文化講座
『何か夢中になることを見つけたい』
今回は、飽きっぽい性格で、なかなか夢中になれるものが見つけられないという30代Bさんの筆跡を見ていきましょう。

Bさんの筆跡は読みやすい字なのですが、一見、10代~20代の女性の筆跡に見えます。90年代以降、若い女性にこのような"へたうま文字"を書く人が増えています(前回取り上げたaさんも、このような字でした)。
この"へたうま文字"の大きな特徴としては、下の四つが挙げられます。
(1)偏とつくりの間が広い...(友達は多いけど、付き合いはあっさり)
(2)偏とつくりの大きさのバランスが悪い...(いつまでも子どものままでいたい)
(3)ハネが弱い...(あきらめが早い、飽きっぽい)
(4)四角張っている...(マジメ、想像力に乏しい)
かわいらしく、読みやすい字ですが、成人してからもこのような字を書くというのは、精神的に大人になりたくない、子どもでいたいという深層心理があるのかもしれません。
まずは、個性が見えない文字を書くのは、そろそろ卒業してみましょう。そうすれば、"何か夢中になるものをみつけ、自分の時間を大切にしたい"というBさんのなりたい自分像に近づく第一歩になると思います。
では、夢中になるものを見つけ、自分の趣味志向を高めるのに必要な筆跡特徴を見ていきましょう。

(1)右払い長型(右払いを長めに書く)→最後まで払いを伸ばすことによって、物事に熱中できます。
(2)はね強型(ハネをきちんと書く)→粘り強くなり、飽きっぽさがなくなります。
(3)開空間狭型(へんとつくりの間を狭くする)
→自分の意見、価値観を大切にし、自分の世界観を作れるようになり、人に影響されにくくなります。
以上の点を取り入れて書いたものが右の例です。
今書いている文字から、すぐに例1のような自然なハネや払いが書けないなら、例2のように、ハネを意識したり、
払いを長く止めたりするだけでも効果はでてくるでしょう。
小さいことですが、文字から個性を出して行きましょう。