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自然体験

平成15年

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 名産「白川茶」のお茶摘みとわらび採り体験

平成15年5月25日(日)くもりのち晴れ
岐阜県加茂郡東白川村 こもれびの里にて
参加者/10組56名

  • 案内人/川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザー、グリーン・ツーリズムインストラクターなどとして活動。現在、ジョン・ギャスライトさんのツリークライミングジャパン副代表、岐阜県立森林文化アカデミー専門技術員、天生(あもう)県立自然公園公認ガイドなどとしても活躍中。
  • お茶摘み講師/東白川村の方々
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

暦の上では初夏にあたるとはいえ、朝霧のベールが辺り一面を覆う東白川村の朝は、ひんやりと涼しい。茶摘みのシーズンもそろそろ終盤を迎える東白川村で、おおらかに枝をのばす新茶と、元気いっぱいに育ったワラビに、顔がほころぶ1日となった。


↑新茶の緑が目にまぶしい。
10:15~

開会式

「東白川村には"へえこんちゃ(へえ、こんにちは)"という方言をもじった"へえこん茶"という、茶どころならではの特産品もあります。今日は絶好の茶摘み日和。1日楽しく過ごしましょう」と本日の案内人、川尻秀樹さんのあいさつで始まる。

10:25~

茶畑で茶の話を聞く

少し高台の茶畑へ移動。ほかの茶畑が見渡せる絶好のロケーション。まずは、本日の茶摘み講師の1人である、地元東白川村の藤井茂樹さんよりお茶の話を聞く。「この辺りは、昼夜の温度差が激しいので、朝方は霧空になり10時頃からようやく日が射してきます。温度が高くなればなるほど、お茶の苦み(タンニン)が出ますが、この辺りのように温度が低いとお茶のうま味が出ます。白川茶がおいしいと言われるのはそんな理由からなんです」

←お茶のことなら何でも知っている東白川村の藤井茂樹さん。

案内人の川尻さんは「最近、アミノ酸飲料がもてはやされていますが、朝夕、霧が出る地域のお茶はアミノ酸たっぷり。いいお茶を飲めば、アミノ酸飲料はいりません」と、暮らしの中の豆知識を披露。

続いて、季節の風物詩、ホオの花が紹介される。巨大な白い花を咲かせたホオの実物が渡され、そのなんともいえな甘い香りに参加者はひとしきり盛り上がる。モクレンの親戚で、蜜を出さずに甘い香りで虫を引き寄せること、恐竜の時代からあることなど、植物に詳しい川尻さんの雑学にうなずく参加者。

←ホオは背が高くて、花を間近で見ることはめったにないので、貴重な経験ですよ」と川尻さん。

茶の摘み方は3枚の葉をつけて摘む「1芯3葉」が基本だが、いちいち数えなくても、たいていは、手前に曲げてひっぱると簡単に折れるところが「1芯3葉」だとか。葉に混ぜてはいけないもの(ワラビ、ヘクソカズラ、虫など)を聞いて、いよいよ茶摘みの本番!

10:45~

茶摘みスタート

林にこだまする鳥のさえずりをBGMに、茶摘みがスタート。本日茶摘みをする茶の品種は「やぶきた」。全国的に見ても90%以上はこのやぶきたという品種が占めているとか。東白川村ではほかにも在来種や、おくみどり、さやまみどりなどの品種をつくっている。参加者は「茶摘みは意外に簡単。もっと難しいと思った」とピッチが上がる。「煎茶、番茶、紅茶などいろいろなお茶がありますが、もとは全部同じ茶葉からつくられており、加工の仕方が違うだけ」という、藤井さんの話に「えー、そうなの!」と驚く参加者。

←楽しみにしていた茶摘みができてうれしい!
11:15~

お茶で一服

茶畑の横に座り、東白川村特産の「へえこん茶」と「つちのこせんべい」で一服。

11:30~

お茶の葉コンテスト

冬の間に伸びた枝を春に刈る「春整枝(はるせいし)」後、すくすくと伸びた新芽の長さを競う「お茶の葉コンテスト」を開催。1人ひとり、これはと思うものを摘み、ものさしで計測してもらう。審査員は東白川アウトドアサークルの今井元子さんと安江ほずみさん。見事1位に輝いたお茶の葉は、なんと29cm!15位までの参加者には手づくりのお茶の実クラフトやお茶のポプリ、新茶などを進呈。大いに盛り上がった。

←お茶の葉コンテストで入賞!

栗拾いの後は恒例の「小さい栗と大きい栗のコンテスト」。豆粒ほどの小さな栗や、はちきれんばかりの大きな栗が次々と審判の栗谷本さんの所へ。優勝した小さい栗はわずか直径11.5 ㎜、大きい栗は直径 47.8 ㎜。白い栗(未成熟)を拾った女の子は栗谷本賞!今日が誕生日という岡田優紀くん( 6 歳)に「おめでとう!」のサプライズもあり、大いに盛り上がった。

11:50~

機械刈りの実演と体験

「最近は、ほとんどの茶葉が機械刈りされており、手摘みするのはごくわずかです」と藤井さん夫妻が機械刈りを実演。機械に取り付けられた袋の中に、あっという間に刈られた茶葉が集まる。好奇心いっぱいの子どもたちは、藤井さんにサポートしてもらい、機械刈りを体験。「おもしろかった」「手で摘む方が楽しい!」と、さまざまな感想が。

←うわー、手がしびれる~。
12:15~

記念撮影

茶畑の中でポーズを決めて記念撮影。合言葉は「へえこんちゃ!」。撮影の後、持ち帰り用の茶葉を摘む。「茶葉は天ぷらにして食べるとおいしいですよ」と地元ならではの料理法を伝授する藤井さん。

12:30~

昼食

昼食は、こもれびの館前のテラスでバイキング。メニューは山菜ごはん、ヤマブキの煮付け、タケノコの煮付け、とうふ、漬け物、こんにゃくの刺身、抹茶のシフォンケーキ。アウトドアで食べるごはんは最高!

←おいしそうな山の幸がてんこ盛り。
13:40~

ワラビ採りに出発

こもれびの里からいろいろな植物が観察できる散歩道「どんぐりの小径」を通ってワラビ採りに出発!1時間ほど、こもれびの里敷地内でそれぞれにワラビ採りを楽しむことに。「人が行かない方向へ行かないと、採れない」と、参加者はみな思い思いに散っていく。初めのうちはなかなか見つけられなかったワラビ採り初心者も、次第に目が慣れてくると「あったあった!」とうれしそう。東白川村のワラビは背が高く、ニョキニョキ生えていて、見つけたときの喜びはひとしお。草の中を、かがんだり、のぞいたりして目の高さをいろいろ変えて進んでいくと、おもしろいほど見つかる。ついつい夢中になって、気づいたときには「あれ~?みんながいない」

↑ワラビ採りって、やみつきになっちゃう。 ↑このワラビはちょっと食べられないかな~?
14:50~

新茶とわらび餅で一服

抹茶ときなこをかけたわらび餅と、温かい新茶をいただく。心地よい疲労の後の一服に、参加者の頬がゆるむ。

15:10~

閉会式

川尻さんよりあいさつ。「東白川を第2のふるさととして、ぜひまたお越しください。今日みなさんにおみやげに渡されるワラ灰は最近ではなかなか手に入らない貴重品です。レシピを参考に、今日採ったワラビをこのワラ灰を使って上手にアク抜きしてください」。

最後に東白川村の樋口さんより、おいしいお茶のいれ方が伝授された。ポイントはたっぷりの茶葉と70度くらいのお湯、1分間の蒸らし。水はミネラルウォーターか、前日にくみおきしておいたものを使うこと。ここで川尻さんからもアドバイス。「ミネラルウォーターを冷蔵庫でキンキンに冷やしておいて、茶葉に注ぎ、10分ほどかけて水出し茶にしてもおいしいので、ぜひ試してみてください」。天ぷら用にと自分で摘んだ茶葉、試飲用の新茶、自分で採ったワラビ、ワラ灰、ワラビのレシピ......盛りだくさんのおみやげと、貴重な体験に大満足の1日となった。

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