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インターネット公開文化講座

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中国茶

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

プーアール茶の飲み方

 プーアール茶の点て方、飲み方を通して黒茶の喫茶法の基本となることを学んでおく。プーアール茶は烏龍茶、鉄観音で知られる青茶と同様に工夫式で点てられることが多い。

工夫式と言うのは中国茶を味わう様式の代表だ。茶を点て、飲むために必要な我々の言う茶碗、急須等の道具、上等の茶葉を用いて、一定の様式に従って丁寧に茶を味わうのだ。

よく耳にする中国茶用の道具は次の様だ。日本では急須に呼応する茶壷、茶碗は茶杯。茶壷からお茶を注いで、その濃さを均等にするための容器を茶海と呼ぶ。お茶の香りをかぐための聞香杯。茶船、茶盤と言って茶壷や茶杯を温めるために熱湯をかけるための陶磁器や木製の道具。茶芸セットと言う茶則、茶杓,茶挟、茶玉といった道具がある。茶を入れて保存するのは茶罐(茶缶)。

我が国で言えば、煎茶や抹茶の場合と同様に一定の様式に従って茶を味わうためのプロセス、手順があると思えばよい。それぞれのお国柄があって面白い。

基本的に注意すべきは次の様だ。まず、プーアール茶葉の量は茶壷の高さの5分の1程度入れるのが良い。薄くか、濃い茶湯を望むかによって茶葉量は異なる。プーアール茶と言っても、散茶、緊圧茶(固形茶)と多種類あるから、それぞれの特長を知ってから、茶葉の量は自分が決めるのが一番だ。

湯の温度は100℃の熱を用いる。茶葉を茶壷に入れる前に、前もって、熱湯を注いで茶壷を温めておく。また、茶葉の汚れが気になる人は洗茶と言って茶葉を入れて熱湯を注ぎ、水盂と呼ぶ器にあける。水盂は茶殻を捨てる容器。茶壷や水盂にあけた湯は茶杯を温めるためにも用いられる。茶葉の入った温まった茶壷に再び100℃の熱湯を注ぐ。茶壷の蓋をして1~3分くらい蒸らす。その間、茶壷を茶船か茶盤においてあれば、蓋をした茶壷に熱湯を注いで温めるのが普通だ。

様式はいろいろあるが、自分やお客が楽しめれば、道具、お菓子や料理に凝るのも良い。

茶壷を用いて工夫式で茶を立てる前に、プーアール茶の特色を理解するのが良い。そのために、蓋碗と言う蓋つき茶碗を用いて茶を味わうのが勉強になる。茶葉量、時間経過と茶味の変化を知るための研究に大切だ。また、ガラス製茶器で試みるのも、茶葉、湯色、茶味の変化を知るためには役立つ。

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