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インターネット公開文化講座

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中国茶

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

黒茶、いろいろ

前回取り上げなかった黒茶製品は磚茶、緊茶、竹筒茶と限りない。
後発酵と呼び、晒青や釜炒り緑茶、蒸青緑茶をカビによる熟成、保存する過程があるからだ。地域の特性、多様性を今日に維持しているのが面白い。しかし、中国も変わりつつある。

我が国は茶の地域特性から、宇治、静岡と言った有名産地となった地名、つまり、有名ブランド化した地域はブレンド地となった。有名でない茶産地は原料供給が主となったのだ。その結果、全国的に茶種、茶製法も蒸青緑茶と均一化してしまった。中国茶に見られるような際立った特色が無い。

今日、生産地、商品名について牛肉、お米等で問題となった。お茶についても同様な現実がある。以後、例えば、静岡茶と名付けて良いのは50%以上、いや、70%以上等の静岡産の混合が必要と議論されるようになった。混合が重要というなら英国や仏国紅茶のように会社名を前面に出せばよい。
加えて中国産の蒸青緑茶も輸入。どの程度の外国産茶葉を混合しても国産なのか。

お茶ブームに乗ったペットボトル性お茶等の製品は外国産茶葉の使用が主流。また、有名茶葉をどのくらい混合すれば、製品名にその有名茶名をつけられるかの問題もある。

一握りや数%を加えるだけでも名付けていないかと疑いたくなる。〇〇仕込み、××仕上げという商品まで出現している。この場合は、更に、有名産地や品種物の混合量は更に減っていないか。「仕込み」「仕上げ」となれば、全然加えていないかとまで疑いが出る。

産地名、仕込み、仕上げといった名前や呼び方がどんな意味を持っているかも不明瞭になっている。それでも、我が国の人たちはブランド名の商品に群がる体質がある。

中国も売れる商品の為に伝統や有名ブランドも利用するようになっていると疑いたくもなる。伝統あるプーアール散茶、香竹筒茶とは変わっている。また、商品名も本当かと言いたくもなることが多くなってきた。

儲かればなんでも利用するのは人類共通の体質と思えてくる。そうなると商品名、生産地、成分とのその量や割合、安全性についての国際基準を設けて厳格に守るような検証体制の整備が不可欠で急ぐ必要がある。SARS情報より、更に、不明瞭が行われ易いからだ。

人々は商品の良否を"ブランド"といった意味不明な言葉を用いた商品表示に惑わされず、品質、味の自己判断能力を持つことだ。

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