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グローカル文化の喜び

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

EXPO 2005 AICHI JAPAN・・その5

愛・地球博の長久手日本館に行った。
何と言っても、ビックリ、面白かったのは、淡水魚のコイと塩水魚のタイが同じ水槽の中で遊泳している姿を見たときだ。
ナノバブルを入れることによって成功しているのだとある。しかし、その理由が定かでない。
案内の人は水槽水の塩濃度は淡水魚に有利とのことだが、具体的には知らないと言う。
それでは、ナノバブル中に、如何な成分が封じ込められているのかと聞くと、それも知らないと言う。

通常、海水は0.8%位の食塩を中心にした塩分を含んでいる。
水槽水が低塩類になっているなら、ナノバブル中に,塩水魚に必要な成分が入っていて、タイが鰓呼吸や栄養成分を摂取出来る可能があるからと考えたくもなる。
それとも、ナノバブルに含まれる成分によって、淡水魚、塩水魚のどちらかに都合の悪い細菌、カビ、ウイルスなどが発生することがないからなのか。
その驚かされた水槽の周りには、その同時遊泳の理由についての説明が無い。
会場の案内人に聞いても判っていない。せっかく、面白い展示をしているのに、気が利かないと思った。
もし、パテントなどの都合で、説明できないなら、その旨、はっきり、掲示すべきではないか。

いづれにしても、ナノテクノロジーが持つ、21世紀の可能性は素晴らしい。
愛・地球博が人間の叡智として、自然と人間との共存の道を探るにある。
淡水魚と塩水魚が、同時遊泳しているのは、自然の姿としては反するものだ。
それでも、万博日本館に展示された理由は何かと考えてみたくもなる。
地球環境が、淡水と塩水が混合するような環境悪化が起ることを想定しての対策なのか。
はたまた、この技術は、人間が地球環境悪化や宇宙環境へ出ていった時、ナノバブルやナノテクノロジーによって、生息が続けられる可能性追求への道を示しているようでもある。

日本の文化は、日常茶飯の生活から、自然の摂理を学び、医食同源を含めた生活様式の文化的昇華と言うべき茶の湯文化を作り上げた国だ。
ナノテクやクローン・遺伝子操作技術であれ、知的人為のなせる術であっても、自然の摂理を越えては不可能だ。
人類の生活総合文化も次元を変えて考える必要がありそうだ。

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