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自然体験

平成15年

自然体験 | 組合員レポート

森の教室 春の山遊びに出かけよう 山菜採りと竹とんぼ作り

平成15年4月26日(土)小雨のち晴れ
岐阜県恵那市飯地町 ファンフォーレストにて
参加者/10組33名

  • 山菜採り講師
    纐纈規久さん(飯地町)
  • 山菜採り&竹とんぼづくり講師
    赤尾袈夫さん(恵那市観光協会)
  • ※このページにある写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。

早朝からの雨で新緑が洗われて、清らかな空気に包まれたファンフォーレスト。鮮やかな赤紫の色がはっとするほど美しいコバノミツバツツジの花、白くて小さく可憐なモミジイチゴの花......そんな花々の競演を楽しみながら、里山の春の恵みをいただき、自然遊びに興じた。

10:00~

開会式

「今日は、教えるだけでなく皆さんからもいろいろ教わりたいと思っています」と飯 地町の纐纈規久さん。

10:15~

山菜の解説

参加者の前にズラリと並ぶのは、纐纈さんが用意してくださった山菜の見本。30種類 ほどの鉢には見分け方や料理法などの解説が添えられ、開会式前から参加者の関心が集まっていた。見本の前では、初めに纐纈さんがウルシやジギタリスなど有毒植物などを 解説。タラノキとウルシの見分け方では「トゲがなく、途中で枝分かれしているのがウルシですから、間違って採らないように注意して。間違って食べてしまう事故が非常に多い植物です」と教えてもらう。そのほか、ぬたにするとおいしいヤブカンゾウ、ゴボ ウに似ていてヨモギの代わりに餅に入れると風味がいいオヤマボクチなど珍しい山菜の紹介も。

←飯地の山菜に詳しい纐纈さんの解説。

続いて赤尾袈夫さんがコシアブラとタカノツメを前に「この2つの木は別名カタナノキと呼ばれますが、どうしてそう呼ばれるのか知ってますか?」と参加者に質問しながらナイフを取り出し、小枝の表皮をさやにみたてた刀をつくってみせる。「おーっ!」と歓声が上がり、子どもたちの目が輝く。「山野草はなめたり触ったりして体全部で覚えていきましょう。頭だけで覚えようったって、覚わらないですよ」と赤尾さん。スイバやカタバミを「おいしいよ」とパクパクッと食べたり、アセビを草笛にしてプーッと鳴らしたり。「ヨモギは血止め草と言われていますが、枝を折って体にはたいておくと虫除けスプレーよりも強力な虫除けになるんです」と暮らしの知恵も満載。
一通り解説が終わった後、揚げたてのユキノシタの天ぷらが振る舞われた。

↑冗談を交えた解説がユニークな赤尾さん。 ↑揚げたてのユキノシタの天ぷらはサクサクして最高!
10:40~

山菜採りに出発

纐纈さんと赤尾さんの2グループに分かれて山菜採りに出発!
纐纈さんのグループはスタート早々にゼンマイを発見!手の届く範囲のゼンマイに次々に手を伸ばす子どもたち。雨上がりで澄んだ空気がおいしく、カエルやウグイスの声をBGMに足取りも軽くなる。続いて天ぷらにするとおいしいアザミやイタドリも発見。

ちぎると茎から乳白色の汁を出すツリガネニンジンの前では「この辺ではチチナと呼ぶよ。ヨメナと似ているね」と纐纈さん。地元の地の利を生かして、山菜の採れる場所を教えてくれたり、地元の食べ方を教えてくれたり。地元の山菜を知り尽くしているそんな纐纈さんの話に熱心に耳を傾ける人もいれば、山菜採りに熱中する人もいて、それぞれに楽しみながら進む。

←纐纈さんは山菜の採れそうな場所、見つけ方を的確に教えてくれる。

一方、赤尾さんのグループは山菜だけでなく、木や花などの解説を聞きながらのスローペース。モミジの前では「紅葉以外の季節はあまり注目されることのないモミジですが、今が花の時期です」と解説。自然をいろいろな角度から見ることを教えてくれる。ケムシのようなヤナギの花、キツネノエリマキとも呼ばれるヒカゲノカズラ、可憐なショウジョウバカマなど、知らなかったら見過ごしてしまいそうな植物にも次々とスポットがあたる。「飯地は山菜が多い地域」と赤尾さんが言うように、山菜もコシアブラ、ゼンマイ、オニゼンマイ、タラノメ、フキ、ワラビなどを次々と発見。昔の人はゼンマイの綿を手まりの中に入れたこと、松葉を蒸留酒に漬けるとおいしい松葉酒ができること、ノイバラの若葉を天ぷらにするとおいしいことなど、いろいろな知恵を授かる参加者。草花遊びも得意な赤尾さんは、道ばたのいろいろな植物を草笛に変身させたり、シロモジの葉っぱでピカチュウをつくったりと、子どもたちが大喜びの技を次々と披露。

←赤尾さんの解説はおもしろい!

「いっぱい歩いたのに、楽しくてぜんぜん疲れなかった」「ここへ来るまでは山菜採りに興味がなかったのに、すごく楽しかった。家に帰っても覚えたことを生かしたい」「ワラビぐらいはよく採るけれどこんなにいろいろ採ったのは初めて」。参加者は自分で採った山菜を手に満足感いっぱいだった。

↑ツクシをいっぱいみーつけた。 ↑お父さんと一緒に採ったよ。
12:00~

お弁当と山菜の天ぷらで昼食

朝から飯地町の藤原利子さん、柘植恒子さん、保母富士子さんの3人が準備してくださったユキノシタ、コシアブラ、ヨモギ、リョウブなど山菜の天ぷらに舌鼓。

13:00~

竹とんぼづくりに挑戦!

昼食後は、赤尾さんの指導による竹とんぼづくり。「遊びは最初からうまくできません。失敗して失敗してうまくなるんです。何度も失敗しなくてはいけません」。そう話しながら竹とんぼを飛ばしてみせる赤尾さん。参加者から「わーっ!」と歓声が上がる。

←鮮やかな手つきで竹とんぼを飛ばす赤尾さん。

続いてつくり方のデモンストレーション。竹をノコギリでカットし、竹をたて割りしてプロペラと心棒の部品をつくる。まず、プロペラの中心にキリで心棒を通す穴を開け、あとはナイフでの作業。削るところをえんぴつで下書きし、太陽が透けて見えるぐらいまでナイフで薄く削っていく。心棒も穴に通るぐらいの細さに削る。先端は、穴に通したとき抜けないようにくさび形にする......こうして赤尾さんの鮮やかなナイフ使いに魅了されること約10分。できあがった竹とんぼは赤尾さんの手で再び軽やかに宙を舞う。

これは簡単にできそうとばかりに張り切る参加者だったが、ノコギリやナタ、ナイフの使い方で悪戦苦闘。「ノコギリは手で切ろうとしてはダメ。ナタは刃の根元の方を使う。ナイフの削りはじめは刃の先から。削り終わるときには刃の根元で終わるように、刃全体を使うつもりで」。簡単なように見えて、実は経験に裏打ちされたいろんな技が隠されていることに気づく。

←一心不乱に竹をナイフで削る。
14:35~

つくった竹とんぼを飛ばしてみよう

毎回好評の竹とんぼづくりのプログラム、今回も参加者全員が時間を忘れて没頭した。 そしていよいよ自分のつくった竹とんぼを飛ばす「竹とんぼ選手権」を開催。1列に並んで、たくさん飛んだ上位3人に賞品を進呈。「飛んだ!」「なんで飛ばないの?」。
風向き、手の使い方、脚の位置......飛ばし方でも違いが出ることに気づく。

←みんなで一斉に「それっ!」。

「今日できないから、できないじゃない。形ができても飛ばない人は、形まではできたということ」。赤尾さんの言葉に聞き入る子どもたち。「ほかにも竹でこんなものがつくれますよ」と赤尾さん。竹の輪切りに穴を開け、ひもを通して竹の棒に結びつけると、あっという間に「けん玉」のできあがり。工夫次第で身近なものが遊び道具になることを学ぶ。
「4歳の子どもにナイフなんて無理だと思っていましたが、うまく使えてびっくり!」「普段は山登りが趣味なんですが、竹とんぼはハマりました」と参加者。
手づくりの楽しさを体で感じた体験となった。

14:55~

閉会式

「自然とうまくかかわっていかないと生活できないのが田舎の暮らし。私は幼い頃から体験することで自然に対する知恵を身につけてきました。毒のあるものをちゃんと覚えておけば、大抵の野草は天ぷらで食べられます」と纐纈さんがあいさつ。

続いて赤尾さんのあいさつ。「私は、教え方は乱暴でなくてはいけない、頭から入る 遊びは本当の遊びではない、と考えています。見よう見まねから工夫して創り出して、自分で楽しめるようになれば、いい人生を送れると思いますよ」

15:05~

閉会式

できあがった竹とんぼを手に記念撮影後、家族ごとに山菜のおみやげをもらって解散

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