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マモさんの里山講座

里山研究家 吉澤 守(ヨシザワマモル)

里山の自然

里山の魅力は、何といっても自然の豊かさにあります。
里山を定義する第一義は、開発のダメージを受けていない残された自然がそこに存在することであって、そして、それは元々の日本の自然です。日本の自然を少しでも理解して、自然の観方、自然との接し方、自然を維持(キープ)する方法などについて知れば知るほど、里山への興味はだんだんと深くなっていきます。
自然の場を活用し実際にそこで生活をはじめる里山暮らしや、休養のために里山を訪れるとき、あるいは各地で行われる里山のイベントに参加したときにも、里山への興味は、自分自身が積極的に里山の自然を楽しむための基本になります。

わが国は、国土の約65%を森が占めています。その数字が示すように日本は"森の国"といっても過言ではありません。里山というのも、山の麓に人が住む里があるということを表していますが、その"山"とは、言いかえれば森の環境をさしています。日本人と森は、切っても切れない深い関係があるのです。まずは、森に接することから、自然への親しみを深めることをおすすめします。

気候が温暖で、一年を通して適度な雨量に恵まれた日本の環境は、樹木が生育する条件が自然に備わっています。したがって、木々の活性力が非常に高く、豊かな森が形成されています。森の豊かさは、あらゆる生命の生息する場を提供します。

つまり、森の存在は、同時に、自然の豊かさを物語っています。里山と呼ばれる地域は、元々は、ほとんど例外なく森だった場所です。そこを拓き、人々の生活の場を築いていったのは、自給自足のための条件がそこにあったということを示しています。自然のあらゆることを活用できる場が、里山の条件でした。里山の自給自足。それは、今日でいうところの循環型の生活であり、里自体が循環型の社会を形成していました。

現在の里山は、都市への人口流出による過疎化によって人手が不足し、その上、都市型の生活習慣によって、以前のような循環型の生活は崩れています。 そのために、森をはじめとして良好な自然環境が保たれているところは極めて少なくなってきているのが現状です。
里山の真の姿を蘇らせていくために、里山の自然に興味のある多くの方々が、環境意識の中で、さまざまな里の森の復興プログラムに積極的に参加されることを願っています。

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