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アロマテラピー(芳香療法)基本のレシピ

一般社団法人アロマハンドトリートメント協会代表理事
木之下 恵美 Megumi kinoshita

Aromatherapy & herbal care
3種のバラのハーバルバスボールで夏バテ知らずの美人づくり!

アロマテラピーとは、日本語で芳香療法を意味します。植物の花や葉、樹脂や果皮、果実や根などから、揮発性で油溶性の芳香物質【=精油/エッセンシャルオイル】を取り出して、塗布したり、香りを嗅いだり、時に内服などによってその効能を得ようとするものです。
ハーブとは、日本語で薬草を意味します。その中には草本の各部位だけではなく、木本由来のスパイスや木部、樹脂などもハーブとして考えられています。アロマテラピーで使用するエッセンシャルオイルは、ハーブから精取されます。
ローズやラベンダーのような花、ペパーミントやレモングラスのような葉、ローズヒップなどの果実や、オレンジのピールのような果実の皮、フェンネルやアニスのような種子、ジンジャーのような根といった植物の各部位から、有効成分を様々な方法で享受してきました。

ひとことでいうと、ハーブは自然の植物の命のバランスそのものです。
わたしたちは、そのハーブのバランスを凝縮されたエッセンスやそれ自体からいくつかの方法で、植物のバランスやエネルギー、栄養分をいただきます。

The Genus Rosa

バラの種類は数多くあり、大きく分類してワイルドローズ(野生種)、オールドローズ、モダンローズがあります。ワイルドローズは花弁が5枚で、120種類~150種類ほどあり、オールドローズは、そのうち花弁数が多く見た目に美しいものや、香りの高いものなどが各地から紀元前より古代都市に運ばれ栽培されたもののようです。特に古代ギリシアやローマでは盛んに行われていました。

古代種 ガリカ系 ロサ・ガリカを基本とした系統
古代種 ダマスク系 ロサ・ダマスケナを基本とした系統
古代種 アルバ系 ロサ・アルバを基本とした系統
ケンティフォリア系 ロサ・ケンティフォリアを基本とした系統
モス系 ロサ・ケンティフォリアとロサ・ダマスケナから派生した系統
ポートランド系 ロサ・ダマスケナ・ビフェラ×チャイナローズ(スレイターズ・クリムソン・チャイナ)
ブルボン系 ロサ・ダマスケナ・ビフェラ × チャイナローズ(オールドブラッシュ)
ハイブリッドパーペチュアル系 種々の系統の交雑
ノワゼット系 チャイナローズ(オールドブラッシュ)×ロサ・モスカータ
ブールソー系 ロサ・キネンシス × ロサ・ペンドゥリーナ
チャイナ系 ロサ・キネンシスを基本とした系統
ティー系 ロサ・ギガンテア × ロサ・キネンシス
ポリアンタ系 ノイバラ × ロサ・キネンシス
その他 エアシャー、ミセレイニアス、原種交雑種など

バラ属の歴史はとても古く、異説も多いため、その起源の確実な把握は難しいのですが、その分布は北半球に限定されます。元来、野生のバラはヨーロッパばかりではなく、ユーラシア大陸全般に分布し、北アメリカや北アフリカにも生息しています。またバラ属の多くは中東からアジアにかけて分布しています。

バラを取り巻く歴史は、高貴な姿とそれにふさわしい香気により、なかなかと尋常ではないものであったようです。古代文明のどの時代にもバラに魅せられた皇帝は多くあります。古代エジプトのクレオパトラはローズとはちみつとアーモンドのパックを美容に用いていましたし、古代ローマは熱狂的なローズファンの多い文明国家でした。中東から中央アジアにかけて多く分類する野生種のバラは、10世紀を超えて十字軍の遠征によってヨーロッパ各地へもたらされていきます。その後バラ属はヨーロッパ各地で、より洗練されていきます。

古代から大切にされてきたバラの有効性をひとことでいうと、身体とこころにある不要物やこころの不調を取り去り、肌と身体を解毒し、健康と美を手に入れることを可能にしてきたということでしょう。古代から使用されてきたバラには、野生種のバラとオールドローズがあります。オールドローズには古代種と呼ばれる種類が含まれます。観賞用に品種改良されて優美さを競ってきたバラはモダンローズと呼ばれ、1867年のラ・フランスというバラがその第一号です。

効能や効果が知られ、前述した有効性を確かめられてきたのは、ダマスクローズ(Rosa damascena)と ガリカ種のバラ(Rosa gallica)でした。ケンティフォリア種のバラ(Rosa centifolia)が、代表的で特に貴重な種類です。これら3種のバラは、全てオールドローズです。このうち、ダマスク種とガリカ種は古代種ですが、ケンティフォリアはオールドローズでありつつも、古代種には属さず、16世紀にオランダあたりで出現されたと考えられています。
うつくしく可憐な姿のバラは、古代からその時代とともに変遷をしてきた歴史があります。
特にダマスクローズは、その薬効性と香りの高さで群を抜き、鮮烈な現人類の歴史の一頁目から表舞台で活躍しています。


夏場のお風呂は、手短に・・・。それでは疲れがとれません。
ぬるめのお湯を張って、ハーブとクレイ、ソルトでつくった入浴剤をいれてゆっくりと浸かると疲労回復効果と血流改善効果が得られます。
また、肩こり、腰痛、自律神経バランスの乱れ、ホルモンの分泌の乱れ、免疫低下、ぜんそく、皮膚炎、肌荒れ、体臭を改善するための自然療法として、夏場のお風呂は大切にしたいものです。
夏バテ知らずの美人をつくる3種類のバラのハーバルバスボールをつくってみましょう。6種類のハーブとピンククレイ、死海の塩を使用します。

  •  ピンククレイは、各種ミネラルをバランスよく含有しています。粒子が細かく、鉄分が豊富で、身体の再生作用があり、脱力感や疲労感の症状を改善するレッドクレイと、マイルドで穏やかに汚れを吸着し取り去るホワイトクレイのブレンドでつくります。
  •  死海の塩は、お肌の汚れをとって、毒素を排泄します。

ローズのハーバルバスボールに使用する6種類のハーブ

ラベンダー:神経系統のバランスをとって夏バテ解消
セージ:ホットフラッシュや過剰発汗を改善し、体臭解消
フェンネルシード:浮腫みを解消
ローズガリカ:炎症を抑制
ローズケンティフォリア:肌に潤いをもたせ、ほてりを鎮め、こころを安定させる
ローズダマスク:深い悲しみや心の痛みを取り去り、深いリラックスを与える

の6種類です。

【沐浴一回分の材料】

 
ラベンダー(Lavandula angusutifolia) の有機ドライハーブ ...3g
セージ(Salvia officinalis)の有機ドライハーブ ...3g
フェンネルシード(Foeniculum vulgare)の有機ドライハーブ ...1g
ローズガリカ(Rosa gallica)の有機ドライハーブ ...5g
ローズケンティフォリア(Rosa centifolia)の有機ハーブ ...5g
ローズダマスク(Rosa damascena)の有機ハーブ ...5g
ピンククレイ ...3g
死海の塩 ...10g
オーガニックコットンさらし(20cm×33cm) ...1枚

【作り方】

  • 1. レッドクレイとホワイトクレイを紙の上でよく混ぜて、ピンククレイをつくります。
  • 2. 1.と死海の塩をミックスしてよく振り混ぜます。
  • 3. 6種類のハーブをよく混ぜ、2.に合わせてよく振り混ぜます。
  • 4. さらしの20cm幅を縦にして広げ、真ん中に3.でつくったものをすべて載せます。
  • 5. 4.を20cmの幅の縦を包むようにして上下折込みます。
  • 6. 図の方向にハーブミックスを包んだら、さらしの左右をつかんであげて、真ん中で結びます。この時、結び目が縦になります。この結び目を綺麗に広げて出来上がりです。

【使い方】

湯船にお湯を張るときに、ハーバルボールを一緒に入れてお湯を張ります。
湯船につかりながら身体にあてたり、お顔に軽くやさしくあてると血行がよくなります。
またもみほぐすとハーブの有効成分がお風呂全体にまざり、温泉につかったように血行がよくなります。翌日くらいでしたら、再度使うことができますが、その場合、劣化をふせぐために、サランラップに包み冷蔵保管をしてください。


環境省認可法人(社)日本アロマ環境協会インストラクター
初穂香房主宰
Lavozouアロマテラピー講師
栄中日文化センター講師
1995年よりアロマテラピー講師として活動
ホームページアドレス  http://www.lavozou.com/index.html


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