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平成15年

自然体験 | 組合員レポート

山村たいけんin東白川 「ワラ細工と花餅づくり体験」

平成15年12月6日(土)雨
東白川村こもれびの里にて
参加者 17組61名

  • 案内人
    川尻秀樹さん
    技術士(林業部門)、樹木医、森林インストラクター、きのこアドバイザーなどとして活動。現在、岐阜県立森林文化アカデミー林業経営支援グループに勤務。天生県立自然公園公認ガイドとしても活躍中。
  • わら細工・花餅づくり講師
    藤井茂樹さんほか東白川村のみなさん
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

春と秋に花をつける薄桃色のシキザクラ(四季桜)が可憐に咲くこもれびの里。今年最後の「山村たいけん」では、わら細工と古くから山里に伝えられる正月の風物詩・花餅づくりに挑戦。昔ながらの手仕事に子どもからお年寄りまで熱心に取り組んだ。

10:05~

開会式

小雨がぱらつき少し肌寒い朝。受付横には大きな花餅飾りや地元でとれた冬野菜が並べられ、参加者を出迎えた。「わら細工が楽しみ」と話すご夫婦のほかご年輩のグループがちらほら。子どもたちはまだ眠そうな表情だ。そんななか、こもれびの館母屋で開会式。本日の案内人・川尻秀樹さんが東白川村を紹介した後、わら細工体験が始まった。

10:15~

わら細工体験のスタート

まずは川尻さんが注連縄(しめなわ)の意味や稲作文化について解説。「一般になう縄は右ない。神様に供える注連縄などは左ないです。正月の注連縄には紙垂(しで)という和紙で作った紙を縄の間にはさみます」と川尻さん。

次いで地元の藤井茂樹さんが東白川村に伝わるわら細工の道具を紹介。雨や寒さを防ぐ「胴蓑(みの)」、神社へ切り餅を奉納するときに入れる「わらかご」、人間がはく「わらじ」のほか、牛用の「ぞうり」も登場。参加者はわら細工の数々に「ほおぉ」と驚きながらも興味津々だった。

そして、縄ない名人の藤井さんが実演。「3本ずつを2つに分けて端を折り曲げて、ない始めます。継ぎ足しは1~2本ずつ。手が乾燥したら縄をつくりにくいので、濡れタオルでときどき手を濡らしながら...」とコツを伝授した。

参加者は畳に座ってわら縄づくりを開始。川尻さんと藤井さんがグループごとに回ってアドバイスしていく。

初めは悪戦苦闘していた中学生の男の子は「縄づくりに少しずつ慣れて、思わず熱中していた」と、時間を忘れるほどの集中ぶり。縄がなえたら、それを輪にして早くもリース飾りをつくり始める人もいた。

60代の女性は「縄ないは田舎に疎開したとき覚えて以来だけど、やり始めたら身体が覚えていました」。中には「60年ぶりのわら細工。懐かしい」という70代のおじいちゃん、スタッフに手伝ってもらい小さな花カゴを作る女の子もいて、楽しみ方もいろいろ。

出来上がった小物や飾りは「飾り用ほうき」、落ち葉で飾りつけをした「すだれ風タペストリー」などさまざま。完成した作品を手に記念撮影も。唐辛子を大きなリースに飾って首輪にしたご夫婦はじめ、みんな笑顔で満足げだった。

←「神様用は左ないです」とわら文化について解説する川尻さん。
←「わたしもガンバッてま~す。」
←注連縄を輪にして、正月風リースが完成!
12:00~

昼食は山の幸バイキング

昼食はレストラン味彩でバイキング。川魚のアマゴ、にがり豆腐、サトイモ、冬瓜など地元の食材をふんだんに使った食事を楽しんだ。

13:20~

花餅づくりに夢中!

午後からは丸太小屋に移動して花餅づくり。各自に一つの枝台が用意された。
「花餅づくりは生花が手に入りにくかったお正月に、部屋を飾るための山村の大切な行事です」と花餅に関する川尻さんの説明。花餅を飾る枝台となるのは「ネジキ」(地元でカツウルシ)と呼ばれる木。「その年に成長した分だけ枝の先が赤くなります。その枝先を切ったもので、花餅用の最高級品。今日用意してある枝も、花餅のために藤井さんが春先から準備していたものです」と川尻さん。

次いで紅白の餅を枝につけるコツをスタッフが解説。紅白の餅を包丁で細かく切り、それを1つずつ枝につけていく。作業が始まると、枝に少しずつ餅の花が咲き出した。枝のバランスを良くするため一部を剪定する人、餅をリングにしてつなげていく人など、作り方にも個人差が出てまさに「花餅アート」。わら細工で苦労していた子どもたちも熱中している。工作する感覚で簡単につけられるので大人も子どもも真剣に取り組んでいた。中にはつけるのに失敗した餅を試食する女の子の姿も。

餅をつけ終わったら、今度は仕上げにドライフラワーや松ぼっくり、カエデの葉などをつけて飾る。現代風の花餅が完成した。

花餅は桃の節句に枝から餅をはずして、アラレにして食べたとか。昔の風習を学びながら、楽しいひと時をすごした。

←枝に紅白の餅の花が咲いた。
14:30~

手づくり餅と白川茶で一服

その後は餅つき体験。石の臼と杵でつく餅つきは大人気で、餅つき役は行列ができるほど。今回は白餅、キビ餅の2種類の餅をついた。つきたての餅を食べながら、温かい白川茶で一服。餅を何回もお代わりする子どももいた。

←2人で力を合わせて「ヨイショ!」。
15:15~

閉会式

再びこもれびの館母屋で閉会式。参加者にはくじ引きで地元の野菜が進呈された。川尻さんからもプレゼントが。最後は花餅の作品を手に全員で記念撮影をパチリ。

山里の冬の風習・花餅づくりとわら細工。苦労しながらも貴重な体験をした参加者たち。手土産と思い出をクルマに積んで東白川村を後にした。

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