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ワンランク上の自分を目指す筆跡改善術

日本筆跡診断士協会認定 筆跡診断士
滝口 弓美子

『気がつかないうちに忍び寄るストレスサイン』

筆跡診断を受ける方の中には、悩みやストレスを感じていない方も多く、『今現在、悩みや心配事がありますか?それを基に筆跡改善をしますよ。』とたずねても、特にないと答える方も少なからずいます。本当に心身ともに健康ならばいいのですが、ストレスを受ける環境に感覚がマヒし、悪い状態でいることに慣れてしまって、気づいたときには重症...となっては大変です。

今回は、このような状態にいるMさんの筆跡を見ながら、筆跡上に現れるストレスサインについて指摘してみます。


普段、あまりストレスを感じないというMさん。筆跡上からも、淡々としていて、マイペース型であり、周りに左右されにくい様子が伺われます。コミュニケーション能力も高く、明るい性格なので、人間関係を築くのにもあまり苦にはならないようです。 しかし、細部をよく見てみると、いくつかの点から不調が感じられます。まず一つ目は、線に少々プレがあることです。この筆跡上のブレは、不整脈などから影響することが多く、70歳以上になると多くみられますが、30代のMさんにこのサインが出るのは心配です。大きなブレではないので、今すぐどうこうということではないでしょうが、気力、体力が弱っているのかもしれません。

Mさんは2年前にも筆跡診断を受けているので、その筆跡と比べてみると、さらに不調サインが見えてきます。

不調サイン2つ目は、線と線のつなぎ目が微妙に開いている(接筆あいまい型)点で、優柔不断な人に見られる筆跡です。以前のMさんは、線と線のつなぎ目がきっちり閉じられていて、白黒はっきりさせたいという意識が強かったのですが、心身の弱りから、決断力が鈍っている様子が伺えます。
次に、決断力を養う力をつけましょう。

不調サイン3つ目は、平行に並んだ横線の間隔が乱れている点です。このサイン単体では、『気分屋』とか『感情的になりやすい』という意味合いを持ちます。これも、元々そういう書き方をしているのならば、あまり問題にはなりませんが、Mさんの場合は、以前はきちんと等間隔に書けていたのが、そうではなくなった点が見逃せません。等間隔に書くのには、集中力が必要ですが、それがなくなってきていると判断できます。

以上、3点から、心理的もしくは肉体的な不調が感じられますが、Mさんの場合、上記で記述の通り、人間関係などには、あまりストレスを感じないタイプなので、内面的というよりは肉体的な疲労に原因がありそうです。Mさんにそのことを伝えると、やはり、以前より忙しく、手の振るえも感じていたとのこと。ただ、ここ最近ではその状況に慣れていたので、特別、不調とは感じていなかったそうです。

このように、悪い状況が続くと、その状況に慣れ、鈍感になりやすくなります。 筆跡診断では、体調不良の原因まではわかりませんが、このようなサインが現れたら、一度、ゆっくり休んだり、専門医で受診したりすることをお勧めします。


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