもなくブドウの収穫を迎えます。畠には美しく熟した果実がたわわに実り、最高に忙しい季節を迎えます。

味わい深いワインに絶対必要なものは凝縮した濃いブドウの果実。酸と甘みのバランスがいちばん良い時に収穫が始まります。毎日ブドウの糖度を測りながら収穫の日を決定する生産者にとって、とても気がかりなのは雨です。せっかくみごとに熟しても、収穫前に雨が沢山降ってしまうとブドウの実は水っぽくふくれてしまいます。

大切に、いとおしみながら育ててきたブドウが一番良い状態で今年も収穫されるよう、生産者の皆さまとともに祈りながら畑を回りたいと思います。

ブドウは農産物、毎回同じ味わいに造る事はワインの場合不可能です。美味しくワインを飲むコツはそのワインの良いところを沢山見つけてあげることだと思います。
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